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2011年2月

突然の訃報続き

2月27日(日)晴れ後曇り一時雨。

●娘は今日からサークルの一泊旅行。大学まで送った後、母の病院へ見舞い。悲しい報せを聞く。同室で、親しくしていた方が亡くなられていた。我々家族にもよく話しかけて下さった。50歳頃から20数年間の病院暮らしだったそう。その心中には思いを馳せる事さえ出来ない。ご冥福を祈るのみ。母親は、淋しそうではあったが達観の境地も感じ取れる。

●昼食と買い物を済ませ、ヨメさんの実家に行くとまたしても訃報。経営している工場の従業員の方。私より一つ年下だ。持病もなく、自衛隊出身で体格も良かったのだが、心筋梗塞で、就寝中に静かに亡くなられていたとの事。何とも切ない。

●母親がポツリと言った。「人は、死に方に、その人の人間性が表れる」。私にはそれが真理かどうかは判らない。ただそう思う事で気持ちが安らぐなら、それはそれで良いと思う。

♪Shirley and Lee "I Feel Good"
http://www.youtube.com/watch?v=gN2E6DoQ78o

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RE-FRESH

2月26日(土)晴れ。ポカポカ陽気。

●暖かい日が続くと気分がノンビリしてくる。最近ずっと気にかかる事があり、完全に気分が晴れているとは言い難いのだが、天気が好いだけで前向きになってくる。しかし、考えてみると、ニュージーランドの大地震、北アフリカ・中東の政情不安とか、目黒の殺人事件に影響されたような事件が熊本でも起きたりと・・・自分に直接関係ない事柄でも暗いニュースは後を絶たない。一日何も考えずボーッと過ごせたらとかも思うけど、まあ結構ボーッと過ごしてるんだろな。

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●横須賀のソウルバー『カスタム』の30周年を記念して作られたMIXCD。お店でのリクエストが多かった物とか、時代を映し出す定番曲が、ヒップホップ感覚豊かにミックス処理されている。ネット注文していた物が届き、最近よく聴いている。少し関連して思いついた事もあるので、レビューは別稿にまとめようと思う。一点書いておくと、何度も聴いたことのあるフレーズなのに、なぜいつも新鮮に聴こえるのだろうかという不思議。この辺に黒人音楽を解く(感じる)鍵もある。

http://www.locosoul.net/?pid=26640599

♪Debra Laws "Very Special"
http://www.youtube.com/watch?v=BCpSSNJ7rtc

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●ひと頃は、うまく文章が書けない時期があったのだが、最近は焦らず少しずつ纏めている。上記のMIXCDの他、クリセット・ミッシェルの新作についても書いている。書けないなら書けないで、あまり気にせず進めている。勢いというのも必要だが、最近は文章を愛でたい気持ちになっている。

♪Chrisette Michele ft. Rick Ross "So In Love."
http://www.youtube.com/watch?v=j0Vc6FALoRg

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観念と現実

2月20日(日)晴れ。

●4月から大学3年生になる娘は「インターンシップ」といって、企業実習からスタートする。希望していた某産婦人科病院へ行く事になる(看護師ではない)。奇しくも本人が生まれた病院。正に初心に帰る事となる。

●ヨメさんは時々幼稚園の給食作りの手伝いに行っている。先日フルタイムで働かないかと誘われる。もし本格的に働けば、平日に加え、週2回土曜も働く事になる。私の扶養も外れるほどの収入となり、生活的には楽になる。周囲の意見を色々聞いた結果、断ったそうだ。私は本人次第と思っていたので、結論についてはどの形でも受け入れるつもりだった。まあしかし、無理する事もないし、身体も心配ではある。

●家族の変化に比べ、自分は相変わらずルーティン・ワークの日々だなと思う。しかし、最近読んでいる池田晶子さんの本によると、人生における「現実」は自分の「観念」が作り上げているとの事(今ひとつうまく説明できていない)。色々な出来事が起きて、それに対応する事で人生を送っているというより、自らの観念がまず出発点みたいな事のようだ。ものすごく平たく言うと「自分をしっかり持て」とも言えるかも知れない。自分の意識の中で「普遍的に正しい」と思える事を考え続けていけば、他人と自分を比べたりとか、嫌悪感を抱いたり、ヤキモチを妬いたりという事もないはず。毎日の仕事をルーティン・ワークと片付ける自分も居なくなるはずだ。それは「正しい自分の愛し方」でもあるし、自分を愛せる人は他人も自然に愛せるという事に繋がる。

●土日で買った本

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余裕の奥の情熱

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●ボビー・"ブルー"・ブランド『トゥー・ステップス・フロム・ザ・ブルース』<デューク>(1961)

http://www.hmv.co.jp/product/detail/865667

私は「余裕」は好きだが「貫禄」はキライだ。歌手もベテランになると、貫禄だけで“済ませている”人がたまにいる。超一流になると貫禄が滲んでくるのは仕方のない所かも知れないが、音楽に本人の人間性が投影されていれば、化けの皮はかぶらない。

ここに、ボビー・ブランドの新作があったとする(実際はない)。彼の実績を知る者なら、聴く前から中身が想像できるはずだ。でも実際聴いてみると、彼の魅力のトリコに何度でもなるはずだ。ああ、やっぱりこの人だったら間違いないと思うのだ。これは貫禄の成せる業ではない。

本盤はボビー・ブランドのデビュー作である。40年以上前の作品だ。若い彼の歌声には“うがいシャウト”も聴けず、スムースだ。しかし単なるクルーナーではない。やはり深い。単に丁寧に歌っている訳ではない。曲に対する愛情を超えて、感情に対する愛情みたいなものをその歌声に感じる。静かに情熱的だ。冒頭のタイトル曲からズシンと来る。しかし、深くても暗くならない。聴いていて力が湧いてくるのだ。これぞブルースだ。複雑な人間の感情を正確にトレースし深い感動を覚えさせる。これぞブルースだ。このアルバムを聴かずしてブルースファンは自認できない。というか、ブルースファンを自認する者がこのアルバムを初めて聴いたとしたら、ブルースに対する認識が「2ステップ」は深まるだろう・・・。必携の名盤。

全ての曲が魅力的だが、一つ取り上げてみよう。キャブ・キャロウェイで有名な「セント・ジェイムス・インファーマリー」。ジャイブの王者として、愉楽のエンターテインメントを追求したキャブには、単なるお笑い芸人ではない、独特の哀調がある。サーカスのピエロに似ているかも知れない。ボビー版はその哀調を抜き出して、歌に塗り込めている。見事なバランス感覚。天性のブルースマンだ。

♪"Two Steps From The Blues"
http://www.youtube.com/watch?v=6tjSMp1UgnY

♪"Don't Cry No More "
http://www.youtube.com/watch?v=8yaW_FlWzUA

♪"St James Infirmary "
http://www.youtube.com/watch?v=iHh4wBGQZD0

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太平洋の奇跡

2月12日(土)雪。

Ta
●熱烈な竹之内豊ファンのヨメさんに連れられ『太平洋の奇跡』を観に行く。見事なまでに観客層が、我々と同じ50代以上の夫婦。戦争がテーマでは仕方のないところか・・・。面白いのは、原作を書いたのはアメリカ人。しかも日本語で出版したそう。監督も日米協力している。そのおかげか、日米両軍の特徴がバランスよく表現されていると思う。ストーリー的には、簡単に陥落したと(私は)認識していたサイパン島で徹底的に抗戦した兵士達の物語(実話)が軸となっている。「敵」「味方」「戦争」に対する各々の思いがよく伝わってきた。役者さんも達者揃い。個人的には、ファンキーなイメージだった阿部サダヲの抑えた演技が特に印象に残った。観て損はない映画だと思う。

http://www.taiheiyo-no-kiseki.jp/index.html

●夕食は焼肉の食べ放題へ。生ビールも2杯飲みゴキゲン。ここの所仕事が厳しかったので久し振りに休日満喫の感。あと一日あるのも嬉しいね。

♪Asante' "Look What You've Done"
http://www.youtube.com/watch?v=sgKJbXixymQ

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シャウトする女たち

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●ミッティ・コリア『シェイズ・オブ・ミッティ・コリア』・・・私は彼女の歌唱では、声を長く伸ばした時の方が、より好きだ。従ってバラード系、或いはゴスペル度の強い曲の方が好みではある。もちろん、乗りの好い曲も素晴らしい出来。このアルバムはどちらの魅力も味わえる。15曲目まではシングルでリリースされた物。更に、61~68年の録音を、逆の時系列で並べたのは面白いところ。一慨には言えないが(シングルだからか)、アップテンポの物が前半に多く聴かれる。ソウルやロックが生まれた時代だからか?挟まれるバラードはゴスペル調で力強い。「アイ・ハッド・ア・トーク・ウィズ・マイ・マン」「レット・ゼム・トーク」の(優しい)二大感涙バラードは終盤に位置し、アルバム全体のフィニッシュとして効果的である。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2735688

♪"Do it with Confidence"
http://www.youtube.com/watch?v=tzQCxA8YaAI

♪"Little miss Loneliness"
http://www.youtube.com/watch?v=woGtXEiIj24

♪"I had a talk with my man"
http://www.youtube.com/watch?v=6Ow0tXVXCs8

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●シュガー・パイ・デサント『ゴー・ゴー・パワー』・・・エッタ・ジェイムス系だが、唸り所でエッタより苦し気な感じがする。しかしそこが味になっている。奇しくも2人のデュエット曲(という表現が似つかわしくない)がフィーチャーされているが、微妙な違いが補完作用を生み出している。女版サム&デイブになる瞬間もある。殆んどがダンス曲で、泥臭いドライブ感に満ちており、昔から男性ブルースファンのハートを掴んでいるのも頷ける。インナースリーブの写真を見ると、目がクリクリして小柄で可愛いらしい。ところがステージ上の写真を見ると、猥雑さ丸出しで、迫力ある歌声が伝わってきそうだ。きっとサービス精神旺盛で、真面目な女性なんだろうと思う。確かにエッタ・ジェイムスほどの強烈さはないが、はち切れ度は十分である。演奏もシッカリしているので良質のリズム&ブルースが出来上がっている。特に前半は、初期のストーンズファンの人とかも気に入るんではないかな?

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3566758

♪"Soulful Dress"
http://www.youtube.com/watch?v=7_bIjXU2hw0

♪"Slip in Mules"
http://www.youtube.com/watch?v=qLxjKOzuIPw

♪Etta James&"Do I make myself clear"
http://www.youtube.com/watch?v=Sehs_vJWTLs

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●キャロル・ウッズ『アウト・オブ・ウッズ』・・・YouTubeでは別人のキャロルさんしか検索できず。残念。キャロルはどちらかというと高音域で勝負する歌手かと思うが、決してキンキン声にはならない。私の好きなトミー・ヤングに近い感覚を持つ。ポピュラー系の歌も声に伸びがあるので聴きやすい。決して忘れてほしくないシンガーだ。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3605704

♪せめてものサンプル
http://www.amazon.com/Out-Woods-Carol/dp/B00280WC5Q

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西牟田靖著『僕の見た大日本帝国』

Boku

http://book.akahoshitakuya.com/b/4795843023

迫真のルポルタージュというより、等身大のルポルタージュ。読者は著者と肩を並べて各地を廻り、大日本帝国の痕跡に出会う感覚。著者は極端な推測をせず、自分が目にした事実に対し、誠実に考えレポートする。

各国で出会う人達が、親日あるいは反日の姿勢を見せた場合も、「完全親日・完全反日」ではなく、両方の意識が微妙に混ざった心模様が感じ取れる。これは、著者が先ず聴き手に徹した(もしくは世代的理由や状況から聴かざるを得なかった部分もある)故だと思う。一人一人とのやり取りから、国全体の姿勢が大まかながら見えてくる。日本人に対する“お国柄”が把握出来る。深い悲しみや悔恨の念、この民族とは永劫にすれ違いではないかと思うものもあり、日本人より日本の事が好きで、今までは遠い印象だったのが申し訳なく思う国もある。ニュースや一般的知識では絶対に得られない“衝撃”だ。ラストは原爆の発射地に立つ著者だが、私もこんな状態の所が発射地とは思わなかった。映画の最後のシーンのように目に浮かび、心の中で拳を握り締めた。私は愛国主義者ではないが、日本が軽んじられている気がしたのだ。しかし、それは半分以上日本の責任でもある。

文脈に熱さや派手さはないが、それで結構。我々は著者と肩を並べているのだから、同じように誠実に考えれば良いのだ。これは著者の意見を識る本ではない。自分の意見を生み出す本だ。

※著者の西牟田さんとは、以前同じブログサイトに所属していて、何度かコメントのやり取りもさせて頂いている。ネット上とはいえ“知り合い”だ。贔屓目線もあるかも知れない。しかし、“知り合い”だからこそ余計にオススメしたいという側面もある。文庫版の「解説」は、西牟田さんの人となりにも触れられているので、そこから読み始める手もある。

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2011年1月の読書メーター

読んだ本の数:1冊
読んだページ数:237ページ
読んでた本の数:2冊
積読本の数:9冊
読みたい本の数:2冊

●1月はよく本屋に居たと思う。購入するより立ち読みの方が多かったが、立ち読みというのも私は好きで、気持ちの中では「今日は買おう」という時と「今日は立ち読みしよう」という時に分かれる事が多い。CDも同様。ピンと来た本の文章をランダムに読むのはCDの年代やプロデューサーやレーベルを頭に入れていく行為にやや似ている。購入の参考にするのは勿論だが、本やCDと感情を交流している気になる。

▼マイページ
http://book.akahoshitakuya.com/u/2741

▼読んだ本
■多生の縁―玄侑宗久対談集 (文春文庫)
作家や宗教家との対談集。雑踏の中ですれ違っただけでも縁が発生するというのは面白い。縁を仲立ちに生や死に関する対談が繰り広げられる。五木寛之曰く、道徳は実践するもの、宗教は非現実的なものという発言に納得。人間が考える葦である以上、非現実感も必要である。
読了日:01月01日 著者:玄侑 宗久
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/9082692

▼読んでた本
■日本の名著―近代の思想 (中公新書 1)
著者:
http://book.akahoshitakuya.com/b/4121000013

■完本 紳士と淑女 1980‐2009 (文春新書)
著者:徳岡 孝夫
http://book.akahoshitakuya.com/b/4166607162

▼積読本
■陰の季節 (文春文庫)
著者:横山 秀夫
http://book.akahoshitakuya.com/b/4167659018

■実録アヘン戦争 (中公文庫)
著者:陳 舜臣
http://book.akahoshitakuya.com/b/4122012074

■思考練習―知的生活を楽しむ読書作法 (三一新書)
著者:鷲田 小彌太
http://book.akahoshitakuya.com/b/4380950050

■記者になりたい! (新潮文庫)
著者:池上 彰
http://book.akahoshitakuya.com/b/4101330727

■メタフィジカル・パンチ―形而上より愛をこめて (文春文庫)
著者:池田 晶子
http://book.akahoshitakuya.com/b/4167679329

Nat

■私の個人主義 (講談社学術文庫 271)
著者:夏目 漱石
http://book.akahoshitakuya.com/b/4061582712

■他力 (講談社文庫)
著者:五木 寛之
http://book.akahoshitakuya.com/b/4062730103

■地獄の思想―日本精神の一系譜 (中公新書 (134))
著者:梅原 猛
http://book.akahoshitakuya.com/b/4121001346

Ho

■星への旅 (新潮文庫)
著者:吉村 昭
http://book.akahoshitakuya.com/b/4101117020

▼読みたい本
■残酷人生論
著者:池田 晶子
http://book.akahoshitakuya.com/b/4620320226

Mo

■問答有用 徳川夢声対談集 (ちくま文庫)
著者:徳川 夢声
http://book.akahoshitakuya.com/b/4480427694


▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

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生きてるだけで丸儲け

2月5日(土)曇り。だいぶ寒くない。

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●ヨメさんのお姉さんからチョコ貰う。テリーズというポーランドのメーカーの『チョコ・オレンジ』。蜜柑をデザインした包みのまま固い所に軽くコンコンと当てる。包みを開くと、蜜柑の房の形にチョコが割れている。中々面白い。

http://blogs.yahoo.co.jp/dfm92431/62587303.html

●最近仕事が嵩んだせいか、気持ち的に煮詰まり気味だ。ミッティー・コリア、シュガー・パイ・デサント、キャロル・ウッズといった、最近購入した女性シンガーのCDについて一文書いている途中で行き詰まり、放り出してしまった。良い方の循環は回転が鈍いが、悪い循環は超高速回転だ。ジックリ物を考えられず、刹那的行動が多くなってしまった。それでもこうやってチマチマ文章を綴っていくと気持ちが落ち着いてきた。しかし、まだ、楽しい事が苦しい事の埋め合わせみたいな状態になっている。こういう時、明石家さんまの名言「生きてるだけで丸儲け」は救いになる。生きていなければ悩む事さえ出来ない。生きている事の素晴らしさを、人間は度々忘れてしまう。

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●エル・デバージの新作を試聴。本来なら「試聴記」として纏める所だが、今の私ではちょっと気力が足りない。とにかくこれは素晴らしいアルバム(最後までは聴いてないが・・・)。現代R&Bサウンドに飲み込まれず、うまく生かしている。絹のような美しいヴォーカルが、よく練りこまれたサウンドに際立つ。「充実」という言葉が最も似合うアルバムだ。もう一人のお久し振り、フェイス・エヴァンスが絡む所も泣かせるね。彼女も良い老け方して来たよ。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3942445

♪El DeBarge "Lay With You ft. Faith Evans"
http://www.youtube.com/watch?v=qr2ItWYzbSw

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