【試聴記】インディア.アリー『テスティモニー:Vol.2,ラブ&ポリティクス』
最近のブラック・ミュージック界のキーワードの一つに「SSW=シンガー・ソングライター」というのが有ると思います。広義に捉えればニーヨやジョン・レジェンド辺りも含まれるかな?一方、私が個人的に重要視しているキーワードの一つに「セルフ・プロデュース能力」というのが有りますが、SSW系の人は自ずとセルフ・プロデュース能力が高いのは間違い有りません。音世界が共通している訳では有りませんが、よく名前が上がるジェイムス・テイラーやキャロル・キングの“空気”(爽やかだけどコクが有る)を持った黒人音楽ともいえるかも知れません。
それでは、私自身はSSW系は好きかというと微妙な所です。原因は私のブルース贔屓でしょう。SSW系は「土臭い」レベルまでは行きますが、ブルースの「泥臭さ」までには至りません。「湿り気」の強弱とでも言えば良いのでしょうか?シンプルさが信条という点では共通するものを感じるので、微妙な違いが逆にのめり込めない理由に繋がっているのではと思っています。却って洗練されたアーヴァン・サウンドなんぞが少々土臭かったりするのは好きなんですけどね。もっとも今の世の中泥臭いのを探す方が難しい話です。
冒頭から脱線しました。こんな小理屈は、音を前にしたら思い浮かびません。ピンと来なかったらヘッドフォンを外すだけ。時には自分の既成概念(小理屈)を覆してくれる一枚に出会う事も有ります。本盤も嬉しい誤算でした。
実は、インディア.アリーのこれまでの盤は試聴しても最後まで興味が続きませんでした。上記の小理屈が勝っていたのです。今回もスルーしようかと思いましたが、ミュージック・ソウルチャイルドとのコラボ曲だけ聴こうと思い、耳を傾けました。この曲がR&B的に好かったので他のも聴いたら、素直に聴き進める事が出来ました。以前の盤を聴き込んでいないので何とも言えませんが、この作品が素晴らしいのはもちろん、私のように古臭い感覚の持ち主にも訴えかける一枚なのでしょう。
理由を探ってみます。王道R&Bに接近しながら、自分らしさも保っている心地好さが一つ。もっとゴスペルっぽくやれば好いのにと思っても、彼女の立ち位置をシッカリ見せる事で、アーティストとしての個性が浮き彫りになる局面も有り。黄昏時に、田舎の一軒家のデッキチェアに凭れて聴くのが似合いそうな曲も有り。何故かカッサンドラ・ウィルソンを連想した曲も有り・・・。
U2のボノは、“ブルース”を聴いた事がなかった昔、キース・リチャードからブルースのイロハを教えて貰い一曲創った事が有ります。それが、ブルースの表面をなぞっただけの別種の曲になってたんですが、そんな感じの曲が一つ(長ったらしい説明)。
つまり、黒人音楽に対して極めて保守的な耳を持っていても、解らないなりに愉しめる一枚といえるでしょう。彼女の事を「ネオ・ソウルの歌姫」と“帯”には書いて有りましたが、表現不足だと思います。「音に対する包容力が抜群のネオSSWの旗手」・・・コピーとしては長過ぎますが、簡単には説明できない所が彼女の魅力でも有ります。
尚、日本盤にはボートラ2曲となってますが、内1曲はオリジナル盤のボートラと同じタイトルなので同じ曲でしょう。となると1曲だけとなりますが、これがそんなに存在感を感じません。ライナーに拘らなければオリジナル盤で好いと思います。
http:// www.hmv .co.jp/ product /detail /349890 3
http:// www.ind iaarie. com/
http:// spoiled brat34. blogspo t.com/2 009/02/ indiaar ie-feat -musiq- chocola te-high .html
それでは、私自身はSSW系は好きかというと微妙な所です。原因は私のブルース贔屓でしょう。SSW系は「土臭い」レベルまでは行きますが、ブルースの「泥臭さ」までには至りません。「湿り気」の強弱とでも言えば良いのでしょうか?シンプルさが信条という点では共通するものを感じるので、微妙な違いが逆にのめり込めない理由に繋がっているのではと思っています。却って洗練されたアーヴァン・サウンドなんぞが少々土臭かったりするのは好きなんですけどね。もっとも今の世の中泥臭いのを探す方が難しい話です。
冒頭から脱線しました。こんな小理屈は、音を前にしたら思い浮かびません。ピンと来なかったらヘッドフォンを外すだけ。時には自分の既成概念(小理屈)を覆してくれる一枚に出会う事も有ります。本盤も嬉しい誤算でした。
実は、インディア.アリーのこれまでの盤は試聴しても最後まで興味が続きませんでした。上記の小理屈が勝っていたのです。今回もスルーしようかと思いましたが、ミュージック・ソウルチャイルドとのコラボ曲だけ聴こうと思い、耳を傾けました。この曲がR&B的に好かったので他のも聴いたら、素直に聴き進める事が出来ました。以前の盤を聴き込んでいないので何とも言えませんが、この作品が素晴らしいのはもちろん、私のように古臭い感覚の持ち主にも訴えかける一枚なのでしょう。
理由を探ってみます。王道R&Bに接近しながら、自分らしさも保っている心地好さが一つ。もっとゴスペルっぽくやれば好いのにと思っても、彼女の立ち位置をシッカリ見せる事で、アーティストとしての個性が浮き彫りになる局面も有り。黄昏時に、田舎の一軒家のデッキチェアに凭れて聴くのが似合いそうな曲も有り。何故かカッサンドラ・ウィルソンを連想した曲も有り・・・。
U2のボノは、“ブルース”を聴いた事がなかった昔、キース・リチャードからブルースのイロハを教えて貰い一曲創った事が有ります。それが、ブルースの表面をなぞっただけの別種の曲になってたんですが、そんな感じの曲が一つ(長ったらしい説明)。
つまり、黒人音楽に対して極めて保守的な耳を持っていても、解らないなりに愉しめる一枚といえるでしょう。彼女の事を「ネオ・ソウルの歌姫」と“帯”には書いて有りましたが、表現不足だと思います。「音に対する包容力が抜群のネオSSWの旗手」・・・コピーとしては長過ぎますが、簡単には説明できない所が彼女の魅力でも有ります。
尚、日本盤にはボートラ2曲となってますが、内1曲はオリジナル盤のボートラと同じタイトルなので同じ曲でしょう。となると1曲だけとなりますが、これがそんなに存在感を感じません。ライナーに拘らなければオリジナル盤で好いと思います。
http://
http://
http://
| 固定リンク
「India. Arie」カテゴリの記事
- 【試聴記】インディア.アリー『テスティモニー:Vol.2,ラブ&ポリティクス』(2009.03.20)
コメント