ライブらしいライブ
昨日、琵琶演奏のライブを聴く。「古来の薩摩琵琶」と「鶴田流の薩摩琵琶」の2種類。古来薩摩は後藤幸浩さん、鶴田流は水島結子さんが演奏者。古来薩摩は自然に音を鳴らしても音がベンディングされてる感じで、説明されてた通りシタールの音に近い。このナチュラル・ベンディングの心地好さは、音譜の枠を超えるので、ブルースファン等は受け入れやすい音だ。
後藤さんが主導権を握っていたからかも知れないが、水島さんの鶴田流は、三味線に近い感覚で食い込んでくる。水島さんの声・語りも含め、小気味よい演奏だ。若い女性ならではのタイトさが真っ正直に出てる感じ。逆に、もし、水島さんが古来薩摩を弾かれたら蓮っ葉な色気みたいなのが出るんじゃないかと勝手に妄想。
後藤さんの「語り」の力強さに、薩摩琵琶の「あはれ」な音が重なり、さらに水島さんの締まった音色が絡むと、音楽・芸能が感情表現だと言う事がヒシヒシと伝わる。哀しみ・怒り・恨み・可笑し味といった感情が混ざり合って伝わってくる。この辺りもブルースや他の民族音楽と共通する感覚かなと思う。ブルースは録音された時点でブルースで無くなっているという人もいた。ブルースは人前で歌い、演奏されるのが真の姿という考え。ライブ性の高さの由縁だ。琵琶演奏・琵琶語りも、ライブこそ相応しい形なのかも知れない。
今回は、後半にもうひとつ楽器が加わった。アボリジニの楽器でディジリー。ユーカリの木が原材だ。棒高飛びが出来そうに長いホルン状のもの。音によって長さは違うそうだが、今回のは最も長い形。重低音を醸し出す。これを呼吸だけで演奏する。吹きようによってはヒューマン・ビートボックスのように聴こえる時もある。循環的に吹かれると、スペイシーな感覚さえ覚える。科学的な宇宙と、一人の人間の内的宇宙の繋がりにまで妄想が及ぶ。プリミティブな楽器ならではの素晴らしい部分だと思う。人間の呼吸が宇宙にまで至るのだ。
日本の楽器、オーストラリアの楽器という区別は全くナンセンス。演奏者3人の感情を交感するのに国籍は無関係。ディジリーの参加で琵琶演奏は激しさを増す部分もあるが、「もののあはれ」感覚は消されない。それぞれの魅力が存分に表現され、他の楽器や語りと混じり合う事で、新しい音空間が現れる。
ライブの素晴らしさは色々あるが、観客と同時進行である事と、音響の拡がり方とその受け止め方かと思う。CDはこちらの主観で聴いてしまう事が多いが、ライブは演者と観客が息を合わせるような部分もある。その点でも、今回のライブは素晴らしかった。
http://www.tanibito.com/goto.htm
http://www.biwa-mizushimayuiko.com/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%90%B5%E7%90%B6
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B8%...
後藤さんが主導権を握っていたからかも知れないが、水島さんの鶴田流は、三味線に近い感覚で食い込んでくる。水島さんの声・語りも含め、小気味よい演奏だ。若い女性ならではのタイトさが真っ正直に出てる感じ。逆に、もし、水島さんが古来薩摩を弾かれたら蓮っ葉な色気みたいなのが出るんじゃないかと勝手に妄想。
後藤さんの「語り」の力強さに、薩摩琵琶の「あはれ」な音が重なり、さらに水島さんの締まった音色が絡むと、音楽・芸能が感情表現だと言う事がヒシヒシと伝わる。哀しみ・怒り・恨み・可笑し味といった感情が混ざり合って伝わってくる。この辺りもブルースや他の民族音楽と共通する感覚かなと思う。ブルースは録音された時点でブルースで無くなっているという人もいた。ブルースは人前で歌い、演奏されるのが真の姿という考え。ライブ性の高さの由縁だ。琵琶演奏・琵琶語りも、ライブこそ相応しい形なのかも知れない。
今回は、後半にもうひとつ楽器が加わった。アボリジニの楽器でディジリー。ユーカリの木が原材だ。棒高飛びが出来そうに長いホルン状のもの。音によって長さは違うそうだが、今回のは最も長い形。重低音を醸し出す。これを呼吸だけで演奏する。吹きようによってはヒューマン・ビートボックスのように聴こえる時もある。循環的に吹かれると、スペイシーな感覚さえ覚える。科学的な宇宙と、一人の人間の内的宇宙の繋がりにまで妄想が及ぶ。プリミティブな楽器ならではの素晴らしい部分だと思う。人間の呼吸が宇宙にまで至るのだ。
日本の楽器、オーストラリアの楽器という区別は全くナンセンス。演奏者3人の感情を交感するのに国籍は無関係。ディジリーの参加で琵琶演奏は激しさを増す部分もあるが、「もののあはれ」感覚は消されない。それぞれの魅力が存分に表現され、他の楽器や語りと混じり合う事で、新しい音空間が現れる。
ライブの素晴らしさは色々あるが、観客と同時進行である事と、音響の拡がり方とその受け止め方かと思う。CDはこちらの主観で聴いてしまう事が多いが、ライブは演者と観客が息を合わせるような部分もある。その点でも、今回のライブは素晴らしかった。
http://www.tanibito.com/goto.htm
http://www.biwa-mizushimayuiko.com/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%90%B5%E7%90%B6
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B8%...
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