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試聴記】ラヒーム・ディヴォーン『ザ・ラブ&ウォー・マスターピース』

590

http://www.raheemdevaughnmusic.com/

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3744590

独特の音世界を展開するラヒームの3作目。リリース数以上の存在感を感じます。今回のは、1枚物と2枚組の二通りあるそうです。前作と同じ時期の作品も有るそうですが、別に気になりません。今回試聴できたのは1枚物の方です。

彼の音楽は、私は必ずしも全面的には受け止め切れてませんが、独特の、拡散し浮遊する感覚は気に入ってます。また、確固たるブラックネスが音の背骨を構成しているので、私のような保守的な人間でもすんなりと聴ける部分はあります。ただ、グルーヴとして昇華した場合、好きな部分とそうでもない部分が有るといった所です。

ミスター・コーネル・ウエストなる人物の、ラップというよりライブMC的前口上に続いて流れるのが、70年代ソウル風の一曲。マーヴィン・ゲイとカーティス・メイフィールドに特に近いなあと思っていたら、カーティスの曲を下敷きにしているそうです。

♪「Bulletproof」
http://www.youtube.com/watch?v=luuQ1McRtGU

中盤には王道的美メロ曲もありますが、アルバム全体で考えると、絶え間ないグルーヴで彩られた、レベルの高い一作だと思います。

♪「Mr.Right」
http://www.youtube.com/watch?v=qF8tNTxg9tc

♪「My Wife」
http://www.youtube.com/watch?v=-QLzQdEWyoA

15曲目は、ゲストの顔触れが興味深いです。ジル・スコット、アンソニー・ハミルトン、クリセット・ミッシェル、レディシ、アルジェブラ、チコ・デバージetc...。ネオ・ソウル系と括るのも失礼な、クセ者揃いです。私がここ何年で気に入った人たちでもあります。類は友を呼ぶといったラインナップかと思います。しかし、曲自体はあまり拡散しない、良く言えば地に足を付けたメッセージソングです。これだけ多数のゲストが要るかとも思うんですが、このメンバーをジャケットに記している事自体、ラヒームの音世界を象徴しているような気がするのです。

♪「Nobody Wins A War」
http://www.youtube.com/watch?v=df6NYp23TAI

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