<エコー>は1995年、メンフィスでギタリストでもあるJohnWardなる人物が設立。スタッフにはソングライターのRaymond Moore(ウィルソン・ピケットやカーラ・トーマスと親父)ライターとプロデューサーのMorris J Williams(<マーキュリー>でジェリー・バトラーやフォンテラ・バス、<ブランズウィック>でジャッキー・ウィルソンやタイロン・デイヴィス、ロンドンの<ハイ>でシル・ジョンソン父娘) 、ライターとマーケティングでLarry Chambers(レイモンドと組んでホーマー・バンクス、ボビー・ブランドなど) らがいます。実績十分な人たちです。
最初に出したアルバムがオリー・ナイチンゲイルの『アイル・ドリンク・ユア・バスウォーター、ベイビー』という強烈なタイトルのアルバム。私はルーラルな熊本に居ながら、全国の専門レコード店が結集(という程の事もなかったですが)した中古盤フェアで獲得した憶えがあります。
オリー・ナイチンゲイルといえばサザン・ソウルの求道者的イメージがありましたが、この盤のジャケ写は、同一人物かと見紛う変貌ぶり。バスタブの中、艶然と微笑む女性の脇で、ヤニ下がった表情でグラスを掲げるオリー。聴くのが怖い気もしましたが、内容は素晴らしかったです。大体<エコー>のサウンドは、ブルースやソウルのツボをよく捉えて、或る時はグッと引き締まり、或る時はジンワリ和ませてくれます。盤石です。今回、サイトの「ニュー・リリース」のコーナーから、いくつかユーチューブで検索しましたので是非聴いてみて下さい。
代表的なアーティストは、有名どころではルーファス・トーマス、バーバラ・カー、デニス・ラサール、リー・“ショット”・ウィリアムス、ビル・コデイ、カール・シムズ辺りでしょうか?しかし、名前が売れてない人も実力抜群のようです。
勿論、この手のサウンドはいくら練れていても時代遅れは否めません。オールドタイマー向けなのは確かですが、古臭いと一蹴するには勿体ない味わいがあります。
都会に住んで居らっしゃる方は、帰省して田舎の実家の畳に寝転がった時、安らいだ開放感を得られると思います。ルーラルな音楽というのは、そういう気分に合致するのではないでしょうか?あるいは、出張や旅行から自宅に帰って来た時、「ア~、やっぱり家が一番だ」と思う瞬間。何が一番なのかよく判らないけど「一番」なのです。それは動物的帰巣本能か、人間特有のセンチメンタリティーか判りませんが<エコー>の音世界は、そういった感情をチクチク刺激してくるのです。
もっとも、私が、ブルースを聴き込む事から黒人音楽の世界に入ったので、日頃現代R&Bを聴いていて、たまに旧いブルースやソウルに耳を傾けた瞬間に感じる“心地好さ”を絶対的に述べてしまったかも知れません。正直ピンと来られない方が多いでしょうが、まぁたまには好いでしょう・・・。
♪大御所デニス・ラサール姐。この人ほど一定のレベルを保ち続ける人も珍しいと思います。個人的には、ミリー・ジャクソン、アーマ・トーマス、グラディス・ナイト辺りと並べて“信頼”している女性アーティストです。
http://www.youtube.com/watch?v=hEtApgMcnV4♪どこにでも居そうなオバチャン顔ですが、色っぽさが微妙に漂う歌声、ミズ・ジョディ。黒人女性シンガーに多く見られる逞しさ(一途さ)と艶っぽさのミクスチャーがDNAとして脈打っているのが理解出来ます。
http://www.youtube.com/watch?v=sCCjNduv2Lg
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