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帝王の饗宴

世の中に「大物」はたくさんいますが、音楽界にも「帝王」と呼ばれる人がたくさんいます。中でもここでご紹介する3人は、強烈なカリスマ性を持つアーティストです。

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◎マイルス・デイヴィス・・・ジャズの帝王。マイルスが電気楽器を使用するようになった時、多くのファンが批判した、という話があります。ボブ・ディランもステージで初めてエレキを弾いた時、ブーイングの嵐だったといいます。今の視点から見れば何という事はないんだけど、騒がれ方が凄いという事はそれだけ「カリスマ性が高い」証明でしょう。
マイルスの場合、問題となった作品『アガルタ』を境に「アガルタ以後」というんですが(tagosakuさんよりご指摘有り。マイルスの音楽的変化は『ビッチェズ・ブリュー』からです)、今だにそういう区別をしている人はいるみたいですね。コテコテのジャズ・ファンからすれば、マイケル・ジャクソンやシンディー・ローパーの曲を演奏したり、ラッパーを参加させたりするのはたまらなかったんでしょう。素直な気持ちで聴けば「名演」ですよ。私はジャズをたくさん聴いてないだけに、抵抗有りません。多分今の若い世代の方々も同様かと思います。
とはいえ、私が一番好きなのは『カインド・オブ・ブルー』。59年作です。冒頭の「ソー・ホワット」はしばらく頭の中で鳴り続けた曲です。ちょっと話は反れますが、ピアノのビル・エヴァンスが特に好き。白人で優男風なんですが、これがかゆい所に手が届くピアノ。ジャズ・ピアノといえばモンクぐらいしか知りませんでしたが、ある意味モンクを聴いてたからこそビル・エヴァンスが理解できたともいえます。
話をマイルスへ戻します。白人だろうが黒人だろうが、マイルスの世界を表現できるヤツ、マイルスと闘えるヤツを選ぶのが彼らしい帝王学です。次にご紹介するジェイムス・ブラウンもそういう所があります。

http://www.youtube.com/watch?v=P4TbrgIdm0E

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◎ジェイムス・ブラウン・・・ファンクの帝王。アレサ・フランクリンが彼を評して「ハッとウッ」だけで曲を創ってるといったらしいですが、これはもちろん尊敬の思いから出た言葉でしょう。とにかく慣れない内は、皆同じように聴こえるでしょう。しかし、一度JBのサウンドに惚れこむと、次から次に聴いて見たくなります。フィーチュアされている女性シンガーや相方・ボビー・バード、JB’Sと称されるバックバンドにも興味が湧いてきます。ライブ盤・スタジオ盤とも傑作揃いです。初期のソウルシンガー(R&Bシンガー)振りもなかなかです。ここでの推薦盤は『パリ・オランピアライブ71』です。ブーツィーがベースをぶいぶい言わせてます。
JBは自分の考える音が出せない者は、切り捨てます。その代わりこのバンドから卒業して大物アーティストになった人もたくさんいます。女性シンガーもですね。ボビー・バードもバツグンのノリを持つ一流歌手なんですが、JBに義理立てしている所が何ともドラマを感じます。

http://www.youtube.com/watch?v=SzlpTRNIAvc

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◎マディ・ウォーターズ・・・ブルースの帝王。このオッサンがまた凄い。マイルスに比べれば知名度は落ちますが、ブルース界での位置はマイルス以上に帝王でしょう。ここはひとつ『ベスト・オブ・マディー・ウォーターズ』から聴いて下さい。彼のバックバンドから巣立った有名アーティストも多数。バックの演奏を聴くためにマディを聴くという人もいるぐらいの充実度です。シカゴ・ブルースの美味しい所は、ジャズ・ミュージシャンのインタープレイにも匹敵します。ブルースは、入り口は単純、奥はやたらと深いです。
まだブルースなんて聴いた事もないという方、とりあえず『ベスト・オブ・マディ』から始めましょう。
マディもセックス・シンボルみたいな言われ方をしておりそういう面は確かにありますけど、初期のギター・プレイとかも聴いてみると、いたって真っ当な本格派のブルース・アーティストであり、先ずはそこから話を始めて欲しいと常々思っています。

http://www.youtube.com/watch?v=ez5izCf2DLI

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