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2009年3月

喜怒哀楽

【喜】所属していた(いる?)ブログサイトDoblogが壊滅状態なのでココログに移ったのですが、記事の移行と並んで、ブログで付き合いのある方々への連絡がまだ完全には済んでいません。リンクしていた他ブログの方は楽なのですが、同じDoblog在住の方への連絡が大変でした。コメントのやり取りが出来なくなってますので・・・。そんな中ある方がココログに居られ、私を見つけて下さいました。これは嬉しかった。おまけにその方は「Doblog難民キャンプ」というのを見つけておられ、そこにはDoblogから転居されてる方の連絡先がリンクされてました。これを立ち上げた方も大変だったでしょう・・・。こういう周りの為に努力する方、ひたすら尊敬です。

http://blog.goo.ne.jp/dobloger/

【怒】娘が仮免を通過し、路上に出ています。当然スムーズにはいかずノロノロ運転となります。普通の人は、自動車学校の教習車が前に居たりすると、チキショーとは思うものの我慢して付いていきます。ところが後ろからクラクションを鳴らされる事が度々あるらしいです。教官の方も最近は鳴らすのよと嘆いておられたそうです。この辺にも、周りの事を全く考えない最近の社会事情、ドライバー事情が見えて情けないの一言です。

【哀】先般の3連休の時、ちょっと重い物を抱えたら腰を捻ってしまいました。最近は楽になりましたが、暫くは体勢を変える度にしんどかったです。特に車から降りる時が中々厳しいものがありました。さすがに歳を取ってくると、アチコチに不具合が出てきますねえ・・・目もかすみがちだし、体重も徐々に減っていってます。腕立てや腹筋を思い出したようにやると2日ぐらいして凝ってきます。人の名前とかも出てきにくくなってますね。こういう時は他人に聞いたり調べたりせず、自分の力で思い出した方が良いそうです。私も心がけてます。何日か経って思い出すとホッとします。でも、時には「思い出すこと」を忘れていることがあります・・・。

【楽】CDの試聴をしている時、何か気になる事があると音が「吸収」できない事があります。元々苦手なタイプの音ならともかく、そうでなくても「どうもシックリこない」という時があります。何かを楽しもうとするなら、こちらが「楽しもう」という気持ちになってないとダメなんでしょうね。逆に考えると、世の中怒りを覚えること、悲しくなることはどうしても出てきます。ただ、自分の気持ちが前向きなら何気ない日常に喜びや楽しみを見い出すこともできるでしょう・・・。喜怒哀楽の割合をパーセンテージで表せるとしたら、こちら側に「楽しもう」という気持ちがあれば「喜」と「楽」が増えるんだと思います。

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【試聴記】ケイス『ザ・ローズ・エクスペリエンス』

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1曲目から3曲目ぐらいまでは気に入りました。落ち着いた歌唱がゆったり目のグルーヴに乗り、演奏とも心地好く絡んでいます。1曲目のギターや2曲目のピアノ等も印象的な使い方で、曲構成のクオリティーも高いです。

ところが、中盤に入り音の装飾が派手めになり、乗りもジャストな感じに近くなり、今ひとつ私の好みと“距離”が開きます。そのせいか気持ちが入ってゆかず、何となく後半のバラードも心に響きませんでした・・・但しもう少し聴き込めば、印象が違ってくるかも知れません。歌自体はしなやかで、スタイリッシュな雰囲気が有りますから、私みたいな“偏屈者”でなければ楽しめるのではないでしょうか?

ケイスも久々の登場となります。私は不勉強で名前の記憶が微かに有るぐらいですが、ジョー辺りと同世代になるそうです。プロデューサー次第で、まだまだ活躍できる存在だとは思います。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3542092

http://www.myspace.com/theofficialcasemusic

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好きなアーティストリストなどなど・・

Created Music by Afro-American People;Gospel Qurtet,Early Jazz,Pre-War Blues,Jump Blues,Rhythm&Blues,Rock'n Roll,Chicago Blues,Modern Blues,Deep Soul,Contemporary Soul,Motown,Sweet Soul,Funk,R&B,HIP-HOP,New Jack Swing,etc...

Duke Ellington,Bessie Smith,Ma Rainey,Harf Pint Jackson,Charie Patton,Son House,Blind Lemon Jefferson,Lonnie Johnson,Blind Gary Davis,Skip James,Louis Jordan,Andy Kirk,Sister Rosetta Tharp,Robert Johnson,Robert Lee McCoy,Big Macio,Lightnin' Hopkins,Howlin Wolf,Elmore James,Little Walter,John Lee Hooker,Snookey Pryor,Five Blind Boys of Mississippi,Five Blind Boys of Alabama,Professor Longhair,Slim Harpo,Muddy Waters,Little Johnny Taylor,Ted Taylor,Little Milton,Junior Parker,Johnny Ace,Otis Rush,Magic Sam,Robert Ward,Dinah Washington,Big Maybelle,Helen Humes,Mitty Collier,Fontela Bass,Jackie Ross,Tommy Young,James Brown,Sam Cooke,Johnnie Taylor,James Carr,O.V.Wright,Spencer Wiggins,Geater Davis,Aretha Franklin,Soul Children,Marvin Gaye,Temptations,Spinners,Originals,Dells,Dramatics,Whispers,Maze,Al Green,Smokey Robinson,Teddy Pendergrass,Sherrick,Oran "Juice" Jones,Glen Jones,J.Blackfoot,Millie Jackson,Barrino Brothers,P-Funk,Gerald Alston,Johnny Gill,SWV,Coko,Brownstone,Nicci Gilbert,Mary J. Blige,Jaheim,Musiq Soulchild,Raphael Saadiq,Guesss,Chess,Vee-Jay,Cobra,Atrantic,STAX,Goldwax,Hotwax,Jewel/Paula/Ronn,Grapevine,MALACO,Ace/Charley,P-Vine,VIVID,Document,Bear Family,soultracks.com etc...

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フール・オン・ザ・ヒル

中学生の頃だったか、ビートルズの「フール・オン・ザ・ヒル」を聴き、歌詞の内容は正確に把握してなかったものの、丘の上で空を眺めて夢想する男の姿に、何物にも煩わされない自由人の姿を見て、憧れに似た気持ちを抱いた。

自分本意な青二才にとっては、結局“逃避”の姿勢にリンクしているだけのものだったろう。しかし、「丘の上の馬鹿」のイメージ自体は、何歳になっても拭い去られる事はなかった・・・。

丘の上で日向ぼっこばかりしていた若造も、やがて丘の下でさまざまな事を覚えていく。

言葉が人を傷付けたり、勇気付けたりすること。怒りの空しさや臆病の哀しさ。耳に入らない言葉と心に残る言葉。言い過ぎた言葉と言えなかった言葉。小さな本の中の大きな世界。悔しい涙と嬉しい涙。他人の温かさと冷たさ。全速力で走ったり、コソコソ逃げ回ったり。プライドと正直。快楽と虚無、苦痛と気概。男らしさを勘違いして女らしさを求め過ぎる。してはならない恋をして、するべきだった恋を悔やむ。一期一会。夢中になる事と流される事。目標と夢。達成と挫折。過ぎ去って欲しい時間と止まって欲しい時間。自分の家庭、自分の子供。知らない人と知り合い、知っている人の知らない面を知る。余裕と集中力。ヴァーチャル・リアリティーとヒューマニズム。ジェネレーション・ギャップ・・・丘の下で生活し、丘の上で人生を過ごす。音楽だけはいつもあった。

ジョンもポールも丘の上の馬鹿だ。それぞれが、丘の下から丘の上の相手を見ていたに違いない。丘には一人しか上れない。そして、みんな等しく丘を一つ持っている。みんなの丘は同じ高さだ。丘同士は繋がっていない。孤独の丘だ。孤高の丘だ。群衆の中の孤独、孤独の寄せ集めとしての群衆・・・今日はこんな事を夢想した。

明日?明日の事はサッパリ判らない。丘に上って青空を眺めてからの話だね。

http://www.youtube.com/watch?v=WIsou0IRIQU

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ニオイ

※基本的に、かぐわしいニオイを「匂い」、不快なニオイを「臭い」、全般的なものを「ニオイ」と表記しています。

●昨年、横浜~東京とウロチョロした時、電車の中や街中で若い女性と何度かすれ違うと、同じ“匂い”がしていた。多分流行りの香水だろう。それが割りとゴッツイ感じの匂いだった。ある意味西洋的であり、自分を強く主張している匂いともいえる。石鹸の匂いとか花の匂いとは次元が違う。

最近の若い女性は、ここ一番のメイクやオシャレをする時、「女になる」とか「女装する」とかいうらしい。もはや、自然な振る舞いに女性らしさを感じる時代ではないのだろうか?・・・メイクやオシャレは「変身」じゃないと思うのよ。神田うのも同じような事言ってた。

●妄想好きの私を、今年の初めから悩ませている或る考え・・・人魚姫は魚臭くないか?

身体の半分が魚だったら相当臭いと思う。上半身が美女なのでそこに思いが至らないのだろう。美人は得だ。という問題でもないか。もし人魚姫が憎たらしいキャラだったら、魚臭さも表現されていたかもしれない。

●映像にニオイを着けて、映画やドラマをよりリアルに鑑賞できるようにする、という話を聞いた。いつの時代にも優秀なクリエイターはいるので、表現手段として上手く使う人も居るとは思うが、基本的に止めた方が良いと思う。本が活字だけで出来ているように、映像作品は映像やセリフや音楽といったアイテムだけで構成した方が、観る者の想像力をより刺激するような気がする。特に「ニオイ」というのは、良かれ悪しかれ存在が強烈なので、状況を決め付けられてしまう可能性が高い。与え過ぎると求める心を失ってしまう。

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春の収穫

ヨメさんと娘がデパートで、娘の靴やらバッグやらを買ってる最中に、ひさしぶりのCD購入です。

※最近試聴したものから2点

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●ボビー・ヴァレンティノ『ザ・リバース』

http://hajibura-se.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/rebirth-7624.html
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●チャーリー・ウィルソン『アンクル・チャーリー』

http://hajibura-se.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-c335.html

※買いたいと思って手を出してなかった07年作1枚
Pookie
●プーキー・レイン『サザン・ウーマン』

かつてキース・スウェットの元でデビューしたオル・スクールの生き残り。ゆったりとサザン風味です。

http://diskunion.net/black/ct/detail/58C080331001

http://cdbaby.com/cd/pookielane

http://www.youtube.com/watch?v=RrKMQdHXsyA

※半額のワゴンセールから3枚。<グレイプヴァイン>盤も有ったぞ。熊本のオールドファン急げ!
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●V.A.『5000ヴォルツ・オブ・スタックス』

<エイス>が1000ヴォルト~5000ヴォルトまで5枚シリーズで編集した物の最後の盤(08年)。これは未発表曲を集めた物です。お蔵入りでも凄いレベル!特に他人の曲を歌っているパターンが多いので、このアーティストよりあのアーティストかな、という決断が走ったのでしょうか・・・。有名どころが殆どだし、カバー曲を聴くという感覚にもなるので一枚で三度オイシイ?

http://www.youtube.com/watch?v=imQ38aB1HZI

http://www.youtube.com/watch?v=XW84TAmHdAE&feature=related

54c070110701
●V.A.『ヒッツヴィル・ウエスト』

<ケント>編集のサンフランシスコ発ノーザン・ソウル集(07年)。音源レーベルは<VILLA>。私が聞いた名前はバラッズぐらいしか居ないが、これはあのバラッズでしょうか。

http://diskunion.net/black/ct/detail/54C070110701

http://www.acerecords.co.uk/content.php?page_id=59&release=7447

090431563120
●チャールズ・ブラウン『ドリフティン・ブルース:ザ・ベスト・オブ』

<コレクタブルズ>(95年)発。安い値段できちんとしたレーベルなら、LPで持ってて散々聴いた人でも買ってしまいます。

http://www.oldies.com/product-view/56312.html

http://www.youtube.com/watch?v=SQddiBz0Px8&feature=related

※別の店で中古を一枚。

Neyo
●ニーヨ『イヤー・オブ・ジェントルマン』

http://www.youtube.com/watch?v=0OVnYLtE3Qw

暫くはヘビロテですね。

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【試聴記】ボビー・ヴァレンティノ『ザ・リバース(REBIRTH)』

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本格派で若い人にも人気のある、ボビー・ヴァレンティノの3作目。これはかなりの充実度です。これに続けてスターリング・シムズ(またいずれ)も聴いたけどこちらも中々・・・どうもR&B界は最近男性上位かなという気もします。

バランスが抜群のテナー&ファルセットを駆使し、心地好いリズムの中縦横無尽に歌います。プロデューサー陣は現代の美メロ師といわれる(そうだったのね)ティム&ボブ、ラファエル・サディーク、ティンバランドetc...。どれがティンバか判りませんが、最近のティンバ仕事は派手さが抜けて好きです。時代を創っているというか時代に合わせている感じでしょうか。

既にヒットしている(らしい)「ビープ」のミディアム乗りは思わず腰を揺らします。他にもミッド~スロー共にグルーヴのタメがよく効いてます。これぞ黒い乗り。ブラックネスが肌に染み付いたヤツらの作品ですね。最近のR&Bはスッキリしてポップ味が有ったり、SSW系の流れに沿ったものがよく聴かれます。それはそれで魅力的なのですが、このアルバムのように王道ブラックを提示されると、やっぱり落ち着きますね。70年代~90年代の美味しいところを散りばめて創った入魂の一作といえるでしょう。歌物好きもヒップホッパーも満足する事まちがいなし。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3521408

http://www.youtube.com/watch?v=NP6yErksmR0

http://www.justbobby.com/

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【試聴記】スターリング・シムズ『ユアーズ、マイン・アンド・ザ・トゥルース』

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デビュー・アルバムですが、若い頃からジャーメイン・デュプリやダラス・オースティン、ケニー・ギャンブルらとコネクションがあったようです。今回のアルバムは、私の知っている名前ではトリッキー・スチュアートがプロデュースに関わっており、1曲目にはジャダキスが参加しています。

ヴォーカルはややハスキーで、声が裏返りかけるところがちょっと“哀願調”になったりして、味わいのある声だと思います。サウンドが後半“トリッキー”(ダジャレじゃなくて)な感じとなりますが、さほどは気になりません。極めて正統なR&Bですが、その真っ当さが好きです。

http://www.youtube.com/watch?v=_pRuKL9oa4o&feature=related

http://www.defjam.com/site/artist_home.php?artist_id=635

http://en.wikipedia.org/wiki/Sterling_Simms

http://www.myspace.com/sterlingsimms

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3冊の収穫

Tokyo

●日暮吉延著『東京裁判』(講談社現代新書)

http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2879247

Timmoko

●共同通信社社会部編『沈黙のファイル「瀬島龍三」とは何だったのか』(新潮文庫)

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4101224218.html

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●岡本太郎著『美の呪力』(新潮文庫)

http://www.shinchosha.co.jp/book/134622/

何だか私の父親が買いそうなラインナップだなあ・・・こういうのは似てくるんでしょうか?最近は妙に戦争前後辺りの日本の現代史に興味が出てきました。私ぐらいの世代でも、結構この辺自分で追究してないと知らないことが多いものです。岡本太郎さんは文章も上手い人です。もちろんテクニックがあるという意味ではなくて・・・。あと土俗的な物が好きな方のようで、その中の「美」というものに「大衆音楽」と共通するものを感じます。

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一流の人は空気を読まない

Iti

●堀紘一著『一流の人は空気を読まない』(角川書店)

http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200805000494

本を読んでおりません。タイトルからの連想で書く事を最初に申し上げて置きます。

現代社会で「空気を読む」というと、「周囲に合わせる」という意味合いになっていると思います。しかも否定的に「空気を読まない」と使う事が多いようです。本来「読む」という言葉通りに考えるなら、空気を読んだ上で、周りと違う行動を取るパターンもあるんじゃないかと思います。このままじゃいけないよ、空気を変えようよというニュアンスです。これが出来る人は「一流」だと繋がるのかも知れません。つまり現代用語としては「空気を読まない」人なんだけど、実はシッカリ空気を読んで「自分の考えで」行動している人の事なんだと思います。

熊本弁(だけかどうか知りませんが)で「一流」というとゴーイングマイウェイな人(あるいは変わり者)を表す事があります。意味としては先に書いた事と似ているのかなとも思います。

「一流=一つの流れ」とも考えられます。野球の落合監督の考えとかを「オレ流」とかいうのも彼の独創性に対する表現でしょう。本当は一人ひとりがまず「オレ流」を築き上げ、全体の「空気」を各人で読み、守る部分は守り、変える部分は変える事が出来ればベストなんでしょうけど、これはかなり難しいです。殆ど不可能です。しかし、そのグループでリーダーシップを取る人は最低「オレ流」を持ってなければシンドイでしょうね。先日麻生総理が小泉元首相の事を「あの人は奇人変人だから」と言ったのに対し、小泉氏が極めて筋立てて(しかも熱く)反論していました。これは多分かつて小泉氏が「奇人変人」と言われていたので、自分が言っても“空気的”におかしくないだろうと甘い判断の結果出た言葉だと思います。麻生総理の発言が二転三転したり、漢字が苦手な事をウヤムヤにしたりする姿勢は、彼に「オレ流」が存在していない証明だと思います。自分の信念と他人の話を聞く姿勢が欠けてるんでしょうね。信念ばかり押し付けてもダメ。落合監督でも他人を無視して自分の考えを押し通す人ではないと思います。

しかし、「空気を読まない」といって他人を批判する言葉が現代用語として存在する事自体悲しい話ですね。それとは別の角度から見ると、周りを辟易させ、周囲に迷惑を掛ける(空気を読まないというか読めない)どこかの総理みたいな人が居るのも事実ではあります。

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新しい道

娘が大学に合格しました。希望通りの道に進めるようです。

その娘が、小学校に入って最初の登校日。「一人でどこかに行かせる」という経験を親の方もしてなかったので、後姿をしばし見送ってました。ランドセルの紐を両手でシッカリ握り、ややうつむき加減。道路の左端を、少しもフラフラせずにゆっくりと歩いていました。表情を見なくても、不安と希望の両方の気持ちが混ざってる歩みを感じました。ひとつ角を曲がって真っ直ぐ行くと、集団登校なのでお姉さんお兄さんがいます。少しの間の一人歩きなのですが、娘にとっても初めて味わう気持ちだったんじゃないかと思います。初めて歩く道じゃないのに、周りが違って見えたんじゃないかなと思います。

今、もしかしたら同じような気持ちなのかも知れません。娘の前に新しい道が開けているんだと思います。なぜかそういうのがとても羨ましいです。でも、もしかしたら、「新しい道」は実は我々の目の前にも何度も現れているのに気が付かないだけかも知れません。通い慣れた道でも「新しい道」にするのは自分の気持ちの中かも知れませんね。

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ティーチ・ミー・トゥナイト

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<モータウン>初期から活躍した女性ソロシンガー、キム・ウェストンの編集盤に、マーヴィン・ゲイとのデュエット曲「ティーチ・ミー・トゥナイト」が入ってました。マーヴィンはタミー・テレルを始め多くの女性とデュエット盤を残してます。バラード曲での優しくフォローするような歌い方は、ソロで歌う時の身を捩るようなヴォーカルとは一味違い、甘くてコクがあります。多くのソウルシンガーが参考にしたのではないでしょうか・・・。但し、タミーとの時は競り合うような歌い方が目立ち、それはそれで“熱烈カップル”ぶりが賛同を呼びました。キム・ウェストンは典型的<モータウン>ガールという感じで、そのアグレッシブな所がマーヴィンの甘さと引き立て合うんですよね。

「ティーチ・ミー・トウナイト」は昔から好きな曲で、私はフィービ・スノウ版をよく聴いてました。フィービは黒人音楽とは微妙にずれ、サウンドが好きと言うより、特徴的な声に惹かれました。ちょっと色気を抜いたエスター・フィリップスみたいでこういう感じのヴォーカル好きです。

曲自体は1953年に創られたポップスのスタンダードです。作者はSammy Kahn & Gene DePaul。歌ったのはデ・カストロ・シスターズという白人女性トリオです。今回どんな人が歌っているか調べましたら、ジャズ方面の人が多かったようです。それでは並べてみましょう。

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♪敬意を表してオリジナルから・・・
http://www.youtube.com/watch?v=ZCeQXDcm8NM

♪同じ54年に出ているジョー・スタッフォードという白人女性
http://www.youtube.com/watch?v=PSpII70gbH0

♪フィービ・スノウ
http://www.youtube.com/watch?v=Q5foXmtw-I0&feature=related

♪何かと話題のエイミー・ワインハウス嬢も、ちょっとフィービ風に
http://www.youtube.com/watch?v=xMyQfHWEOh0

♪大体この手の人が、歌うケースがアル・ジャロウ
http://www.youtube.com/watch?v=_Uh3lHt8gHg

♪似合うね。グレゴリー・アボット
http://www.youtube.com/watch?v=tlD7kDP4xPg&feature=related

♪まあ、すっかりオバチャンに・・・アリソン・ウイリアムズ
http://www.youtube.com/watch?v=_8ypjecwn1E&feature=related 

※日本のジャズシンガーをお二人。すいません、名前を存じ上げませんのでひらがなでごめんなさい。

♪みなくち まことさん
http://www.youtube.com/watch?v=8A_ZnBnu78A

♪おもと かおるさん
http://www.youtube.com/watch?v=9-VEWjHGvSE

♪結構器用に歌いこなす人です。メアリー・ウエルズ
http://www.youtube.com/watch?v=uQZbMHg_MqE&feature=related

♪キム&マーヴィン版は無かったので、別の曲をどうぞ
http://www.youtube.com/watch?v=N96gI7Z5ne8&feature=related

個人的にはメアリーと、ブルージーなのでみなくちさんが好かったです。

それにしてもTeach me Tonightなんて言われたらどうしましょかね。もう何でも教えちゃいましょうかね・・・えっ?そんな心配ない?

だよね。

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【試聴記】チャーリー・ウィルソン『アンクル・チャーリー』

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現代R&Bの音世界に対応しているオールド・ソウル・マンの一人、チャーリー・ウィルソンの新作。

前作は、唱法が似ている所から“後継者”的存在で捉えられている、アーロン・ホールを意識したようなキビキビしたアルバムでした。

今回はもう少し落ち着いた感じです。最近のR&Bでよく聴かれる、美メロ系だったり、AOR的だったり、中近東風フレーズが登場したりする中、揺るぎないチャーリー節が堪能出来ます。

再度アーロンと比較してみますと、アーロンが竜巻のようなメリスマを駆使して、良くも悪くも“一本調子”なのに対し、チャーリーはメリスマ主体では有るものの、より懐の深いヴォーカルが楽しめます。この辺が新しい音に対応できる由縁だと思います。

考えてみれば、お互いが所属していた(過去形でいいの?)グループの特長そのままかも知れません。アーロンは、時代を牽引したダンスビートを生み出したガイに居たからこそ、よりエキセントリックになったのでしょう。一方チャーリーは、玄人受けする(変な表現だけど黒人が好きそうな)大人のファンクバンド、ギャップ・バンドならでこその、粋でしなやかな感覚を持っているんだと思います。

そうです。この人、粋なんですよね。それで、どんな題材を提示されても慌てず騒がずの体で、軽~く受け止めて結果を残せるんだと思います。例えばアイズリー・ブラザーズのような、誰と絡んでもアクの強いアイズリーズ・サウンドになるのとは違うようです。

2曲目はAORそのものではないですが、70年代ポップ・ロックのプレイヤー(バンド名)「ベイビー・カム・バック」のフレーズがキレイにはまってます。これと3曲目辺りは頑固なソウルファンがいらつくようなポップさです。しかし、AORとコンテンポラリー・ソウル(雑に言えばブラコン)は表裏一体の面もあるので、上手い人がやるとそんなに厭な感触はないです。この辺で聴くのを止めたらもったいない。最後の方のバラードまで是非お試し下さい。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3520095

http://www.youtube.com/watch?v=wSKEUFx0Oj4

http://www.youtube.com/watch?v=Hn-enjcgV1o

http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendID=189579170

※最近ブラコン系の再発が目立つのも、現代R&Bサウンドに共通するものがあるからでしょうかね。あと、個人的推測では『キー・オブ・ライフ』以降のスティーヴィー・ワンダーと『スリラー』直前のマイケル・ジャクソンも関係ある気がします。キッカケはニーヨやジョン・レジェンドでしょうかね。

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思いの中の時間軸

今月1日は娘の卒業式でした。時代は変わっても「卒業式の雰囲気」というのにはそんなに大きな違いはないようです。

保護者代表の方がこの前入学式だと思ってたら、もう卒業式と言われてました。同感です。月日の経つのは早いものです。

それはともかく、相変わらず変な事を考えるのが好きな私は、娘にとっての三年間と私が感じる三年間はエライ違いだろうなとふと思いました。娘の方が「濃縮」した三年間だと思うのです。

昔から「時間軸」って気になってました。これも黒人音楽と関連があるかも知れません。黒人音楽ほど過去と繋がりの深い「分野」はないと思います。時間の壁を超え、旧い音楽を新しい音楽と結びつけたり、旧い音楽に拘り続けたりするのは黒人音楽の特長の一つといえます。

結局人生もそんな感じがします。実際に時計が刻む時間を生きているんですが、実は個人個人の思いの中の時間軸が本人の心に強い影響を与えている気がします。

昔の人が語る言葉には重みはあります。「温故知新」・・・思いの中の時間軸を大切にしようというメッセージだと思います。

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自分の言葉

会話にしろ文章にしろ、説得力のある人は「自分の言葉」を持っている。他人に伝えたい事を、先ず伝える側が理解しないと「説得」「説明」が出来ない。理解した事を伝える場合、自分の言葉でないと真実味や真剣味が伝わらないという事だろう。

最も感心するパターンは、専門的な事柄を素人に説明できる事。以前、イチローのバッティング理論を聞いて、自分も打てそうな気になったのを覚えている。理論と実践のギャップはあれど、素人にも伝わる確固たる理論やポリシーを持っている人は、結局、実績に繋がる仕事をしている人だと思う。

面白い、というかキーポイントになるのは、自分の言葉とはいえ、それは無数の「他人の言葉」から成り立っている事だろう。他人の言葉に真剣に向き合う事が自分の言葉を創り出す。他人と自分をフィードバックさせるのは、けっこう人間の営み全てに共通する理屈のような気もする。

↑この文章自体が「自分の言葉」になっているかどうか、書いた本人は今一つ分からないのも、人間らしい部分だ。イチローだって、自分を完璧だとは思ってないはず。

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【試聴記】インディア.アリー『テスティモニー:Vol.2,ラブ&ポリティクス』

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最近のブラック・ミュージック界のキーワードの一つに「SSW=シンガー・ソングライター」というのが有ると思います。広義に捉えればニーヨやジョン・レジェンド辺りも含まれるかな?一方、私が個人的に重要視しているキーワードの一つに「セルフ・プロデュース能力」というのが有りますが、SSW系の人は自ずとセルフ・プロデュース能力が高いのは間違い有りません。音世界が共通している訳では有りませんが、よく名前が上がるジェイムス・テイラーやキャロル・キングの“空気”(爽やかだけどコクが有る)を持った黒人音楽ともいえるかも知れません。

それでは、私自身はSSW系は好きかというと微妙な所です。原因は私のブルース贔屓でしょう。SSW系は「土臭い」レベルまでは行きますが、ブルースの「泥臭さ」までには至りません。「湿り気」の強弱とでも言えば良いのでしょうか?シンプルさが信条という点では共通するものを感じるので、微妙な違いが逆にのめり込めない理由に繋がっているのではと思っています。却って洗練されたアーヴァン・サウンドなんぞが少々土臭かったりするのは好きなんですけどね。もっとも今の世の中泥臭いのを探す方が難しい話です。

冒頭から脱線しました。こんな小理屈は、音を前にしたら思い浮かびません。ピンと来なかったらヘッドフォンを外すだけ。時には自分の既成概念(小理屈)を覆してくれる一枚に出会う事も有ります。本盤も嬉しい誤算でした。

実は、インディア.アリーのこれまでの盤は試聴しても最後まで興味が続きませんでした。上記の小理屈が勝っていたのです。今回もスルーしようかと思いましたが、ミュージック・ソウルチャイルドとのコラボ曲だけ聴こうと思い、耳を傾けました。この曲がR&B的に好かったので他のも聴いたら、素直に聴き進める事が出来ました。以前の盤を聴き込んでいないので何とも言えませんが、この作品が素晴らしいのはもちろん、私のように古臭い感覚の持ち主にも訴えかける一枚なのでしょう。

理由を探ってみます。王道R&Bに接近しながら、自分らしさも保っている心地好さが一つ。もっとゴスペルっぽくやれば好いのにと思っても、彼女の立ち位置をシッカリ見せる事で、アーティストとしての個性が浮き彫りになる局面も有り。黄昏時に、田舎の一軒家のデッキチェアに凭れて聴くのが似合いそうな曲も有り。何故かカッサンドラ・ウィルソンを連想した曲も有り・・・。

U2のボノは、“ブルース”を聴いた事がなかった昔、キース・リチャードからブルースのイロハを教えて貰い一曲創った事が有ります。それが、ブルースの表面をなぞっただけの別種の曲になってたんですが、そんな感じの曲が一つ(長ったらしい説明)。

つまり、黒人音楽に対して極めて保守的な耳を持っていても、解らないなりに愉しめる一枚といえるでしょう。彼女の事を「ネオ・ソウルの歌姫」と“帯”には書いて有りましたが、表現不足だと思います。「音に対する包容力が抜群のネオSSWの旗手」・・・コピーとしては長過ぎますが、簡単には説明できない所が彼女の魅力でも有ります。

尚、日本盤にはボートラ2曲となってますが、内1曲はオリジナル盤のボートラと同じタイトルなので同じ曲でしょう。となると1曲だけとなりますが、これがそんなに存在感を感じません。ライナーに拘らなければオリジナル盤で好いと思います。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3498903

http://www.indiaarie.com/

http://spoiledbrat34.blogspot.com/2009/02/indiaarie-feat-musiq-chocolate-high.html

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人間の全ての営みはロマンに基づいている

ニュートンが、リンゴが落ちるのを見て引力の存在に思い至った、というのはフィクション説も有りますが、極めて人間的なエピソードだと思います。「引力の証明」が、科学的データや理論のみで構築されたものではなく、地面に落ちるリンゴを見て気付いたという所に、面白味や親近感を感じます。
そもそも、科学の世界で名を成した人というと、事実と論理をハイレベルに構築して、常人では理解し難いステージに居る感じがします。しかし、高度な専門性は必要でしょうが、それだけではブレイクしないのではないでしょうか?人間ならではの豊かな“感受性”が必要な気がします。その上で(だからこそ)得意分野に対する“ロマン”を胸に抱き、自らの研究に決定的な軸を持ち、重要な転換点に気付く事が出来る(発見出来る)のだと思います。

有名企業の経営者にも“ロマン”を持っている人が多いです。始めにロマンが有り、そこからノウハウが生み出されていると思います。「金儲け」が発想の根本ではないのです。たとえ、もっと儲ける方法を思い付いたとしても、自分のロマンと無関係だったら手を出さないし、結果的にはそれが正解なのです。創業者と後継者(特に世襲の)間にギャップが生まれる場合があるのも、ロマンを抱きやすい環境かどうかというのがあるかも知れません。最初からあれこれセッティングされていると、ロマン至上にはなりにくいんじゃないかとも思うのです。

「ロマン」というと解りにくい(何より私がよく解ってない)かと思い、ケータイの辞書機能で正確な意味を調べてみました。

【ロマン】=小説。物語。夢や冒険に満ちた事柄。

因みに【ロマンチック】=非現実的な甘い美しさを求めるようす。

ごく簡単にまとめると「非現実的な心地好い夢想」となるでしょうか?
さらに、私が考えるロマンの定義を書いておきます。「自分の感受性を元に、自分なりに醸成していく、ポジティブな気持ち」というものです。もちろん辞書的意味が優先されるのは当たり前ですが、私がこの文章で言わんとする事を表現するのに「ロマン」という言葉しか思い付かなかった為、使用しました・・・という長ったらしい言い訳を一応しておきます。“ロマン”という言葉に違和感を抱かれる方も居られるかなあと思ったものですから・・・。

科学や経営というと、人間の営みの中でも“現実的”なものの筆頭のような気がします。そこには明確な“結果”が要求されます。だけども、それに携わっている人間には“非現実的”な感覚が必要なのです。“非現実”を“現実”に重ね合わせる過程が必要だと思うのです。というか、人間の営みとしてそれが自然な過程ではないのかなあと思うのです。“非現実”というと“有り得ないもの”と捉われそうですが、ここでは“現実”の展開に沿わないものというニュアンスで使っています。通常、人の頭の中に自由に浮かぶ“想念”を考えると解りやすいんじゃないかと思います。何を食べようかアレコレ考えたり、昨日のデートの事を考えたり、昔の曲を聴いて懐かしさを感じたり・・・人間が現実に沿って生きるだけの存在なら、“無駄”ともいえる想いです。しかし、そういう想いを抱く存在だからこそ、人間は進化したんじゃないかと思います。無駄は余裕を生み出します。余裕のある人間だからこそ、新しい発想や集中力が生まれるんだと思います。また、余裕があれば考えも煮詰まりませ
ん。

しかし、こういった“人間らしさ”が現代社会に生かされているのかと考えると、ちょっと暗澹としてきます。本来自分の頭の中に有るべき“非現実”がそのまま本人の“現実”になっている(なりやすい世の中)ので、“非現実な想い”をポジティブな“ロマン”に転換できないのです。酷くなると「自分の存在を認めさせる為に人を殺す」というような悲惨な発想さえ出てきます。これは、現実と非現実が逆転して、自分の頭の中(非現実)に周り(現実)を合わせようとした結果という側面も有るかと思います。

心にロマンを持てば、恋愛感情や友情、尊敬の気持ち、奉仕心などの感情が程度の差こそ有れ“自然に”現れ、周囲と溶け込んで正常な社会生活を営め、自分らしさも出せると思うのです。

最後に、何度か書いた事がある私の大好きなエピソードを一つ。

NYハーレムに有るアポロ劇場の観客は、「世界一厳しい観客」といわれています。大物スターもステージ前には緊張するほどです。名物の一つに「アマチュア・ナイト」と呼ばれる素人歌合戦が有ります。

ある時登場した一人の青年は、メチャクチャ歌が下手でした。当然ブーイングの嵐。演奏も止まったのですがアカペラで歌い続けます。やがてマイクが床に収納され始めました。それでも彼は止めません。床に開いた穴に向かって歌い続けたのです。その一心不乱な姿を見て、ブーイングは拍手の嵐に変わり、マイクも再度上がり、彼は思う存分歌えたそうです。

青年には歌のセンスは無かったものの、大いなるロマンが有ったのです。有名なシンガーにはならなくても、充実した人生を送れた事と思います。

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レベルとタイプ

人間というのは、どうしても“優劣”が気になってしまう。学力とか体力とか金力とか精力?とか自分に比べて上だと思うと、自分より優れた人だと思い、卑屈にさえなる。

ものは考えようで、例えば東大卒の人と私を比べた時、違う大学を出ただけと考えれば、ただそれだけの事だ。縦に並べず横に並べれば良い訳だ。

縦に並べて自分を下に見て、頑張る糧にするという考えも有るだろうが、別に横に見て頑張れば同じ事だ。
人を「レベル」で分けず「タイプ」で分ける考えを持っていれば、人を下に見る事もない。

だがこれが中々難しい。一等賞の快感は捨て難い。それで自信を持つのは良いが、そこから横を見られるかどうかだろう。

福沢諭吉の名言を散々聞いておきながら、槇原敬之の歌でまた気付かされる。まあ、それが人間といえば人間か・・・そんな「タイプ」の動物なのよね。

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【試聴記】J.ホリデイ『ラウンド2』

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デビュー作も話題を呼んだJ.ホリデイの二枚目。マーヴィン・ゲイを深くリスペクトしているらしく、歌い口はよく似ています。自分のヴォーカルを丁寧に重ねる姿勢も似通った部分を感じますね。むしろ現代の方が技術的水準が高いせいか、音質がリアルで、歌声の重なりやインタープレイを楽しめる気がします。

ネットリはしているけれど、ベッタリはしていないので、宣伝文句にもある通り“セクシーなヴォーカル”という評価に異論は有りません。魅力的な声質に加え、コーラスのハーモニー感と入れるタイミング、テナーとファルセットの絡み、マーヴィン譲りの「フゥー」といった合いの手等々聴かせる“仕掛け”が満載です。ミッド~スロウのパターン化された曲調も、飽きずにのめり込めます。まあ、「パターン化」とはいえ、ニーヨ曲を始め、結構クッキリした美メロが揃ってはいます。

ただ、終盤は若干白っ茶けて、ポップス/ロック風の趣きも見られます。個人的にはネットリワールドを貫き通して欲しかった感じ。

日本盤のボートラ2曲には、07年のヒット曲「ベッド」のミックス違いが入っていますが、私はコレより、もう1曲の方が好かったです。他とは違う“ファンキー”さが感じ取られます。ポップス/ロック風も含め、彼の音世界は思う以上に幅広いのかも知れません。

いずれにしても、基本的ヴォーカル力とヴォーカルのアレンジ力に秀でた、注目すべきアーティストである事は間違い有りません。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3415440

http://www.emimusic.jp/intl/jholiday/

http://www.jholiday.com/

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