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2012年5月

ごちそうさま

Kuma


●植木町近くに住んでいるからか、美味しいスイカを頂ける事が時々ある。先日も大きなのを食べた。まだまだ熊本らしい暑さではないので普通に冷えた状態でもお腹に結構堪えた。気分的には夏なのだが、天候がまだな感じ。

●先日、珍しくCDと本を処分。両方合わせて70数点で1300円ちょっとだった。処分するのを選ぶのは、買うのを選ぶより遥かに難しい。本棚はスッキリしたがCD棚は相変わらず雑然としている。

●来週から職種が以前のものに戻るので、平日はPCがほとんど出来なくなる。その分昼休みなどで色々書き溜めて置こうかとは思う。

●昨日は珍しく、中華料理の外食。入り口が判り難いが、小さくてお洒落な店だ。味は上品だが主張も感じる。ランチメニューもヴォリュームの割には高くない。隣では乳児・幼児連れのママさん四人がコース料理を堪能中。畳に寝転んでいる赤ちゃんも泣かずにおとなしかった。外食慣れ?

http://chao-li.net/

♪Amos Milburn "Bad Bad Whiskey"
http://www.youtube.com/watch?v=rDPPvsErNQY

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ぶらぶら

会社規定の休暇もそろそろ終わり。これまでを振り返ってみよう。

●年に2、3回呑みに行く、かつては休みのたびに呑んだくれていたお店へ。以前と場所も変わり、LPからCDへ、更にはPCからダウンロードした曲と、聴く手段は変わっても、昔と同じ音楽を聴き、とりとめのない話をして、同じような時間が過ぎて行った。

●夫婦連れで、就活娘を少し離れた街まで送る。ヨメさんが贔屓にする手芸洋品店の、店舗の一つがその近くで閉店セールをしているとの事。私は近所を散策し書店を見つけた。大きな書店も好きだが、小さな書店の本の並びを見て回るのも好きだ。深い考えはないかも知れないが、岩波文庫は『銀の匙』と『忘れられた日本人』だけ置いてあるとか、渡辺淳一は恋愛物はなく人生訓みたいなものだけ置いてあるとか、何となく書店主の考えを想像(妄想)しながら時間を潰した。

●ヨメさんの検診へ。C型肝炎を治療して2年が経っている。今回の検診の結果、完治は間違いないらしい。一応一年後に診てもらうがとりあえずは心配ないようだ。

♪Taj Mahal "Statesboro Blues"
http://www.youtube.com/watch?v=fQMU1S8FhKg

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母性愛を歌に乗せ

Na
●中島みゆき『歌旅劇場版』

http://utatabi-movie.jp/top.php

そこには、さまざまな世界が展開していた。かつての日本流フォークソングのひなびた叙情性。演劇的モード。歌のテーマは、日常の生活感から壮大な宇宙感まで。人間が自然の一部であり、人間の想いもまた、自然なものであるという一体感に包まれる。

彼女は、思わず拳に力が入るほどの強靭な歌声を聴かせる時があるが、眉根を寄せる事もなく、自然体で歌い上げる。怒りではなく真剣な表情である。表情と言えば、例の、顔がクシャクシャになる笑顔も見せてくれる。笑顔と真剣な表情が一つの曲でもコロコロと入れ替わり、無理なく共存している。

中島みゆきといえば「女性に対する応援歌」というイメージがあるが、もう一回り大きい気がする。世の人全てに対してメッセージを送っているのではないのだろうか。優しいがシッカリとしたタッチで・・・。

「ファイト」は勇気を出せずに辛い思いをした人たちに送られている。しかも、「ファイト」と歌う部分が、とても可愛らしい声。後ろからポンと肩を叩くような励まし方だ。力強い歌詞とのコントラストが人間味を感じる。

優しさは自分の思いより他人の思いを重んじる。「浅き縁」で結ばれた女性が男性におくる別れの言葉「私の事は忘れてもあなたの笑顔は忘れないで」・・・こういう観点には中々立てない。女性が男性の笑顔を忘れないわというパターンはあっても、男性に、自分自身の笑顔を忘れるなと言えるものではない。

しかし、ただ優しいだけではない。「人は一人で生まれてきたのだから一人で生きなければならない」と、認めるのが躊躇われる真実をズバリと言い放つ。ふと、「母性」という言葉が頭に浮かんだ。中島みゆきは「母性愛」を人々にもたらしているのではないだろうか。ただ優しいだけではない。かといってヒステリックに厳しいのではない。彼女の人懐っこさと歌唱の素晴らしさ、紡がれる言葉の独創性と真理は全て母性から生まれ出ている。ものすごく大きくいえば彼女は「人類の母」なのだ。こんなに大上段に振舞うと、ひらひら手を振りながらニコニコ笑っている彼女も見えてくる。

♪"ファイト!"
http://www.youtube.com/watch?v=sehTpxlne_0

♪"地上の星"
http://www.youtube.com/watch?v=v2SlpjCz7uE

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見るとやるとでは大違い

●今日スーパーに行ったら、エコバッグの代わりに燃えるゴミの袋を使っている人が居た。ヨメさん感心。「エコバッグ忘れた時はゴミ袋買って使えば良いのよね」。
●米原万理さんの『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』に、消極的知識と積極的知識について書かれていた。前者は本や教育などで得た知識。後者は自分が実際に使える知識みたいな意味だ。「読める漢字」が前者で「書ける漢字」が後者と考えると解りやすい。読めても書けない漢字の何と多い事。以前、イチロー選手がバッティングについて喋っているのを聞き、その説明の丁寧さに、思わず私でも簡単に打てそうな気がしてきた。もちろん実際に打てる訳がない。しかも、今となってその内容を全然憶えていない。正に一過性の消極的知識だ。さて、現代社会、私が言うのもおこがましいが、消極的知識で終わっている人が多いように思う。

●ジル・スコット『Experience -Jill Scott 』<ヒドゥン・ビーチ>(01)

http://www.hmv.co.jp/product/detail/55647

私にとって、エリカ・バドゥとジル・スコットは鬼門である。

所謂ネオ・ソウルの括りの中に居るアーティストは、基本的に、微妙な受け止め方をしてしまう。この二人については気に入る部分も多い。それだけに、憎さ余ってじゃないけれど、引き方も強いのだ。

本盤は、ジルの2枚目にして2枚組。しかも、ライブ盤と未発表分に振り分けてのリリースだ。自分の音楽に自信がなければ出来ない所業だし、成果も結実している。ライブパフォーマーとしての実力と、音世界の独創性の双方をリスナーに訴えたかったのだろう。

私のような耳の狭い人間は、黒っぽさが伝わりやすいライブの方をどうしても好んでしまう。本文冒頭に、エリカ・バドゥの名前を出したのも、エリカのライブ盤の素晴らしさが連想されたからだ。

ライブ盤の、ストレートで力強く、尚かつしなやかな歌声に比べ、スタジオ盤の方は「楽器としての歌声」を意識しているような局面もある。幅広く、斬新な表現を志しているのだ。ただ、私がついていけないだけの話だ。

♪"Love Rain"
http://www.youtube.com/watch?v=labSYQ7RBQY

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リック・ジェイムス『ザ・ディフィニティヴ・コレクション』

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●<モータウン>(06)録音年は78~88。SHM-CD

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1391543

むかし通い詰めていた喫茶店のマスターが聞かせてくれた話は、面白いが、ちょっと悲しいものだった。チャック・ベリーを店で流していたら、或る客が「あ、ビートルズの曲やってる」と。

カバー曲がオリジナルより有名になった時、オリジナルを創ったミュージシャンはどんな気持ちだろう。チャック・ベリーならまだ名前は知られている方だろうけれど・・・。

リック・ジェイムス「スーパー・フリーク」の、あのお馴染みのフレーズも、残念ながらMCハマーの曲中でのものが有名だろう。リックの事が、MCハマーよりは知識がある私でも「スーパー・フリーク」を聴くと、違和感に包まれる。MCハマーの曲がどういうものだったか思い出せないのに、あのガニ股の残像が浮かび上がってくるのだ。

更に、<モータウン>の鬼っ子と呼ばれていた内はまだしも、麻薬中毒や暴行事件といった暗い話題に、早逝を重ね合わせると、往々にしてリック・ジェイムスには負のイメージを持ってしまいがちだ。しかし、音楽性の高さについては以前から評価が高く、今回このベスト盤を聴いてみて、改めて納得した。但し、「スーパー・フリーク」を含む『ストリート・ソングス』の各曲までだ。

特に素晴らしいのは、デビュー曲(しかも長尺)にしてR&Bチャート1位を獲った「ユー・アンド・アイ」。グルーヴは決して濃厚とは言えないが、スライほどサラッとはしておらず、十分腰に来る。ちょっと気取ったブーツィー・コリンズみたいな感じだろうか。冒頭のこの曲から「ギブ・イット・トゥー・ミー」まで怒涛のファンク攻撃なのだが、聴き疲れない。しなやかで聴きやすいのだ。

「スーパー・フリーク」で少し距離が空いた後に、超絶バラードの「ファイアー・アンド・ディザイアー」。もうここで終わっても良いぐらいの盛り上がりだ。

その後。テンプテイションズ名義の曲は、テンプスファンの私でも気持ちが入らない。スモーキー・ロビンソン名義の曲は好い。しかし、スモーキーの歌唱力に負う所が大きい。

他の曲は、私の苦手な打ち込みサウンドなのも原因だろうが、「ユー・アンド・アイ」に代表されるリック・ジェイムスならではのファンク世界の表面だけをなぞっているように平板的な印象だ。

「ユー・アンド・アイ」が78年で『ストリート・ソングス』が81年である。時代的にも黒っぽさが変質しつつある頃だった。それにしても、オリジナリティーを上手く活かせれば、彼の実力だったら生き残れたはず。もっと色んなタイプの曲で愉しませて欲しかった。心残りなアーティストの一人である。

♪"You and I"
http://www.youtube.com/watch?v=dWZkxYamLUs

♪"Fire & Desire"
http://www.youtube.com/watch?v=Gm1ibHUyJjA

♪"Give It To Me Baby"
http://www.youtube.com/watch?v=poMCoUR2gh0

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女性の特典(の一つ)

●午前中に、道の駅とケーキ類のアウトレットショップへ。どちらも人が多かった。新鮮さと値段が安いのはいつの世も不滅だ。道の駅の道路沿いにフェンスがあり、縁石とフェンスの間が「溝」になっている。砂利引きなのでズルズル滑る。ここに高齢の女性がバイクごとハマッていた。車を止められたのですぐに助けに行くと、後ろも2台止まり助けに来た。どうにかバイクを起こし、左足にケガをされてたようだが無事に「溝」を脱出された。とりあえず良かった。しかし、結構縁石の高さがあったので、ある程度の勢いが付いていたかと思う。仕方がない事情もあるのだろうが、高齢者のバイクはやはり危険だ。

●ヨメさんによると女性のストレス解消はオシャベリだそう。確かに感心するぐらい女性陣は話題にコト欠かないようだ。私は喋る前に考えてしまう方なのでヨメさんや娘の喋りについていけない。長縄とびに入りそこなっている気分。しかも話題がコロコロ変わってもちゃんと記憶しているのが神業的。これは女性に与えられた生まれつきのご褒美なんだろうな。

♪Booker T and The MGs "Green Onions"
http://www.youtube.com/watch?v=_Jv75_-SSWM&feature=fvst

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進化

●再来週から、職種が変更に。変更といっても前の職種に戻るので、業務内容は解っている。現職種との関連も深い。ただ勤務時間が、始まりも終わりも早くなる。今まで、平日の朝方PCを開く事もできていたが、今後はダメになる。因みにその組織の責任者を仰せつかり(弱小)、今までとは若干取り組みようも変わってくる。再来週は一週間の休暇を取っているので、今月最後の週から心機一転となる。

●仕事帰り、借りている駐車場まで横断歩道を一つ渡る。意識はしていなかったが、信号柱の傍に立ち、青になるのを待っていた。変わったので渡ろうとした時、猛スピードで自転車が脇をすり抜けて行った。しかも、柱側の狭い方をわざわざ通って・・・。広い方を通れば良さそうなものを、おそらく「スピードを出して渡る」という考えしかないのだろう。私がちょっとでも左側に傾けば明らかに衝突していた。こういった「考えの無い」行動が多すぎる。ボーッとしていて車で学童の列に突っ込むのも元は「考えの無さ」から発生していると思う。少し考えれば判るだろうに、少しも考えようとしない風潮。世の中の動きが早く、処理しなければいけない(本当にそうか?)事柄が公私共に多いため、考え無しで身体だけ動かし、他人の話もよく聞かず、見栄だけで生き、快楽と幸せをすり換える・・・どうやら人間は進化しない動物らしい。

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●シャカ・カーン『ウーマン・アイ・アム』<ワーナー>(92)

http://www.hmv.co.jp/product/detail/10606

基本的に、私はプログラムされたサウンドが苦手だ。このアルバムは実によく出来ている。各々の曲の仕上がり、元気なシャカ、文句のつけようがない。ただ、私の苦手意識は強い。アルバムから一曲取り上げて聴く分には好いのだが、アルバムを通して聴くのは今一つ。これはいかんともし難い。ひたすら聴き続ければ慣れるかも知れないが、そういう聴き方はしたくない。やはり、よりのめりこむ方に耳は向かう。

♪"Love You All My Lifetime"
http://www.youtube.com/watch?v=eGqu20sTKak

♪"The Woman I Am"
http://www.youtube.com/watch?v=eVR3KLShyXE

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怒りのマニフェスト

●マツコ・デラックスと有吉弘行のトーク番組『怒り新党』が面白い。「私は○○に怒りを感じる」との視聴者からのメールを二人が検討し、筋が通っていれば「新党」のマニフェストとして採用するというもの。

http://www.tv-asahi.co.jp/ikari/

●個人の好き嫌いの問題か普遍的なものかが分かれ目だろう。マツコなり有吉なりが、各々の生活感・人生感を基準に考えているので、具体的に問題点が浮かび上がってくる。二人とも自分の事をコンプレックスの塊と言う。二人の経験談から、表向きの軽妙さの奥にある、誠実に物事を捉える姿勢が見える。

●「怒り」は衝動的なもので、沈思黙考した後に怒ったりはしない。厳しい意見を言う事はあるだろうが、それは怒りとは違う。怒ってしまったけど、怒って良かったのか、或いは、怒らなかったけど怒るべきだったのか、そういった思いがついて回るのが「怒り」だろう。その道標の一端となるのが「怒り新党」のマニフェストなのだ。

●バラエティー番組と侮るなかれ。目的意識が明確な上、絶妙のキャスティングが活きている。この番組を観ていると、向けるべき怒りの矛先について把握出来ると同時に、怒りの殆どが無意味である事にも気付かされる。

♪Marvin Gaye "Anger (Alt. Mix)"
http://www.youtube.com/watch?v=5lvDATUKsu4

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ジェントルマンのラブソング

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●ゴードン・チェンバース『ラブ・ストーリーズ』<チェンバー/コロムビア>(07)

http://ongakumeter.com/m/B000OLG7NO

ゴードン・チェンバースは、<エッセンス>誌の編集者当時から多くの歌手に曲を提供し、高い評価を得ていた。97年には独立。「彼の歌なら大丈夫」と言われるほどの存在になっていった。

04年『イントロデューシング…』という自身のアルバムをリリース。だがそれは、そろそろ自分名義で一枚、といった単純な構図ではなかった。石島春美さんがライナーノーツの中で紹介されている、本人が語るデビューまでの奮闘振りを読むと、彼という人間、そして曲に込められている思いが理解出来、2作目ではあるが、本作品の魅力を裏打ちするものともなっている。大人のラブソングが少ない世情を嘆き、大手が興味を示さない中、自ら協力者を探し、自宅を抵当に入れてまでレーベルを作った。広報やマーケティングまで自らこなし、ひたすら奔走した。やがて、じわじわと話題を呼び、遂には、鬼籍に入ったルーサー・ヴァンドロスやジェラルド・リヴァートの後継者とまで呼ばれるようになった。苦労話というより、ブラックミュージックの王道の危機に対して立ち上がった男のエピソードとして称賛に値する。

『イントロデューシング…』は私も聴いた。アーヴァン系なんだけど土臭さも感じる、生活感を感じるような一枚だった。本盤は、よりスタイリッシュで、ゆっくりと腰を落ち着けた感じに聴こえる。とはいえ『イントロデューシング…』に比べ多様ではある。しかし、テンポの良い曲でも抑制が効いているので統一感がある。総合的には、淡々としたオトナな一枚だ。ゴードン・チェンバースサウンドとして自立している。しかし、ワンマンにはならず、頼りになる友の助けを借りているのも、オトナな態度である。

「大人のラブソング」というと、「ベイビー・メイキン・ミュージック」の方向に行きそうだが、ゴードンが歌い上げるものは(歌詞を検討した訳ではないが)、神への愛・神からの愛に通じるような奥深さを伴っている。曲構成がシッカリしているのもあるだろうし、彼の、音楽に対する真摯な姿勢が曲を通して伝わるからだ。

日本盤にはリミックスが3曲ボーナス追加。悪くは無いのだが、アルバムの統一感に拘るなら、この3曲は要らない。だが、日本盤には冒頭紹介したライナーがある。各々ジャケットも違うので、大いに悩んで下さい。尚、ゴードンは2011年にもアルバムを出しています(未聴)。

♪"Violins"
http://www.youtube.com/watch?v=5SHJfwZCliU

♪"I Wish I Was In Love"
http://www.youtube.com/watch?v=KGQgvoX0mkw

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悪女について

●ゴールデンウィーク後半。4日は仕事で、朝6時半過ぎぐらいから出発したが、道路は空いていた。走行の度ごとに燃費を計っているのだが、普通、良くて13キロぐらいなのが、その日は18キロという前代未聞の数字だった。人が休んでいる時に仕事をするのは、何かと面白い面もある。5日はパソコン三昧。本日は滅多に行かないショッピングモールと道の駅へ。店内のツタヤに中古CDが割りと数多くあったので、4枚ほど調達。今月最後の週には会社規定の一週間の休みを取る予定なので、あんまり小遣いを使いすぎるのも考え物だが、まあ構わんだろう。

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http://ongakumeter.com/m/B000002LM7

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http://ongakumeter.com/m/B00005R5V2

●4日の夜、NHKBSプレミアムで、沢田研二の去年から今年にかけてのライブを放映していた。このツアーの目玉は、加橋かつみ以外のタイガースのメンバーが勢ぞろいしたところだ。数年前脳梗塞で倒れた岸部シローまで途中登場する。歌や演奏のクオリティーは云々できないが、観ていて楽しいライブだった。演奏者の、懸命さと心底楽しんでいる姿が伝わるからだろう。グループサウンズは、我々より少し上の世代がドンピシャだが、懐かしい感覚はあった。また、当時の歌を聞いていると「愛と平和」について真正面から取り上げているなという感じがした。ウッドストック世代とも言えるんだろうな。

♪沢田研二LIVE 2011~2012 ツアー・ファイナル 
http://www.youtube.com/watch?v=UUjmwS2rQNo

●中島みゆきの「悪女」という歌が昔から好きだ。気持ちが離れていく恋人をあきらめようと、自ら悪女を演じようとするのだが悪女になりきれない女性の切ない気持ちを歌ったものだろう。特に2番の「悪女になるなら月夜はおよしよ。素直になりすぎる」という歌詞が好き。若い頃夜遅くまで遊んでトボトボ家路を辿る時、普段は夜空とか気にならないけど、満月の夜は思わず空を見上げてしまうほど景色が違う。前向きではなかった、当時の自分の心の内を見透かすような明るさが放たれていた。「悪女」の女性はイイカゲンな私とは違う。月の明るさに純粋な気持ちを思い起こすピュアな人物だろう。この歌から、男性社会に生きる女性の難しさまで妄想を広げる事もできるが、止めておく。「悪女」という言葉に象徴されているもの、もっと深い気がするからだ。

http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND215/index.html

♪中島みゆき「悪女」
http://www.youtube.com/watch?v=YaQm0b0zKmQ

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【創作】キツネのムコ入り

コンコンコココン、コンコココン、コココンコココン、コココンコン・・・

えー、毎度バカバカしいお噺を一席。

昔から、キツネやタヌキは化けて人をダマすてな事を言います。

それでも、タヌキは体も丸っこく、顔も愛嬌がありますから、ダマされてもイタズラされたみたいな感じですかな。一方キツネの方はツンとしたすまし顔ですから、ダマされた後味が良くない感じも致しますな。まぁ、実際はどうなんでしょうか。

もっとも、キツネだろうが、タヌキだろうが、人間の化けっぷりやダマし合いに比べたら可愛いらしいもんですがね。

ある街に、里山と呼ばれる小さな山がありまして。人間たちは知りませんでしたが、ここにキツネの一族が住んでおりました。

キツネの世界では、人間に化ける事が出来て初めて「一人前」だそうです。正確にはキツネだから「一匹前」かも知れませんが。

化け方を教える学校まであるそうですな。そこを無事に卒業すると、麓の街や少し離れた街に「留学」する事も出来るそうで、実はそのまま戻って来ないで人間として一生を終えるものもおるそうです。麓の街での油揚げの消費量が全国的に見て高い理由を、分かってないのは人間たちばかりなんですな。

キツネが人間界に混じっても、決してトラブルを起こしません。人間相手に感情を高ぶらせると、元のキツネに戻ってしまうからなんです。しかも、一度戻ると二度と化けられなくなる。

「化けないキツネはただのキツネだ!」と罵られ、群れから追いやられてしまうんですな。ですから、誰も留学中には無茶な事をせず、仕事や勉強を熱心に務め上げるってえ寸法です。

さて、忠八(ちゅうはち)という名前の若いキツネが居りまして、今度初めて留学する事になりました。実は忠八には秘かに想いを寄せる女狐が居りました。紅子(べにこ)という歳上の女ですが、紅子は忠八の気持ちなど知らず、一年前から麓の街で働いて居ります。

働いていると言えば、人間に化けたキツネ族には共通点があります。「コン」という言葉に敏感なんですな。自分たちの鳴き声を連想して落ち着くんでしょうかな。働き場所も「コン」の付く所を好みます。

紅子は結コン式場に勤めております。他の仲間たちはと言いますと、コンパニオンにコンサルタント、コンダクターやコントラバス奏者、ゼネコン関係・生コン関係、コンニャク農家に大コン農家、ボディコン・ミスコン、うっはうは(笑)・・・あ、こいつぁ失礼しました(汗)。

ま、とにかく山を降りた忠八は、紅子がいます結婚式場へ向かいました。街の様子は話には聞いていたものの、驚きの連続です。あちらこちらとヨソ見して歩くもんですから、とうとう女性にぶつかってしまいました。

「あ、どうもすいません」ペコペコ謝る忠八を、女性はニコニコしながら見続けております。まぁ、愛しの女性に気が付かないのも情けない話ですが・・・。

「何だい、忠八。アタシがわかんないのかい?」「あッ、紅子姐さん!」人間に姿を変えているとはいえ、キツネ一族同士は直ぐに分かるもんです。忠八、よほど舞い上がっておったんでしょうな。

キツネの中でも美キツネで通っておりました紅子、人間に化けてもなかなかのものです。切れ長の一重まぶた、キレイに通った鼻筋、尖ったようにスラリとしたアゴ、小麦色の肌、正に理想的なキツネ美人であります。

忠八は取り敢えず、紅子と同じ結婚式場に勤める事になりました。甥という名目です。根はマジメなもんですから、よく働き、職場の信頼も得ていきました。

それでも、忠八の内心は毎日ドキドキしております。原因は紅子ですな。一緒のマンションに住み、あれこれ世話を焼いてくれる姿や、無防備にリラックスした様子からスヤスヤ寝顔まで見るにつけ、恋心は燃えるばかりでございます。今日こそは気持ちを伝えよう伝えようと思う内、日にちは過ぎるばかりです。

そんなある日、仕事が終わって、紅子が運転する車で家路を辿っている時の事でございます。カーラジオから「コンドミニアム」という言葉が聞こえてきました。その他の部分は聞こえなかったのですが「コン」が付く言葉は記憶に残ります。

「紅子姐さん、コンドミニアムって何です?」
「エッ?コンドミニアム?そりゃあ、お前あれだよ。どう説明したらいいかねぇ。あのー、そのー」

結局、紅子も知らないんですがね(笑)

「まだ若い内からそんな事は知らなくていいよ!」

と、妙な言い訳をしたちょうどその時、左の歩道からスケートボードを履いた若者が飛び出して来ました。ぶつかりはしませんでしたが、若者はバランスを崩し膝を着いてしまいました。しかし、どうもわざとらしい。連れらしい男たちが3人ほど、ニタニタしながら近づいてきます。どうも、あまり素行の良さそうな連中ではございません。

紅子も察したものの、人間界でのトラブルは御法度です。何とか収めようと、大丈夫ですか?と低姿勢で話しかけていきました。

「ちょっと、オバチャン。ヒロシが痛がってるよ。どうしてくれるの?」
そう言った男は紅子の手を思いっきり引っ張ったもんですから、紅子はバランスを崩し、歩道に転がってしまいます。からかうように男達は倒れた紅子を足で小突いたりし始めました。

さあ、忠八は堪りません。最初に手を引っ張った男に飛び掛り、首を絞め始めました。不良どもは突然のことで動きが止まったのですが、さらに忠八の形相を見て固まりました。狐に戻りかけているようで、顔は徐々に尖り、唸り声を発し始めています。おまけに目は白眼を剥き始めています。

紅子は驚き、「あんた達、逃げなさい!」と若者達に言うやいなや忠八を男から引き離し、車へ急いで連れ戻り、猛然と走らせました。部屋に着くと、まだ唸り声を上げる忠八を抱え上げベッドに寝かせます。ズボンのお尻の部分も膨らみ始めました。尻尾が生え始めているようです。紅子はこういう場合の処置も習ってはいるのですが、慌てて何も思い出せません。ここで忠八が狐に戻る事は死に等しいのです。

紅子はひたすら、忠八の口先とお尻を両手で押さえ込み、「忠八、忠八・・・戻るな、戻っちゃダメ!」と耳元で怒鳴るばかりです。涙をボロボロ流しながら声が枯れるまで忠八の名を呼び続けました。

電気も点け忘れた室内がすっかり暗くなった頃、忠八は身体に重みを感じ、目が覚めました。紅子が自分の顔に顔を重ねているのに気がつくとビックリし、起き上がると同時に紅子の両肩を揺さぶりました。「紅子姐さん、紅子姐さん」。すっかりくたびれ果てた紅子でしたが、人間の姿になっている忠八を見ると、「ちゅうはちー」と喜びの余り抱きしめました。

忠八の記憶も徐々に戻りました。自分が狐に戻ろうとするのを紅子が必死に引き戻してくれた事も状況から察しました。「紅子姐さん。すみませんでした」抱きついたままの紅子の耳元に、彼は遂に思いのたけを告げました。「紅子姐さん、俺と結婚してくれませんか?」。

叱られるか笑われるかと思いきや、「いいよ」と素直に返す紅子でした。紅子には忠八の気持ちが十分判ったし、自分が忠八を思う気持ちにも気づかされたんですな。

さてさて、愛のムードが高まってきた二人ですから、当然そういう事になっても良いわけですからそういう事になりました。

「ところで、忠八、お前、アレは持ってるんだろうね。私はできちゃったコンなんて嫌だよ」
純朴な忠八、ピンときません。「アレ、ですか?」
「コンで始まるヤツだよ」「コン・・・」「ああ、じれったいね。女のアタシに言わせるのかい。コ・ン・ド」「コンド」忠八、やっと解りました。「アッ、コンドミニアム!」

「バカーー!」

いやいや、夫婦になっても力関係は恐らく変わりませんな、この二人。それでも、その夜の内にムコ入りは無事済ませたようでございます。

まあ、とりあえず、コン!グラッチュレイション!ってとこですかな・・・お後が宜しいようで。

コンコンコココン、コンコココン、コココンコココン、コココンコン・・・

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2012年4月の音楽メーター

4月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:11枚
聴いた時間:117分
♪Marlena Shaw "California Soul" http://www.youtube.com/watch?v=2MMflNf-ocg

●タワーレコード熊本店の閉店からこの方、本格的なレコード店でCDを選ぶという行為から遠ざかっている。実際に購入する機会も激減。手元のCDを繰り返し聴いているが、それはそれで愉しい。
PlaylistPlaylist
元祖美メロ師だけに白人シンガーソングライター系への接近は納得。彼らしさも自然に出ている。結局彼のオリジナルの方がシックリ来るけどね。統一感はある。
聴いた日:04月24日 アーティスト:Babyface
Chess Soul SistersChess Soul Sisters
ノーザン・ダンサー系なのだが、チェスらしいブルース味が横溢。マリーナ・ショウの個性もイイね!
聴いた日:04月23日 アーティスト:Various Artists
Somebody Loan Me a DimeSomebody Loan Me a Dime
ポロポロとこぼれ落ちるようなギターの音粒が独特のシンコペイションを生んでいる。上ずり気味のヴォーカルにもマッチングしている。重要ブルースマンの一人。
聴いた日:04月22日 アーティスト:Fenton Robinson
Shades Of: The Chess Singles 1961-1968Shades Of: The Chess Singles 1961-1968
歌声で涙が流れる経験、そうそうあるもんじゃない。しかも何度も・・・一生愛すべき歌手。
聴いた日:04月20日 アーティスト:Mitty Collier
Let Freedom ReignLet Freedom Reign
一作ごとに微妙に表情を変えながらもオリジナリティーは保ち続けている。前作の王道振りが個人的には落ち着くのだが、本作の実験的ともいえる姿勢も聴き応え十分。許される限りの大音量でどうぞ!
聴いた日:04月19日 アーティスト:Chrisette Michele
Message in the MusicMessage in the Music
70年代ソウルのニオイぷんぷん。
聴いた日:04月19日 アーティスト:O'Jays
Go Go Power: Complete Chess Singles 1961-1966Go Go Power: Complete Chess Singles 1961-1966
この時代の歌手を聴くたびに、現代の歌手とのジャンプ力の差を痛感。エッタ・ジェイムスと声質が似ている為、デュエット曲はサム&デイブのような迫力!
聴いた日:04月17日 アーティスト:Sugar Pie DeSanto
オール・ナイト・ロング [初回限定盤] [解説/歌詞付き]オール・ナイト・ロング [初回限定盤] [解説/歌詞付き]
磐石なB・Bキングマナー。ザディコ調やカントリー調もさりげなくフィーチャー。
聴いた日:04月13日 アーティスト:バイザー・スミス
Lost in TimeLost in Time
聴いた日:04月12日 アーティスト:Eric Benet
Just the Facts / Complete Kayvette Recordings 1975Just the Facts / Complete Kayvette Recordings 1975
70年代ソウルの良心だ。曲も演奏も女性ヴォーカルも男性ヴォーカルも凄い。涙腺よりもハートに来るよ。
聴いた日:04月10日 アーティスト:Facts Of Life
Second ChanceSecond Chance
「セカンド・チャンス」ならぬ「セカンド・サクセス」だ。美しい曲を丹念に歌っている。ファルセット好きはしびれるよ!
聴いた日:04月09日 アーティスト:Debarge

わたしの音楽メーター
音楽メーター

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2012年4月の読書メーター

4月の読書メーター
読んだ本の数:1冊
読んだページ数:320ページ
読んでた本の数:1冊
積読本の数:3冊
読みたい本の数:4冊
●最近の個人的キイワードは「土着」かな。日本・海外を問わず伝統的な物、生活に密着した考え方、そして民俗的音楽に興味がある。時間軸とレア感覚が捉えるモノサシとなっている。
▼読んだ本
音盤時代の音楽の本の本音盤時代の音楽の本の本
音楽本というより、音楽感覚のある哲学本だ。
読了日:04月08日 著者:大谷能生,湯浅学,佐々木敦,高橋健太郎,杉本拓,高橋悠治,野田努,千葉優子,野村和孝,松永良平,松村正人,三田格,四方田犬彦,小田晶房,若尾裕,恩田晃,北沢夏音,岸野雄一,木村元,工藤冬里
▼読んでた本
日本流 (ちくま学芸文庫)日本流 (ちくま学芸文庫)
著者:松岡 正剛
▼積読本
夜の樹 (新潮文庫)夜の樹 (新潮文庫)
著者:トルーマン カポーティ
アメリカの黒人演説集―キング・マルコムX・モリスン他 (岩波文庫)アメリカの黒人演説集―キング・マルコムX・モリスン他 (岩波文庫)
著者:
高校生のための批評入門 (ちくま学芸文庫)高校生のための批評入門 (ちくま学芸文庫)
著者:
▼読みたい本
武満徹エッセイ選―言葉の海へ (ちくま学芸文庫)武満徹エッセイ選―言葉の海へ (ちくま学芸文庫)
著者:武満 徹
民衆という幻像: 渡辺京二コレクション2 民衆論 (渡辺京二コレクション(全2巻))民衆という幻像: 渡辺京二コレクション2 民衆論 (渡辺京二コレクション(全2巻))
著者:渡辺 京二
如何なる星の下に (講談社文芸文庫)如何なる星の下に (講談社文芸文庫)
著者:高見 順
宮本常一が見た日本宮本常一が見た日本
著者:佐野 眞一

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