血縁家族ソウル
Fatin DantzlerとAja Graydonの夫婦からなるキンドレッド・ザ・ファミリー・ソウル。昨年3作目が出ています。『アライバル』。サンプルだけ聴きましたが、相変わらずの温かみのあるサウンドとグルーヴにAjaの透き通った声とFatinの塩辛声のコンビネーションは健在です。今回はネオ・ソウル路線というよりヒップホップにグッと近づいた曲調もあるし、ゴスペル臭プンプンの曲も有ったりと、これまでより幅が少し広がったかなという印象も受けます。それか、「ネオ・ソウル」という概念が変質しているのかも知れませんね。元々解釈の難しい部分はありましたが・・・。
「キンドレッド(Kindred)」というのは「血縁」という意味だそうです。つまりユニット名は「血縁家族ソウル」と直訳できます。自分たちの音世界は、夫婦・家族としての絆から生まれているんだよという何とも力強い意思表明とも取れます。二人とも出発点はソロ・アーティストでした。Fatinはフィラデルフィア生まれ、ペブルスやベル・ビヴ・ディヴォーに曲も書いています。Ajaはワシントン生まれですがフィラデルフィアで15歳から活動。出会って結婚した二人は共作で曲を書いたりしていたのですが、パフォーマーとしてはしばらく芽が出ませんでした。Black Lily clubでのライブをジル・スコットが評価し、ネオ・ソウルの牙城<ヒドゥン・ビーチ>レコードに連れて来たのがメジャーへのスタートラインとなります。1作目も2作目もグルーヴの心地好さと、微かな土臭さが特長的で、私の愛聴盤となっています。
考えてみれば、夫婦や家族というのは“感情の縮図”みたいなところがあります。どんなに激しくいがみ合っても最後には許せる部分が、通常はあります。おそらくスキンシップが根底にあるからではないでしょうか?・・・もっとも現代社会には当てはまらない感じもします。音楽も感情表現が重要ですから、彼らのように絆の強い夫婦ユニットが感動を生み出すのは当然かも知れませんね。
♪サンプル
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♪「プレッシャー」
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♪「ハウス・オブ・ラブ」
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