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気になる才女

029
●クリセット・ミッシェル『Let Freedom Reign』<デフ・ジャム>(2010)

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3941029

ここ暫く旧いサウンドに漬かる事が多かったので、けっこう前に買った本アルバムも、最近になって集中して聴いた。

内容的には素晴らしい。一曲一曲の出来が良く、ヒップホップスタイルの取り込み方も、一定の成果を上げている。

だが何かシックリ来ない。実を言うと、レコード棚で最初に見つけた時から感じていた。音は一切聴いてない段階だ。ジャケットに見るクリセットは、ミンストレル・ショウの芸人や、サーカス団員を思わせる、どぎつい化粧。たくさんの風船を携えた裏ジャケットの風情から曲名の字体まで、一つのイメージに統一されている感じがした。ストーリー性の高いアルム?・・・それはそれで悪くはないのだが、そのせいで小さく纏まっている感じがするのだ。前作の方が伸び伸びしていた感じがする。歌い方も囁く感じが多く、エリカ・バドゥ並みの“魔女声”を聴かせるような局面もある。

そういえば、前作のレビューを書いていた。読み返してみると、「枠内唱法」などという言葉を使い、伸び伸びとした歌声みたいな評価はしていない。それと比べても「枠内」を越えていないと感じる本作である。但し、彼女は今後も残っていく人だろうから、今後の音楽史の中で何枚かリリースした後に、本盤の評価が確立する気がする。

http://hajibura-se.cocolog-nifty.com/blog/chrisette_miche...

出来が悪い訳ではない。何というか、彼女の実力から言って「こんなもんじゃないだろう」という感じなのだ。クリセット・ミッシェルを一枚買うとしたらどれ?と問われれば2作目を推す。但し、その前に、3枚とも買った方が良いよ、と勧めます。

♪"Number One"
http://www.youtube.com/watch?v=3vkqcRQA5WE

♪"So Cool"
http://www.youtube.com/watch?v=NgfFArQKkZQ

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