●メアリー・J・ブライジ『My Life II...The Journey
Continues (Act 1)』<ゲフィン>(11)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/4236409いやいやいや、なんとも楽しくてしょうがない。車で聴く事がほとんどなので、「あのオッサン、何ニヤケてんだ」と、思われていたかも知れない。いつにもまして、このアルバム、充実度が高いのだ。「イントロ」を含めて全18曲なのだが、まるで2枚組のアルバムを聴き通したかのような満足感に包まれる。
雑な分け方(私がね)だが、3~5曲ぐらいの割合で装いが変わる。最初のブロックは、抜群のリズム感とヒップホップ感覚を楽しめる。やや初期に戻った感じ。ラップの使い方もメアリーらしい。シャカ・カーンの「エイント・ノーバディ」はユーロビート直前ともいえるダンスチューンに仕上がっている。この辺の曲群は、前々から強調している所だが、「リズムに乗っている」というより「リズムを歌っている」メアリーを楽しめる。
続くブロックは「絶唱型」ともいえるブロック。メアリーの入魂唱法にグイグイのめり込む。これも彼女の音楽史に一貫している魅力だ。ここでの話題はビヨンセの参加か。面白い事にビヨンセが「メアリー化」している。ビヨンセも入魂型の人だが、ここでは競り合うというより「Wメアリー」として一体化している印象だ。
続いて、SSW系というか、カントリーソングの系統も感じる静かな音世界のブロック。冬の朝の清澄さを思い起こす。メアリーが敬愛しているシンガーの一人、ニーナ・シモンに通じる孤高さもチラリ(音的な話ではなくて)。
ラストのブロックは、現在進行形というか近未来形のメアリー。私が現代のトレンドを把握し切れてないので、トンチンカンかも知れないが、面白く興味深い「音イジリ」の世界だ。ここでもリズムと一体化しているので、オールドソウルファンも難なく乗れる。ラストの曲は、レゲエのような、レゲエから何かを抜いたような、未体験の物だが、その意外性が痛快だ。リズム・パターンというのは、現代と昔で違うだろうが、ブラックネスの虜になっているリスナーに共通している「ブラック的リズムの根本」は確かに存在するし、メアリーはそれを体現できる貴重なミュージシャンだ。
黒人音楽史だけでなく、世の中のあらゆる音楽的要素を個人的魅力に吸収して、メアリーが旅を続けるのなら、どこまでもお供をする価値は十二分にある。
♪"AIN'T NOBODY"
http://www.youtube.com/watch?v=i5RKmShGAwk♪"love a
woman (ft Beyonce)"
http://www.youtube.com/watch?v=XG0n1htPki0♪"Someone To
Love Me (Naked) "
http://www.youtube.com/watch?v=yOGTb9yDsR0&ob=av2e
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