オーティス・レディング
※2005年に書いた記事です。
日本のソウル・ファンでオーティス・レディングから入る人は多いような気がします。私の場合は『ライヴ・イン・ヨーロッパ』でしたが、人によっては「ドック・オブ・ザ・ベイ」だったり「モンタレー・ポップ・フェスティバル」の映像だったりします。
私個人の意見ですが、オーティスは「思い入れ」を加えて聴くシンガーだと思います。
歌は上手いですけど、歌唱力のレベルがかなり高いというほどでは有りません。特に後年「ドック・オブ・ザ・ベイ」の頃は喉を痛めて、冷静に聴くとかなりきついです。しかし、そもそも冷静に聴けないのがオーティスです。これは何でかなあと思うのですが、ひとつは、一生懸命、ひたすら一生懸命に歌うその姿から来るのではないかと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=UCmUhYSr-e4
ちょっと例は悪いかも知れませんが、セールスマンがふたり居て、ひとりは実に上手く商品を説明し、買う気にさせる。もうひとりはちょっと商品説明能力に劣るんだけど、とにかく一生懸命汗を流しながら説明する。どちらからも買いたくなるんじゃないでしょうか。そして、どちらもきちんと仕事をしている事になると思います。何となく前者がサム・クック、後者がオーティス・レディングのような気もします。一概的にはいえませんけどね。シンガーとしてはオーティスは完璧ではないんです。多分声の質とかもあるかも知れませんが・・・。しかし、アーティストとしては、ふたりとも素晴らしい!そこにランク付けはできません。
オーティスは1941年、ジョージア州メイコン生まれ。残念な事に、1967年26歳の若さで飛行機事故で亡くなっています。この事故ではバーケイズという優れたファンクグループのメンバーも亡くなっています。いつか写真週刊誌だったと思いますが、オーティスの遺体が海から引き揚げられている写真を見た事があります。眠っているような感じでした。声の衰えは有ったものの、自分のレーベルも創ったりして、まだまだ、これからという時の悲劇でした。
所属レーベルは当初<スタックス>ですが、後に<スタックス>は、<アトランティック>に吸収されますので、ほとんど<アトランティック>から出ている感覚ですね。<アトランティック>がまだロックに手を出してない頃の話です。
1964年の『ペイン・イン・マイ・ハート』を皮切りに亡くなった後に発表された『ドック・オブ・ザ・ベイ』を入れるとオリジナルは8枚です。その内1枚が<スタックス>の看板女性歌手、カーラ・トーマスとのコラボレーション。1枚は最初に上げたヨーロッパライヴです。私が
特に好きなのは『オーティス・ブルー』。「マイ・ガール」「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」「ロック・ミー・ベイビー」等好きな曲が有るのが理由で、アルバムの出来としては、どれも間違いないでしょう。詳細は添付したHPを見て下さい。好曲がバラバラに収められているような感覚です。
http://www.youtube.com/watch?v=HWlIsvzT__M
そして、それらの曲をひとつに集めた形なのが、『ライヴ・イン・ヨーロッパ』です。ガンガン飛ばすオーティス。切々と歌い上げるオーティス。生身のオーティスを感じられる、歴代黒人音楽のライヴ盤の中でも、かなり高得点のレコードといえます。
http://www.youtube.com/watch?v=2fL1NTSga78&feature=related
●編集盤・・・92年発売の『リメンバー・ミー』は是非聴いて頂きたい。ほとんど未発表曲で構成されており、本人も音も状態の良いお薦め盤です。バックは通常通りブッカー・T&MG’ズですが、バックの音の聴こえも良くてオーティスの歌唱を盛り立てています。
変わった所では、「ドック・オブ・ザ・ベイ」のカモメの鳴き声のSEをオーティス本人が声でやっているというのもあります。これがズッコケじゃなくて決まってる所がニクイ。
あと、私は持っていませんが、98年に出されている『オーティス・レディング・アンソロジー』。ソロになる前のパイントッパーズ名義の「シャウト・バマラマ」という曲が入っています。これが結構評判だったような・・・。ただ2枚組で、ちょっとジャケットがかっこ悪い。
共に68年に発売されている、『イモータル・オーティス・レディング』とライヴ盤『ウイスキー・ア・ゴーゴー』も昔から評判の良いアルバムです。
尚、オーティス・レディングが設立したレーベルは<JOTIS>ですが、内容は分かりません。
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