女性としての普通の色気
●アン・ヴォーグ『ファンキー・ディーヴァス』(92年)
アン・ヴォーグは所謂90年代のガールズ・グループラッシュの先鞭を切った形ですが、常に先頭を走った存在とはいえないでしょう。このアルバムは2枚目で、ここまでは4人ですが3人となってからは一定の評価は受けていましたが、私はあまり興味がなくなりました。もっとも私は「後追い」でガールズ・グループ全盛時代を経験していますけど・・・。
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http://www.youtube.com/watch?v=8pwOiC8aJrs
http://www.youtube.com/watch?v=fz3qDu0WemM
むしろメンバーを抜けたドーン・ロビンソンが次に参加したルーシー・パールは大好きでした。それもそのはず、私がお気に入りのラファエル・サディークとア・トライブ・コールド・クエストのDJ Ali Shaheed Muhammadと一緒に創ったグループで、(アン・ヴォーグとは毛色の違う)斬新なサウンドが第一の魅力となるグループでした。ドーンもルーシー・パールでの歌唱の方が“ファンキー・ディーヴァ”の名に相応しい感じもします。
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そうなんですよ。アン・ヴォーグのこのアルバムはタイトルに反してさほどファンキーではないです。フォスター&マッケルロイが創った割にはコーラスの美しさとかが強調された一枚です。綺麗すぎるんですが、彼女たちにはよく合っています。1曲だけ唸りの入った曲が有りますが、若干肩透かしの感があります。ボーイズ・Ⅱ・メンが泥臭く聴こえるぐらいの無色透明ぶりです。好みの問題にはなりますが、統一感は間違いなく有ります。歌は上手いので聴き応えもそこそこ有ります。
さて、彼女たちの清楚で可憐なイメージは本盤の裏ジャケットにも現れています。湖畔でしょうか、4人がさりげなく立ち、パステルカラーのドレスを“普通の感じ”で着ている後ろ姿です。表のいかにもインパクトの有るジャケットに比べ、フォーカスもぼやけたような感じなんですが、彼女たちの人間味溢れる色気が感じられ、とても気に入ってます。エロとかセクシーとかとはまた違う、女性が本来持っている“普通の色気”を感じます。それがそのまま彼女たちの音世界のような気がします。ルーシー・パールでのドーンのハッチャケぶりも魅力的なんですが、アン・ヴォーグのメンバーとしての少々ステレオタイプな感じも許せるなあと思います。
因みにドーンは後に復活。現在は4人で活動しているようです。
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