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語るべきもの

話題の書『国家の品格』を書かれた藤原正彦さんが、小学校から英語が必修になる動きに対して、無意味な事と一喝されていました。

小学校の間は「全ての学問の基本」である国語に重きを置くべきであり、現在の時間割を考えても、とても英語までやる「余裕」は無いとの事でした。

又、英語が流暢に喋れたからといって「国際人」とは言えず、あくまで喋る内容が重要であるというお話でした。

なるほど、読み書きを十分やっていなければ、理論は空疎なものになり、感情表現も乏しくなるでしょう。外国の方とコミュニケーションを取るどころではない筈です。


ところで、時々若者言葉が問題視される事が有ります。もはや「若者」に限られた言葉ではなく、広い範囲で使われている感が有りますけど。私も「ぽい」とか「みたく」とかつい使ってしまう事があります。

言葉が変容していくのは、今までも繰り返されている事なので理解できます。それよりも気になるのは、最近の言葉は、一つの言葉が多くの意味を持ちすぎる気がするのです。というか、逆に意味の有る言葉が無くなっていってるんでしょう。「ヤバイ」「カワイイ」「ウザイ」といった単語は、何かを表現しているんじゃなくて、ただ発しているとしか思えません。「乗りで喋りゃあイイじゃん」てなもんでしょう。

「乗り」志向は「笑い」でも感じる事があります。我が家にも成人前の娘が居ますが、家族3人でバラエティー番組を観ていたりすると、娘一人「笑うタイミング」が早かったり変だったりします。見た目で笑わせているならともかく、出演者が何を言ってるのか判らない内に笑うのはどうにも解せません。娘は多分「乗り」で笑ってるんだと思います。そもそも、娘の世代は喋る速度自体、凄い速さです。相手の言う事を理解するというより、自分の言いたい事を言うのが先に立っているのかなあとも思いますが、どうなんでしょう。


私はブログを始めてから、物を考える習慣が付きました。一時期本も(音楽雑誌以外)読まなかったんですが、読むようになりました。すると、仕事上も色々アイデアが出てくるようになりました。ベテランになったからというんじゃなくて、明らかに「見えるもの」が違っています。「自分の言いたいこと」が増えてくるんです。

こんな、脳細胞が日に日に欠けている状態でも持ち直すんですから、さぞかし若かったら集中力・表現力が高まるだろうと推測できます。

藤原さん、強調されていました。やっぱり「読み書き算盤」がすべての基本だと・・・ブログとか授業で取り上げられれば素敵な事だと思うんですが、どうでしょう。

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