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フール・オン・ザ・ヒル

中学生の頃だったか、ビートルズの「フール・オン・ザ・ヒル」を聴き、歌詞の内容は正確に把握してなかったものの、丘の上で空を眺めて夢想する男の姿に、何物にも煩わされない自由人の姿を見て、憧れに似た気持ちを抱いた。

自分本意な青二才にとっては、結局“逃避”の姿勢にリンクしているだけのものだったろう。しかし、「丘の上の馬鹿」のイメージ自体は、何歳になっても拭い去られる事はなかった・・・。

丘の上で日向ぼっこばかりしていた若造も、やがて丘の下でさまざまな事を覚えていく。

言葉が人を傷付けたり、勇気付けたりすること。怒りの空しさや臆病の哀しさ。耳に入らない言葉と心に残る言葉。言い過ぎた言葉と言えなかった言葉。小さな本の中の大きな世界。悔しい涙と嬉しい涙。他人の温かさと冷たさ。全速力で走ったり、コソコソ逃げ回ったり。プライドと正直。快楽と虚無、苦痛と気概。男らしさを勘違いして女らしさを求め過ぎる。してはならない恋をして、するべきだった恋を悔やむ。一期一会。夢中になる事と流される事。目標と夢。達成と挫折。過ぎ去って欲しい時間と止まって欲しい時間。自分の家庭、自分の子供。知らない人と知り合い、知っている人の知らない面を知る。余裕と集中力。ヴァーチャル・リアリティーとヒューマニズム。ジェネレーション・ギャップ・・・丘の下で生活し、丘の上で人生を過ごす。音楽だけはいつもあった。

ジョンもポールも丘の上の馬鹿だ。それぞれが、丘の下から丘の上の相手を見ていたに違いない。丘には一人しか上れない。そして、みんな等しく丘を一つ持っている。みんなの丘は同じ高さだ。丘同士は繋がっていない。孤独の丘だ。孤高の丘だ。群衆の中の孤独、孤独の寄せ集めとしての群衆・・・今日はこんな事を夢想した。

明日?明日の事はサッパリ判らない。丘に上って青空を眺めてからの話だね。

http://www.youtube.com/watch?v=WIsou0IRIQU

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