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【追悼】マイケル・ジャクソン・・・スターに秘められた少年性

私がマイケル・ジャクソンの名前を初めて知ったのは「ベンのテーマ」だったと思います。洋楽を聴き始めていた中学生の頃です。ひたすらチャートの動きを追いかけていた日々で、自分が聴いている曲が黒人か白人かなんぞ全く考えていませんでした。モータウンという言葉は聞き覚えがあっても、それが何を意味するか理解出来ていなかった頃です。

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とにかく、マイケルの歌声の、透明感のある美しさに魅了されました。自分とほぼ同い年(私57年彼58年生まれ)と知り、一層ため息が大きくなったものです。それから約10年後、黒人音楽に夢中になり始めた頃には、マイケルは大きな転換期となる『オフ・ザ・ウォール』(79年)『スリラー』(82年)『バッド』(87年)を発表した頃でした。私はとにかく旧い音源にしか興味がなく、世界的大ヒットの『スリラー』も私にとっては社会現象の一つでしかありませんでした。私の時間軸の中では、その頃聴いていたマイケルは、ジャクソン5のリードヴォーカリストの少年だったのです。

♪あえて92年テディー・ライリー絡みの曲

私はブルースを中心に聴いていたせいか、少年ヴォーカルが苦手です。しかし、マイケルだけは例外で、いつも聴き惚れてしまいます。「ベンのテーマ」でノックアウトされた経験に立ち戻るのかも知れません。しかし、黒人ヴォーカルの魅力が解り始めた耳で聴いても、マイケルの上手さと熱さが、一流のソウル・シンガーの物であると納得出来ました。

“キング・オブ・ポップ”と呼ばれるようになってからは、時代のトレンド的にもメリハリを強調した重いサウンドをバックに歌う事が多かったようです。ダンサーとしての評価も高いので、ひたすら派手なパフォーマンスばかりが、スキャンダルと並んで、印象に残りました(本当はそれだけではないんでしょうけど)。

私が彼の第一の持ち味と思っている“ナチュラル・ファルセット”とでもいえる澄み切ったヴォーカルをゆっくり聴かせるような局面は殆んど無くなったのではないでしょうか?歌声が苦しく感じる時さえ有りました。

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私としては、彼に“永遠の少年”であって欲しかったのかも知れません。しかし、スターの道を歩むなら少年に止まるのは難しいでしょう。それでも、彼の「奇行」といわれるよくいえばナイーヴ、悪く言えば神経質な行動は少年的かも知れません。但し、私が彼に取り戻して欲しかった「少年性」はジャクソン5の快活さでした。何事も、明るいベクトルより暗いベクトルの方がドツボにはまりやすいもの。彼自身も暗いイメージは拭い去りたかったでしょうが、中々叶わなかったようです。今日、日本テレビの朝の番組で、彼の来日時のステージやオフの様子が放送されていましたが、実に明るく活動的・・・やはり彼にとってステージでのファンとの“交感”が少年性を呼び起こす瞬間だったんた゜と思います。もっと遮二無二歌に打ち込めば、自然と明るいベクトルに向かったんじゃないかと思います。

スターで思い付きましたが、もし「○○スター」という称号を彼に与えるとしたら、何が良いでしょう?普通に考えれば「スーパースター」や「アイドルスター」といった所でしょう。しかし、私は敢えて頑固に「ソウルスター」という称号を手向けたいと思います。私にとって彼は、ソウルミュージックの魅力を教えてくれた人物の一人です。深く感謝します。ありがとう、マイケル。あなたの遺産は間違いなく次世代のR&Bに受け継がれていますよ。

♪サイト

♪吉岡正晴さんの記事。功績が要領よくまとめられています

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Michael Jackson」カテゴリの記事

コメント

こんばんはー。
「ベンのテーマ」を聴いたのは実は初めてだったんですが、
こんなに歌の上手い少年だったんだと衝撃を受けました。
私が知ってるのは「スリラー」以後のマイケルだったので、
こんなに澄んだ声でゆったりと聴かせるような歌は
ほとんど聴いたことがなかったんです。
私は素人だけど、彼はソウルフルな歌を歌ってこそ活きる
声の持ち主だったんじゃないかなぁと思います。。。

投稿: 梢華 | 2009年6月28日 (日) 22時22分

こんにちは。
「ベンのテーマ」懐かしいですね。私もマイケルと同年生まれなので、常に人生の節々に彼の音楽がありました。
ジャクソン5の頃の「歌うことが好き」なだけでやっていたであろうマイケルの歌声を聴くと涙が出てとまりません。

投稿: ふぁびゅらす | 2009年6月28日 (日) 22時52分

SunHeroです。先程は音楽ウェブロッジへのコメントありがとうございました。

流石、k.m.joeさん、私の戯言だらけの追悼文とは大違いですね。でも、TBさせていただこうと思っております。

否、ちゃんとした追悼文を書いている最中ですが、速くて簡潔なプロには敵いませんね。本文中にリンクのある吉岡さんのことです。ただの音楽ファンだから、私はあの速報版程度でもいいかなと思い始めています。

投稿: SunHero | 2009年6月29日 (月) 01時58分

SunHeroです。追伸です。

「ベンのテーマ」、皆さんは、まさか2005年に日本のTVドラマ主題歌に起用されて、初めて聞いたという訳ではありませんよね?

随分むかし、確か水野晴郎さんが進行を務めていた洋画番組で、この曲がオリジナルテーマとして使われていた映画「ベン」を見ました。「ウィラード」という映画の続編でしたが、こちらの方は少年とねずみのベンの交流が主軸の泣かせる映画でした。

だから、マイケルにとって最初のソロNo.1ヒットになったんですが、それも今初めて知ったなんてことはありませんよね?

では、おやすみなさい。

投稿: SunHero | 2009年6月29日 (月) 02時14分

今晩、ラファエル・サディークのライブに行ってきたのですが、アンコール1曲目に「帰ってほしいの」を追悼で歌ってくれましたよ。別の日は「アイル・ビー・セア」を歌ったそうです。

晩期はスキャンダルな報道ばかりでしたが、今はそういうものが全部消え失せ、純粋に音楽を聴けるようになった。周りの人たちみんなそんなふうに言っています。皮肉なものですよね。

投稿: himehikage | 2009年7月 1日 (水) 01時36分

マイケルジャクソンについては、
みなさんが色々とブログで記事にされていますが、k.m.joeさんの記事、なるほどなぁとじっくり読ませていただきました。

マイケルの光と闇をリアルで感じてきた年代は、彼の死は本当にショッキングな出来事でした。
最近は、スキャンダルな部分があって、目を背けていた部分もあるので、改めて彼の音楽、映像をじっくり見てみようと思います。

投稿: スー | 2009年7月 4日 (土) 11時58分

♪ 梢華さん、ベンのテーマをご紹介できて光栄です。確かにソウルフルなんですよね。

♪ふぁびゅらすさん、テレビのインタビューに答えていた若い人がマイケルの素晴らしさを初めて知ったとか言ってました。スキャンダルばかり騒ぎ立てたメディアにも問題ありですね。

♪SunHeroさん、吉岡さんみたいなプロは「教科書的」である必要もありますからね。自分の思いよりも情報の伝達に重きを置く視点があるんでしょうね。ベンのテーマ、そういえばリバイバルしましたね。

♪ヒメヒカゲさん、ラファエル観に行きましたか・・・追悼の意を表した件は聞きましたが、実際に聴くと心に迫るものがあるでしょうね。お気づきかと思いますが、テディー・ライリー曲はヒメヒカゲさんのブログを参考にさせて頂きました。ありがとうございました。

♪スーさん、彼のCDがジャンジャン売れてるそうですが、この機会に再評価してほしいですね。

投稿: k.m.joe | 2009年7月 4日 (土) 15時07分

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今日は朝から訃報続きですが、一番驚いたのが「マイケル・ジャクソンが心肺停止で病院へ搬送」という報道。既にその時点で死亡が確認されたとするメディアもありましたが、 [続きを読む]

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