【試聴記】クリセット・ミッシェル『エピファニイ』
http:// www.hmv .co.jp/ product /detail /355305 4
JAY-ZやNASのアルバムに参加したのが評判を呼び、ソロデビューに繋がった女性歌手の2作目。1作目『アイ・アム』(07年)も評判を呼びました。ウィル・アイ・アムとかが音創りしており、持ってないので確実には評せませんが、無難なネオ系ながら実力を存分に発揮した一枚なようです。Sarah Vaughn, Jill Scott, Macy Gray, Erykah Badu, Ella Fitzgeraldといった所が影響を感じ取れる歌手の名前として上げられています。NASとのコラボ曲では「アンフォゲタッブル」をジャジーに歌い上げています。しかし、今回の盤は少し違った彼女の魅力が出ているのではないでしょうか?
http:// www.hmv .co.jp/ product /detail /262276 3
http:// www.you tube.co m/watch ?v=7ZDd 4LD3AM4
http:// www.you tube.co m/watch ?v=5IaT aC1mrOg
アルバム・クレジットで気になったのは、やはりニーヨ(エグゼクティブ・プロデューサー名義)。音創りへの関与度は不明ですが、全体的に、いかにもニーヨらしいフレッシュなブラックネスを感じます。現代R&Bのトレンドであり、未来の形も垣間見えるような興味深いサウンド群です。タイトル曲は、よく名前を聞くチャック・ハーモニーも組んでます。
http:// www.you tube.co m/watch ?v=y3pC 0hRyBK4
http:// www.mys pace.co m/chuck harmony shouse
歌唱は、迫力で押すよりテンダーに攻めるタイプ。いかにも今風。ただ、歌い方に粘りが有るのでコクも感じます。
冒頭2曲はネオ・ソウル系。確かにジャズっぽさも感じますが、やはり王道R&Bの範疇じゃないかと思います。また、例えばビヨンセのように前へ前へと押しだす歌い方ではなく、一定の“枠内”を縦横無尽に駆け巡るイメージがあります。「歌い倒す」タイプではないのです。4曲目「ブレイム・イット・オン・ミー」もゴスペルライクなのですが、めくるめく高揚感には至っていません。
しかし、歌い倒さないというのは否定的意味合いではないです。アレサ・フランクリンやルーサー・ヴァンドロスの「寸止め唱法」が余韻という名の感動の広がりを生み出すように、クリセット嬢の「枠内唱法」も痒い所に手が届く“テクニシャン”ならではのシンギングだと思います。声が色っぽくなったりキュートになったりネバネバになったりするのも好刺激になり、有効です。
中盤は、「オートチューン」というのでしょうか(間違っていたらスミマセン)、最近よく聞く人工的なシンコぺーションに則った曲が続きます。本来ならあまり好きなタイプの音ではないのですが、彼女のヴォーカルワークが面白く絡み、十分乗れる納得の出来。
少し穿った見方をしてみます。「枠内」に収まったような歌い方に感じるのは、ニーヨの曲がカッチリとして完成度が高い為、歌も、演奏の一アイテムとして仕組まれているのではないだろうかという疑問。勿論コントロールされていてもレベルは高いです。しかしこの考えはおそらく杞憂でしょう・・・いずれにしても、当アルバムだけでなく、広い範囲で彼女の事をもっと知りたいと思った次第です。
バイオを少し書いておきますと82年ニューヨーク生まれ。やはり教会育ち。最新のグラミー賞「Best Urban/Alternative Performance 」を「ビー・オーケイ」という曲で受賞しています。
http:// www.you tube.co m/watch ?v=Kn3x TWjJKik
http:// en.wiki pedia.o rg/wiki /Chrise tte_Mic hele
http:// www.mys pace.co m/chris ettemic hele
http:// www.thi sischri settemi chele.c om/
JAY-ZやNASのアルバムに参加したのが評判を呼び、ソロデビューに繋がった女性歌手の2作目。1作目『アイ・アム』(07年)も評判を呼びました。ウィル・アイ・アムとかが音創りしており、持ってないので確実には評せませんが、無難なネオ系ながら実力を存分に発揮した一枚なようです。Sarah Vaughn, Jill Scott, Macy Gray, Erykah Badu, Ella Fitzgeraldといった所が影響を感じ取れる歌手の名前として上げられています。NASとのコラボ曲では「アンフォゲタッブル」をジャジーに歌い上げています。しかし、今回の盤は少し違った彼女の魅力が出ているのではないでしょうか?
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アルバム・クレジットで気になったのは、やはりニーヨ(エグゼクティブ・プロデューサー名義)。音創りへの関与度は不明ですが、全体的に、いかにもニーヨらしいフレッシュなブラックネスを感じます。現代R&Bのトレンドであり、未来の形も垣間見えるような興味深いサウンド群です。タイトル曲は、よく名前を聞くチャック・ハーモニーも組んでます。
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歌唱は、迫力で押すよりテンダーに攻めるタイプ。いかにも今風。ただ、歌い方に粘りが有るのでコクも感じます。
冒頭2曲はネオ・ソウル系。確かにジャズっぽさも感じますが、やはり王道R&Bの範疇じゃないかと思います。また、例えばビヨンセのように前へ前へと押しだす歌い方ではなく、一定の“枠内”を縦横無尽に駆け巡るイメージがあります。「歌い倒す」タイプではないのです。4曲目「ブレイム・イット・オン・ミー」もゴスペルライクなのですが、めくるめく高揚感には至っていません。
しかし、歌い倒さないというのは否定的意味合いではないです。アレサ・フランクリンやルーサー・ヴァンドロスの「寸止め唱法」が余韻という名の感動の広がりを生み出すように、クリセット嬢の「枠内唱法」も痒い所に手が届く“テクニシャン”ならではのシンギングだと思います。声が色っぽくなったりキュートになったりネバネバになったりするのも好刺激になり、有効です。
中盤は、「オートチューン」というのでしょうか(間違っていたらスミマセン)、最近よく聞く人工的なシンコぺーションに則った曲が続きます。本来ならあまり好きなタイプの音ではないのですが、彼女のヴォーカルワークが面白く絡み、十分乗れる納得の出来。
少し穿った見方をしてみます。「枠内」に収まったような歌い方に感じるのは、ニーヨの曲がカッチリとして完成度が高い為、歌も、演奏の一アイテムとして仕組まれているのではないだろうかという疑問。勿論コントロールされていてもレベルは高いです。しかしこの考えはおそらく杞憂でしょう・・・いずれにしても、当アルバムだけでなく、広い範囲で彼女の事をもっと知りたいと思った次第です。
バイオを少し書いておきますと82年ニューヨーク生まれ。やはり教会育ち。最新のグラミー賞「Best Urban/Alternative Performance 」を「ビー・オーケイ」という曲で受賞しています。
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コメント
新譜がとっくに出ていたの、知りませんでした。さっそく買います。ニーヨが全面協力ってことは、やはり注目度の高い歌手ってことでしょうか。
歌の技巧がすごいとは思わないのに、不思議な魅力のある人です。
投稿: ヒメヒカゲ | 2009年5月20日 (水) 22時38分
ヒメヒカゲさんお気に入りだったですね。一枚目がウィル・アイ・アム、今回がニーヨ、次はラファエル・サディークか?と言いたくなりますが、考えようによってはプロデュース次第で存在感を残す感じがしますね。もう一つ個人の実力が見えない部分が確かに有ります。
投稿: k.m.joe | 2009年5月23日 (土) 14時13分