【追悼】テディー・ペンダーグラス
フィラデルフィア・ソウルの象徴的存在の一人、最後のハード・シャウターともいえるテディー・ペンダーグラスが亡くなりました。むせ返るような男のセクシーさの中に、ソウル・ミュージックに不可欠の切ない感覚を溶かし込んだ歴史に残る歌手でした。
http://www.bounce.com/news/daily.php/21502
1月13日、結腸がんの手術に伴う合併症のため亡くなったそうです。享年59歳。彼は昨年に手術を受けましたが、その後体調が回復することはなく、そのまま入院先であるフィラデルフィアの病院にて息を引き取ったとの事です。
足跡を。南カロライナ州のKingstreeという街に生まれた彼は、父親の死を機にフィラデルフィアに移住。キャリアの始まりはドゥーワップ時代から存在するキャディラックスのドラマーとして。ヴォーカリストとして花咲くのは70年、ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツへの参加からです(<フィラデルフィア・インターナショナル>からのリリースは72年)。しかし途中で脱退。77年にソロアルバムをリリース。コーラスの妙味も聴かせるブルーノーツ時代からパワー全開のソロ時代で彼の評価は不動のものになります。
残念なのは82年の交通事故。下半身不随となります。しかし車椅子姿でシーンに復帰。2006年に引退を発表するまで精力的に音楽活動を続けていました。85年にはまだ無名だったホイットニー・ヒューストンのデビュー・アルバムに参加。同じ年フィリーで行われた「ライブ・エイド」に参加。この時私は初めて車椅子の彼を観たような気がします。96年ステファニー・ミルズとゴスペル・ミュージカル。98年自伝の出版。そして2006年に引退を表明しています。
熱いパワーが第一の歌手にとって、座ったまま歌うというのは正直言って実力が発揮できない状態だと思います。 しかしスピリット漂う彼の歌はテクニックを超えて心に伝わるものが有りました。ブルーノーツ時代とソロ時代と分けて考えがちですが、彼にとってコーラス・グループからソロに移った事で、深みが加わったんじゃないかと思います。パワフルなシンガーとはいえ冒頭に書いたように切なさに身悶える感覚も携えているのが彼の魅力だし、セクシーなシンガーといわれる由縁だと思います。もっとも優れたソウルシンガーはバリトンにしろファルセットにしろ、一面だけでは捉えきれない万華鏡のような多面性・立体性を備えているものです。そこが解ると黒人音楽の魅力にハタと気付くと思います。感じ方が変わるんです。この歴史的な音楽は「雰囲気」だけではないのですよ。
http://teddypendergrass.com/
http://www.youtube.com/watch?v=zolWsJG551A
http://www.youtube.com/watch?v=rV9VuPkIIv4
http://www.youtube.com/watch?v=ZcAhCWEywss
http://www.youtube.com/watch?v=W7Ni7LGXW7g
http://www.youtube.com/watch?v=itUrjWNGnZQ
http://www.youtube.com/watch?v=iQBSoFTjU6s
http://www.youtube.com/watch?v=Ykp9QSY-feg
http://www.bounce.com/news/daily.php/21502
1月13日、結腸がんの手術に伴う合併症のため亡くなったそうです。享年59歳。彼は昨年に手術を受けましたが、その後体調が回復することはなく、そのまま入院先であるフィラデルフィアの病院にて息を引き取ったとの事です。
足跡を。南カロライナ州のKingstreeという街に生まれた彼は、父親の死を機にフィラデルフィアに移住。キャリアの始まりはドゥーワップ時代から存在するキャディラックスのドラマーとして。ヴォーカリストとして花咲くのは70年、ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツへの参加からです(<フィラデルフィア・インターナショナル>からのリリースは72年)。しかし途中で脱退。77年にソロアルバムをリリース。コーラスの妙味も聴かせるブルーノーツ時代からパワー全開のソロ時代で彼の評価は不動のものになります。
残念なのは82年の交通事故。下半身不随となります。しかし車椅子姿でシーンに復帰。2006年に引退を発表するまで精力的に音楽活動を続けていました。85年にはまだ無名だったホイットニー・ヒューストンのデビュー・アルバムに参加。同じ年フィリーで行われた「ライブ・エイド」に参加。この時私は初めて車椅子の彼を観たような気がします。96年ステファニー・ミルズとゴスペル・ミュージカル。98年自伝の出版。そして2006年に引退を表明しています。
熱いパワーが第一の歌手にとって、座ったまま歌うというのは正直言って実力が発揮できない状態だと思います。 しかしスピリット漂う彼の歌はテクニックを超えて心に伝わるものが有りました。ブルーノーツ時代とソロ時代と分けて考えがちですが、彼にとってコーラス・グループからソロに移った事で、深みが加わったんじゃないかと思います。パワフルなシンガーとはいえ冒頭に書いたように切なさに身悶える感覚も携えているのが彼の魅力だし、セクシーなシンガーといわれる由縁だと思います。もっとも優れたソウルシンガーはバリトンにしろファルセットにしろ、一面だけでは捉えきれない万華鏡のような多面性・立体性を備えているものです。そこが解ると黒人音楽の魅力にハタと気付くと思います。感じ方が変わるんです。この歴史的な音楽は「雰囲気」だけではないのですよ。
http://teddypendergrass.com/
http://www.youtube.com/watch?v=zolWsJG551A
http://www.youtube.com/watch?v=rV9VuPkIIv4
http://www.youtube.com/watch?v=ZcAhCWEywss
http://www.youtube.com/watch?v=W7Ni7LGXW7g
http://www.youtube.com/watch?v=itUrjWNGnZQ
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コメント
事故の後もいろんな活動をしていたんですね。
曲もいいのがたくさんあります。
>フィラデルフィア・ソウルの象徴的存在の一人
ああそうですね。フィリーのサウンドと、テディの声とシャウトの組み合わせが最高だったです。close the doorなどは誰に聴かせても気に入ってもらえます。若い子でもね。
投稿: himehikage | 2010年1月17日 (日) 15時54分
こんな形で取り上げられるのも悔しいですが、一人でもテディペンの存在を知ってほしいですね。
投稿: k.m.joe | 2010年1月18日 (月) 19時35分