祭りのあと
もうだいぶ前『ミュージック・フェア』で美空ひばり特集をやっていました。ほとんど他人の歌を歌ったものを流していました。
越路吹雪の「愛の讃歌」、吉田拓郎の「祭りのあと」、五輪真弓の「少女」、フランク・シナトラの「マイ・ウェイ」(日本語)、安全地帯の「ワインレッドの心」・・・どちらかと言えば声の低さからか男性物がよく似合います。
中でも良かったのが「祭りのあと」・・・スタジオの壁に寄り掛からんばかりにスッと立ち尽くしたままやや上を見て淡々と、しかしディープに歌い上げます。ブルースでした。本家・拓郎のも雰囲気が有り好きな曲ですが、このひばりの歌唱は凄まじいほどの「場」を創り上げています。
http://www.youtube.com/watch?v=xdZ0q7rouyA
普通他人のカバーをすると、カバーした人の歌い方になってしまう事が多く、そこがカバー曲の魅力でも有るんですが、ひばりの場合半分ぐらい元歌の領域に踏み込んでいるような気がします。「この歌はこういう風に歌わなければならない」というポイントを正確に掴み、しかも「ひばり節」とシンクロさせて表現できる人なんだと思います。
サラッとやり遂げる所が天才です。根っ子には「好きな歌を心を込めて歌いたい」というシンプルな想いが有るんだと思います。通常のレコーディングもワンテイクで終わる事が多かったというから言わずもがなでしょう。
日本は素晴らしい財産を失っていたんですね。
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- 祭りのあと(2009.05.05)
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