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2010年9月

ワースト・カバー100

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ウロチョロしてたら、こういうのを見つけました。レコードアルバムには名ジャケットと呼ばれる物が多々ありますが、逆に「迷ジャケ」にも出会えます。そんなアルバム・ジャケットを100枚集めたもの。
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投票で決めたりはしてないようです。基本的にはエロ系、グロ系、アホ系の3つかな?中にはマトモに思えるのもありますが・・・。1位は納得してしまいました。長年レコードジャケットを見てきたけど、これを最初見た時はビックリした!2位も昔は話題になりました。最初はガラスのヒビを使ってましたけどね。我らがミリー姐も例のジャケットで登場です。

エロとセクシーは紙一重だから、難しいものがあります。オハイオ・プレイヤーズ物とかは「迷より名」でしょうね。エロということであれば、↓この人たちのも買うのが恥ずかしくなる・・・CDで良かった。

http://matome.naver.jp/odai/2124698627936261255/2124698959804708338

あ、くれぐれも44番は拡大しないでね^^

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人生のほんとう

9月23日(木)曇り一時雨。秋分の日。

●敬老の日前後に、長寿の秘訣みたいなのを各テレビ番組でやっていた。絶対的な秘訣がある訳もないが何となく観てしまう。記憶に残ったのは、好きな事をやる。健康に悪いといわれるタバコでも、本人が一服を何よりの愉しみにしていれば問題ではない。色んな事にチャレンジするにしても「これをしなけりゃならない」といった義務感を感じず、無理せず続けているのが良いみたいだ。ある、ご長寿の家族が「ウチの婆さんは過去の事で愚痴ったことはなく、これから先のことばかり考えている」と。先のことというか、今を一生懸命、しかも自分で納得できる範囲で頑張っているんだろうなと思う。でも、考えてみれば、それは年輩者だけでなく、全ての世代に共通する「秘訣」だと思う。
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●池田晶子さんの『人生のほんとう』を読み終える。恥ずかしい話だが、書店での立ち読みのみで済ませた。最初に椅子に座り込んで三分の一ぐらい読んでしまったので、買うより本屋で読んでしまおうと思い、数ヶ月掛け色々な所で立ち読みした。講演を基にしたものなので話し言葉中心で読み易かったという点もある。感想・・・「ほんとう」というのは自分で考えて決めるものなのだと思う。もっとも避けるべきは他人の意見を盲目的にコピーし、自分の考えにしてしまうこと。あくまで自分が実感した事だけを「ほんとうのこと」として心の財産に(本に書いてある訳ではない)。難しいようで、実は素直な気持ちで森羅万象に対すれば出来ると思う。前段で書いた長寿を全うした方々も、「ほんとう」を実感出来ているんだと思う。

♪Akiko Wada "In The Pouring Rain"
http://www.youtube.com/watch?v=Jgm5UgIHPh4

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映画『悪人』

現代社会の閉塞感については色々な所で耳にする。簡単に言えば煮詰まってる状態かと思う。社会が人間で構成されている以上、人間一人一人が煮詰まっているとも言える。人間煮詰まると、考えは悪い方向に進む。自分自身が意識できていれば乗り越えようとするが、自分で分からない場合、煮詰まっていると思わなくなり、“悪感情”がその人間を支配する気がする。他人のステイタスを自分のステイタスと勘違いし、ステイタスのない人間を差別し小馬鹿にする。友達ではなく取り巻きを好む。自分が主役でなければ気がすまない、というかそれが当然だと思うから。たとえ相手が自分の言動で死に到っても、何の罪悪感も感じない。

タイトルの『悪人』は「悪感情に支配された人間」の事ではないかと思う。映画の中で起こる事件の犯人は、少し違う。先に述べた人物像を「積極的な悪感情」と名付けるなら、犯人は「消極的な悪感情」といえるかも知れない。自分が煮詰まっているのが分かり、どうしようも出来ずにイライラを溜めながら日々の生活を送っているタイプだ。一般的には遊び友達を求める「出会い系」に人間的繋がりを託す。妻夫木聡演じる犯人と「出会う」女性が深津絵理で、こちらも「消極的な悪感情」の持ち主である。

主役の二人の話は最後に持ってくるとして、映画の中では「悪感情」を表現する為に世代の違う脇役を登場させている。柄本明演じる中年世代(被害者女性の父)と樹木希林演じる老年世代(犯人を育ててきた祖母)。柄本は、犯罪のキッカケとなった悪感情の塊である大学生に自ら復讐しようと近付き、悪感情に対する呪文のように「正論」を吐く。このセリフが映画が主張したかった事の一つだと思う。それにしては、ここまでハッキリと言わせては“表現”としてどうなのかとも思ったが、ハッキリ強烈に言わなければ現代社会にはびこる悪感情には訴えないのだなと思い直した。

樹木希林はコツコツと生きてきた漁村の老婆で、ある日入院中の夫の元に出かけるため外出する。家の周りに屯するマスコミ陣の取材攻勢にどうする事もできず、バスの運転手の助けを得て、やっとの思いで乗り込む。座席に着いた彼女は静かに息を整えようとする。その微妙な動揺振りが゛抜群の演技力で表現される。老年世代が社会の悪感情に対した時、彼ら彼女らは自分の気持ちの中で動揺するしかないのだという思った。

さて、主役の二人、光る演技力については言うまでもなし。彼らはピュアな気持ちで出会い、愛し合う。忌野清志郎は「愛し合ってるかい?」とステージから呼びかけたが、実は人間にとって愛すること、愛されることより、愛し合うことは難しい。しかしそこを目ざすのは自然な行為だと思う。目指さなくてもそうあるべきだ。もちろん、男女間の話だけではない。悪感情に支配されては「愛し合う」ことは不可能だ。前提として必要なピュアさや真剣な気持ちは、彼らとは最も遠い。愛も自分の都合でしか解釈しないだろう。

犯罪者である青年に連れ添う行為は一般常識から見ると間違っている。説得して罪を拭わせるべきだ。しかし、彼女の方から逃走を呼びかける。愛し合うことが彼女達の中では一般常識を超えたのだ。その為「もっと早く出会えていれば」と嘆く。嘆きながらも愛し合う。やがて現実社会は二人に関わってくる。日常に戻った深津絵理の最後のセリフとラストシーンは、愛し合うことを知って人間的に深みを増した姿を思わせてくれるし、切なさを背景にしながらも、「悪人」から「悪」が抜け落ちていくのが見えるような美しさを心に残した。

http://www.akunin.jp/index.html

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いつもと違う日・いつもと同じ日

9月19日(日)晴れ。

●昨日はヨメさんの誕生日。娘を大学に送った後、夫婦で映画へ。『悪人』。詳細は別稿に。昼は定食屋、夜は焼肉と外食デーにした。大したプレゼントも上げられなかったが、せめて主婦業の軽減を・・・。

●先週の日曜日は福岡へ。娘が資格試験を受けた為。二日市と筑紫野と、どちらも初めての街を試験前や試験中にウロウロ。と言ってもショッピングセンターで暇をつぶす程度。どちらも熊本にもある店だが、客の雰囲気とかの空気感が微妙に違う。こういう、知らない街に身を置くのは好きな方だ。県外に出る事自体久し振りなので、初めてナビを使う。鈍臭い私には役に立つ。しかし時には頭がこんがらがる。「左手食堂です」とナビが言うから「え?探してないのに何で?」と返したら「側道よ!」とナビが、いや、ヨメさんが訂正。ははははは。そのヨメさんは、人混みに長時間居た割りには疲れず、調子が好かった。

●今回の福岡行で体験した訳ではないが、初めて訪れたのに、風景に見覚えが有ったりする事を“デジャヴュ”と言う。原因は解明されていないが、一つの説?を最近耳にした。脳が、無理矢理“記憶”を造っているという話だ。初見や初体験のものに対して、脳が辻褄を合わせている感覚か?確かに人間には「いつもながらの周辺環境」が在ると精神的には落ち着くものかも知れない。

♪Jaheim "The Chosen One"
http://www.youtube.com/watch?v=tTOVyhEUFyU

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ワンが道を行く

9月11日(土)晴れ。世界が衝撃に震えた日。

●ヨメさんの症状。身体の痛みやだるさはだいぶ無くなったが、抜け毛が目立つらしい。元々髪の毛の量が多い事もあり、傍目には判らないのだが、自覚症状は有るらしい。しかし、これも副作用の一つとして、以前から医者に言われている。女性は必ずまた生えてくるそうだ(因みに男性はダメらしい)。食欲も一時落ちたが徐々に回復気味。何より検査の数値が落ち着いて来ているので、治りつつあるのは間違いないようだ。

●朝の出勤時間に余裕ができた為、NHKの朝ドラを観ている。『ゲゲゲの女房』。ヨメさんの話だと、男性の視聴者がこれまで以上に多いらしい。鬼太郎達や妖怪連中は、やはり男の興味範囲に在る事が多いのだろうドラマ内にもたまに妖怪が出てくるが、その都度ヨメさんに説明している。もっとも、妖怪関連以前に話の骨格がシッカリしているというのはある。原作自体も面白いのだろう、マンガへの情熱、貧乏時代の苦労、妖怪作家の娘の立場等、興味深く描かれている。また、タイトルからして水木しげるの奥さんが主人公であるべきかも知れないが、あまり目立たない。そのスタンスがあるからこそ、ドラマを色んな角度から楽しめるのだと思う。

●車を運転中。片側一車線の道を、ソフトバンクのお父さん犬みたいなワンちゃんが歩いていた。時々車の前に出るので、中々追い抜けない。彼も後ろを何度も振り返り、焦っているような感。対向車線が途切れた時に追い抜く。バックミラーを覗くと、次の車両の真ん前をトボトボ歩いている。横に避ければ良いものを動物だから仕方ないかとも思うが、人間だって何かを気にし過ぎて、周りが見えなくなる事って結構あるね。

♪MILLIE JACKSON "Never change lovers in the middle of the night"
http://www.youtube.com/watch?v=xhV8BzKVnIU

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ぬか漬け

☆招いてくれた人は、システムキッチンの下扉の一つを開けた。大き目の青いポリバケツが見えた。重しを除ければ独特のニオイ。ぬか床だ。「母から分けて貰ったの」西洋風な顔立ちの彼女にはそぐわない気もするが、趣味人であり、凝り性な面もある事を思えば納得がいく。彼女は真剣な顔で、ぬか床を何度かかき混ぜた後、一本のキュウリを浅く沈ませた。「明日は美味しい一夜漬けを振る舞うわ」そう言うと彼女は、ぬか味噌だらけの手で楽しそうに笑った☆

★黒人音楽が磐石なのは、歴史の遺産が息付いているからだと思う。伝統をそのまま受け継いだスタイルはもちろん、トレンディーなR&Bでも
“黒い音世界”の奥には“黒い遺産”が見え隠れする。音楽界全体のグローバル化は確かにあり、オールドファンが踏み込みにくいブラックミュージックも多々ある。しかし“黒い遺産”は今の時代にも間違いなく存在している。そんな事をボンヤリ考えていたら、“黒い遺産”ってぬか床みたいなものか?と、いつもながらの妄想が湧いて出た。時代が進んでも、先人の技や知恵や魂は、音世界に味を付け、聴く者に“昔ながらの感覚”を思い起こさせている気がする。また、日本食なら日本人にしか訴求しないかも知れないが、黒人音楽ぬか床のニオイや味わいは、黒人自身の感じ方とは違うだろうが、広範囲の訴求力を持つ。考えて見れば不思議なぬか床だ★

☆朝食のテーブルの一角に、キュウリの一夜漬けは置かれた。強烈な二日酔いの頭は、先ずそこに箸を向かわせた。酒と煙草で汚れきった口中から喉奥へと、微かな塩味を伴ったキュウリが、風味豊かに通過して行った。しばらくは箸が止まらない。何よりのもてなしに彼女の静かな笑顔も加わった。

もし人生が真理に出会う旅だと仮定したら、私にも掴んだ真理がある。食べ物と音楽は人の心に情感を満たす。これもまた、ぬか床のようなものかも知れない。

♪Jodeci "Play Thang"
http://www.youtube.com/watch?v=PkxH1_ZtDYw

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2010年8月の読書メーター

読んだ本の数:1冊
読んだページ数:270ページ
読んでた本の数:2冊
積読本の数:2冊
読みたい本の数:2冊

▼マイページ
http://book.akahoshitakuya.com/u/2741

▼読んだ本
■考えるヒント (文春文庫)
エッセイ風の語り口から、やがて深みに引き込まれる。何故こんなに的を得た事が書けるのかとも思うが、先ずは彼が「常識人」である事。「常識」という表現は当たらないかも知れないが、人間を動かす感情の基本的部分をシッカリと捉えている方だと思う。自己と非自己の関係性と書くと小難しくなるが、自分以外のものに照らし合わせる自分自身というものに気付かされる。あと、美的感覚の鋭い方。しかもハイブロウではなく市民的。
読了日:08月05日 著者:小林 秀雄
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/7127924

▼読んでた本
Tasyoen_m
■多生の縁―玄侑宗久対談集 (文春文庫)
著者:玄侑 宗久
http://book.akahoshitakuya.com/b/4167692031

■考えるヒント (文春文庫)
著者:小林 秀雄
http://book.akahoshitakuya.com/b/4167107120

▼積読本
■14歳からの哲学 考えるための教科書
著者:池田 晶子
http://book.akahoshitakuya.com/b/4901510142

51hsrah6k1l__sl160_
■僕の見た「大日本帝国」
著者:西牟田靖
http://book.akahoshitakuya.com/b/4795843023

▼読みたい本
51qs4bdr5l__sl160_
■ヒップ アメリカにおけるかっこよさの系譜学 (P‐Vine BOOKs)
著者:ジョン・リーランド
http://book.akahoshitakuya.com/b/4860203526

■ユング―魂の現実性(リアリティー) (現代思想の冒険者たち)
著者:河合 俊雄
http://book.akahoshitakuya.com/b/4062659034


▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

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