少しの違いが大きな違い
●ダミオン・“クレイジー・レッグス”・ホール『ストレイト・トゥー・ザ・ポイント』('94)
兄貴のアーロン・ホールが現代R&B史上に残る熱きヴォーカリストだったため、ダミオンは気の毒な部分が有ります。しかも同じグループというのは余計キツイ気がします。本人が世に残るシンガーを目指していなければ別ですけど・・・。ジェラルド・リヴァートとショーン・リヴァート、古くはアレサ・フランクリンとアーマ・フランクリンetc、各々実力は十分なのに脚光を浴びにくい形だった兄弟姉妹の片割れを思ってしまいます。
このアルバムも第一次ガイ解散後のソロ作として、一定の評価を受けています。ダミオン確かに上手いです。しかし、全体的に完成度は低いです。何度も聴いてみたいアルバムにはならないです。彼の所為なのか、周囲の所為なのか判然としません。
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●ジョニー・ギル『レッツ・ゲット・ザ・ムード・ライト』('96)
ダミオンを聴いてスッキリし切れない所、ジョニー・ギルを続けて聴きました。正確には言い表せませんが、ああ、やはりシンガーそのものの差かなと思いました。ダミオンは、売れる為には売れる曲に乗らなきゃいけませんが、ジョニーはその必要なし。ジョニーだったらドレミファソラシドと歌っただけでも人を感動させられそうです。このアルバムも光り輝くタイプの曲はそんなにないのですが、ただジョニーの歌声に聴き惚れるのみ。そうなのです。昔のソウルシンガーってそんな感じの人が多いんですよね。声で全てを表現し聴く者を引き付ける・・・ジョニー・ギルは確かに“ラスト・ソウル・マン”と表現できる数少ない一人です。でも、ダミオンの上手さとほんのちょっとの差なんですよね。その「ほんのちょっと」が大きいんです。
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