« 2012年5月 | トップページ | 2012年7月 »

2012年6月

しじま遊び

●まるで自分の意見のように、他人の意見にしがみついている人ほど頑固だ。自分で考え抜いた意見を持っている人ほど、他人の意見に耳を傾ける。

●平安時代には「しじま遊び」というのがあった。しじま=静寂だろう。風の音や川のせせらぎ、動物や虫の声といった「自然音」に耳を傾ける遊びだそう。喋ったら負けだ。粋に徹するというのとも微妙に違う。人間が自然の一部である事を確認していたのでないか。

●ヨーロッパとかの石畳の舗道は、日本のアスファルトみたいに掘り返したりしないと聞いた覚えがある。作られた時のままに残されているのだろうか。毎日歩く道が、遠い昔からの物というのはどんな気持ちがするのかな。こういうのが本当の歴史ロマンだ。

●無理にでも笑顔を作れば、気持ちは上向きになる。

♪Ms Jody "The Spank"
http://www.youtube.com/watch?v=qziDPfK3f-I

| | コメント (0) | トラックバック (0)

血が滲む涙

51unkuu2bll__sx230_


●V.A.『ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム/ザ・ボイス・オブ・ブラック・アメリカ1963-1973』<エイス>(07)

http://ongakumeter.com/m/B000MMLMSA

緊張感が走るジャケットにも表現されているように、人種闘争をテーマに編纂された一枚。ソウル・ミュージックの他にフォーク系やポエトリー・リーディングが取り上げられているのも頷ける。ジャンルは異なっていても、各々はバラけてはいない。私はあまりポエトリー・リーディング的なものは聴かないのだが、違和感なく耳に入ってくるのは編集力の勝利だろう。また、テーマがテーマだけに堅苦しいイメージを抱きがちだが、エンターテイメント性も薄れていない。尚かつディープだ。

テンプテイションズ、スピナーズ、シャイ・ライツ、パーラメントといった、ある程度音世界が想像できるアーティスト達も、微妙に雰囲気が違う。しかし、内容は素晴らしい。同じ魂を共有しているからだろうか。人種闘争のコアな部分にも、“ブラックネス”は不可欠のはず。一流アーティストの彼らは、そのブラックネスを掬い取り、音楽をもって表現しているのではないだろうか。聴く側は自然に惹きつけられる。まったく、よく集めたものだ。
ホーマー・バンクスやスワンプ・ドッグも、持ち味を遺憾なく発揮している。彼らの素晴らしさを再認識。

最後に冒頭の曲を紹介するのも変な感じだが、オーティス・レディング「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」。サム・クックの有名曲だ。サムの歌声からは、勇気が伝わり、前方に明るい光さえ見えてくるよう。一方、元来何を歌っても哀しそうに聴こえるオーティスは、強い意志の向こうに、悲壮感が漂う感じ。サムのヴァージョンが、感動の温かい涙を誘うなら、オーティスの物は、血が滲む涙を連想させる。

いくら想像しても想像しきれない世界がそこにある。

♪Parliament "Oh Lord, Why Lord"
http://www.youtube.com/watch?v=sDE9QZ4YLoc

♪Swamp Dogg "I Was Born Blue"
http://www.youtube.com/watch?v=ehVFP6PDRzI

♪Otis Redding "A Change Is Gonna Come"
http://www.youtube.com/watch?v=yyhL0ioST_U

♪Nina Simone "To Be Young, Gifted and Black"
http://www.youtube.com/watch?v=h3OIfuVpocU

| | コメント (0) | トラックバック (0)

雨と泥

●最近の天候の特徴か、雨も、降り出すと徹底的に降り続けるようだ。屋外に出る仕事なので、雨は煩わしい。ある程度の降りなら濡れるに任せている。大学時代はラグビーをやっていて、ご存知のように、どんな悪天候でも試合をやる。一度ぬかるみに身体を預けると、どうでも良くなるというか、泥んこ遊びみたいで、逆に楽しくなる。泥が目に入ったり、色んな所にこびりついたり、雨に降られて普段より体力も消耗するのだが、テンションは高かった。あの体験は懐かしい。

●仕事で移動中、田植えの風景をよく見かける。周りの風景が映り込むような水田に、緑の苗が均等に植えられていく。何気ない風景だが和む。田んぼのぬかるみに足を入れた時の、独特の触感も思い起こされた。日本人ならではのDNAか。

♪Babyface "Fire and Rain"
http://www.youtube.com/watch?v=_7oco_T7JrU

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第2章

●就活中の我が家のお嬢様は、いまだ内定取れず。残念なお知らせが来る度に、不機嫌モードだ。さすがのヨメさんも腫れ物に触るように気を遣っている(時々、否、しばしばキレるが)。私は、なるようにしかならないと思っているし、女の子だから一生の仕事という訳でもなかろうからと、呑気に構えている。それでまた、ヨメさんカリカリ。

●娘が企業研修でお世話になったF病院等、病院の事務関係の求人が今後増えるらしく、期待しているようだ。幸福を呼ぶと言われるエケコ人形も購入し、いろんな意味で新たな挑戦を始めたようだ。

http://ekeko2.com/

●私の仕事も新しい局面を迎えている。一応組織のリーダーとして、改善事項にも取り組んでいる。一つずつ潰していくのはやり甲斐はある。昼休みは仕事を離れ、メールや投稿の下書きに頭を集中するのが良い気分転換になっていると思う。通勤時の音楽も。仕事ばっかりとか遊びばっかりでは脳ミソが硬直してしまうだろうからね。

♪Joe Tex "Hold On What You've Got"
http://www.youtube.com/watch?v=UzHK5VApBbU

| | コメント (0) | トラックバック (0)

米原万里著『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か?』(新潮文庫)

Fu_2


通訳業に携わる者の悲喜こもごもを描いたエッセイ、という定義は入り口にしか過ぎない。「通訳」の構造や実施要領を述べた通訳論は素人にも理解しやすいし、そのおかげで、もっと大きなテーマを把握出来た。

特に印象に残ったテーマ(通訳業の背景にあるもの)が2つある。ひとつは、通訳とは言葉を別の言葉に換えるだけでなく、相手国の文化や歴史的背景からスピーカーの個性(性格)まで念頭に置かなければならない事。その上で、請け負った仕事の内容に沿った専門用語を、一夜漬け的に習得する。生半可な根性では務まらない職業である。

もうひとつは、第一点とリンクする部分もあるが…。通訳というと、人が何を言っているかを正確に伝える事が第一義だと考えがち。つまりスピーカーそのものになり切るのが理想形と思いがちだ。だがスピーカーが完璧に喋れるとは限らない。喋った事の中で不必要な部分は削り、論点を明確化し、受け手側が理解し易い形に通訳する。つまり、通訳する人達の一段上の次元に立つ事が理想なのだ。語学力だけでなく、創造力が必須とも言える。

以上2点の他にも、感心する事しきりな話題が盛りだくさん。しかも、失敗談やユーモアで彩られているので、とてもヒューマンタッチに溢れている。

ふと気が付くと、本書で述べられているのは、何も通訳業の話だけではない。社会で他人と交わる場合の、気持ちを受け取る事や気持ちを伝える事の重要性を教えて下さっているんだと気付く。

遊びでやる「伝言ゲーム」は、正確に伝える事だけに集中し過ぎるから伝わらないんだろうな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

わずかな憂鬱

●指の傷口が閉じた。とはいえ、物に当たると痛いので、気持ち的にはスッキリとしない。しかし、考えてみれば、こういう「気に掛かる事」っていつも少なからず存在しているんではないだろうか?身体の不調とかばかりでなく、心配事とか悩み事とか・・・。しかも、何らかの問題を抱えていた方が人間的には成長できる気がする。すぐにキレたり、自分勝手な行動に走るような輩は、自分の目前に来た懸案事項から目を逸らそうとしたり、強引に押し切ろうとするから悲劇を生むという一面もあるだろう。

●演劇をやっている人と飲む機会が、昔あった。その人曰く、人通りの多い所で、通り過ぎる人たちを見ていると、人の歩き方も様々で人間観察になるよ・・・。一理ある。しかし、今はどうだろう。携帯やスマホに目を落としながら歩く、ひとつの形。観察しがいのない決まりきった姿。

●さだまさしが以前言っていた。「人生は苦しいものだというのを前提にしなければいけない」。

●寅さんに、甥っ子の満男が「人は何の為に生きるの?」と質問。寅さん「誰にだって、あぁ、生きてて良かったと思う事が何回かあるだろ。その時の為に生きてるんじゃないの?」

♪Nip Roman "Darling I Need You"
http://www.youtube.com/watch?v=7R2kBXL_tkM

| | コメント (0) | トラックバック (0)

フラッシュ・レコーズ・ストーリー

51dr1b10ql__sx230_


●V.A.『ザ・フラッシュ・レコーズ・ストーリー』<エイス>(11)2CD

http://diskunion.net/black/ct/detail/53C110810702

<フラッシュ>は、55年、チャーリー・レイノルズなる人物によって、ロスアンゼルスに設立されている。活動期間は59年まで。本盤は1枚当たり30曲、合計60曲収録されており、当レーベルの歴史の全てが収められている。ブルース、リズム&ブルース、ドゥーワップ、ジャンプ・ブルースと形態は様々だが、各曲には共通した雰囲気が感じ取れる。ずばり言い当てる言葉が中々浮かばないが、とにかく熱量の多さを感じる。エネルギッシュなのだ。ざわめくような演奏は、そのまま心のざわめきに直結している。そして、得もいわれぬ親近感にも溢れている。

曲としての体裁よりは、まずは思いを伝えたいという気持ちが先んじている感じだ。しかし、演奏技術が雑という訳でもない。ギターは無駄なく転がる。ホーンはキレよりも粘りを感じる(時代的な部分もあるだろう)。ベースは全体的に太めで腹に来る。歌唱も、ずば抜けてはいないが、味がある。コーラス系は今ひとつかな?

不滅のウォーキン・ベースが主体なのも一因だろうが、黒人音楽が洗練される寸前の、いなたく楽しい音世界が存分に味わえる所に本盤の魅力がある。ジャンプ・ブルース、ルーラル・ブルースやストーンズが好きな人は、特に気に入るかと。

♪ Sheryl Crowley & Lorenzo Holden's Orch. "It Ain't To Play With"
http://www.youtube.com/watch?v=-5liknRNbXw

♪Sidney Maiden "Everything Is Wrong"
http://www.youtube.com/watch?v=1cBmHvL11BE

♪Haskell Sadler "Do Right Mind"
http://www.youtube.com/watch?v=0kZ2r7UsuzA

♪The Jayhawks "Counting My Teardrops"
http://www.youtube.com/watch?v=D1UXBgnmj10

♪Gus Jenkins And Orchestra "Slow down"
http://www.youtube.com/watch?v=6uFvH96YgPI

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ゆーじゅーふだん

●図書カードを持っていた事もあり2冊購入。深沢七郎『みちのくの人形たち』<中公文庫>。藤原新也『コスモスの影にはいつも誰かが隠れている』<河出文庫>。藤原さんは写真家としても著名だが、文章は画像的ではないと思う。言葉というか文字の力で文章を構築しているかと。行間もあまりない。ただ、この本は画像的な予感がする。立ち読みしてこれまでと違う感覚だったので購入。深沢さんは、世捨て人的なイメージがあるが、人間に対する温かい目線は感じる。シビアだけどハートウォーミングでユーモラス、そして何よりピュアである。
http://book.akahoshitakuya.com/b/4309411533?from=history_...

http://book.akahoshitakuya.com/b/4122056446

●優柔不断が私の代名詞のようなもの。決断を下そうとすると、反対の考えが頭に浮かんだりして行動の妨げになる。今回小さい組織のリーダーを命ぜられ、以前にもリーダー格は経験があるが、とりあえず行動を先にしようとは心がけている。ただ常に行動を振り返り、足りないと思う部分を補足したり、自分なりに周囲に気を遣ってはいる。結構「立場」というのは気持ちを動かす。

♪The Persuaders "Thin Line between Love & Hate"
http://www.youtube.com/watch?v=ULuHJgCos7A

| | コメント (0) | トラックバック (0)

情けない話

●昨日、ある人に仕事上気になる事をちょっとクド目に指摘したら、興奮が完全に治まっていなかったのか、左手の人差し指を会社の車の扉に強烈に挟んでしまった。出血して指の表に窪みもできたが、骨が折れたりはせず大事には至らなかった。いまだにリバテープ(全国的にはバンドエイドか)の内側に血が滲んでいるが傷はくっ付き始めている。情けない。指の痛みより、冷静さを欠いた自分が情けない。いまだに気分は少々沈み気味である。土日は買いたいCDをセレクトしようと思っていたが、今のところあまり気分が乗ってこない。

●仕事が夕方に終わるようになってから、夕飯をガッツリ食べるようになった。おまけに通勤も車なので、この上ない運動不足だ。せめてもの解消に、駐車場の近くを15~20分ぐらい歩いて帰ろうかと思っているが、最近天気が悪く、まだ一回しか実行していない。

●米原万理著『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』。ロシア語通訳者として著名な米原さんの「通訳」にまつわる全方位的コラム。通訳を職業とする場合、まずは母国語を正確に美しく話せる事だと。たまに「子供を国際人に育てるため我が家では英語でしか会話しませんのよ。おほほほほ」とかいう日本人家族の話を聞くが、これは間違い。日本人は日本語で思考するように出来ているのであって、正しい日本語を使えなければ正しい国際人にもなれないという事だ。何事も「かぶれ」気味の日本人、まずは自分の立ち位置を知れという事だろう。

♪Sidney Maiden "Everything Is Wrong"
http://www.youtube.com/watch?v=1cBmHvL11BE

| | コメント (0) | トラックバック (0)

生まれ変わるとしたら

●「生まれ変わったらアンタとは結婚しない!」とはヨメさんの弁。同じ言葉をヨメさんに返したら、大変な逆襲を受けるのはいくら鈍感な私でも判る。それはともかく、どんな風に生まれ変わりたいかと聞かれれば、今の自分の半生の中で愉しんで来た音楽を、少し違う角度から捉えられる人生を望む。楽器の演奏が出来る、プレイヤー兼リスナーの立場を体験したいのだ。楽器の演奏なら今からでも頑張れば習得出来るかも知れないが、単に演奏したい訳ではない。十代ぐらいから演奏出来る立場での音楽との付き合い方に憧れがあるのだ。いずれにしても、今の自分を刷新するような生まれ変わり方ではなく、音楽に感化された部分はそのままに、微妙に変化してみたいという発想だ。

●ブログに何回か書いたが、ジェイムス・ブラウンの「イッツ・ア・マンズ・マンズ・マンズ・ワールド」という曲が好きだ。この世が男性優位社会である例を次々と上げていきながら、最後に「でも男を産んだのは女だよ」と落とす。もちろん男性の協力は必要だが、生命を誕生させるのは女性だ。また、母でなくても女性は逞しいし、腹の括り方が見事だ。男性優位社会で生きる為の覚悟かも知れないし、元々女性に備わっている能力かも知れない。生まれ変わるなら男と女のどちらが良いかという問いには即答する。男だ。女性を異性として、届かない存在として、憧れたり、恋い焦がれたり、接していった方が断然面白い。

♪James Brown "It's A Man's Man's Man's World"
http://www.youtube.com/watch?v=IwuO2dfqrF4

| | コメント (0) | トラックバック (0)

とさつば

●私の実家の近くに屠殺場が数箇所ある。食肉加工会社というべきか。今も屠殺を請け負っているのかはっきりと知らないが、昔はやっていた。小学校の同級生の家もあったので、訪れたこともある。子供の頭の中では「とさつば」という言葉が漢字に転換されにくいが、「殺」という文字が入っているのは、子供心に恐怖心を植えつけるに十分だった。人間が食生活を送る上で必要な作業だというのが解るにはもう少し時間が必要だった。ところで、食肉に変わる動物達を考えると、死んでから評価されるようなものだな。食べる側は、真摯に評価するしかない。「殺」の重みは忘れてはならない。

●昔から「寄り道」が好きだ。目移りもよくする。運転適正診断みたいなヤツで、「脇見運転に注意」という結果が出た事もある。モノの考え方も「寄り道」気味だった。あまり一つの事に拘り続けるようなタイプではないが、どうも年齢を重ねてくると、変化が面倒なのか若干拘り過ぎな面も増えてきた。運転中はダメだけど、考えや興味はもっと寄り道した方が良いかなとも思う。

♪Clarence Carter "Too Weak To Fight"
http://www.youtube.com/watch?v=WVDSKaua0_U

| | コメント (0) | トラックバック (0)

【創作】PEACE(5)

♪前回まで
http://hajibura-se.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-ca...

「アルズ・ガレージ」の作業場は、個人経営の整備工場らしく、こじんまりとしている。ピットは2台分で、ベテラン作業員が2名、あうんの呼吸で日々の仕事をさばいていた。店主アルの厚意だけで働かせてもらっているピースは、清掃や、作業の手伝い、アルが事務所に居ない間は電話番などと、それなりに忙しく立ち働いていた。

外へ出る事もある。アルの兄が経営するレンタカー屋へ届け物を運ぶ時が多い。見た目がポンコツな割りにはよく走る、黄色いピックアップトラック。皆から「イエロー」と呼ばれている車を使って20分ほどの道のりだ。イエローは、ほとんどピースが専属で使っているようなものだった。使い走りの後アパートまで乗って帰ることもある。

その日もアルに頼まれて、小さな荷物を届ける事になった。ピースがイエローを運転する時に、好きな音楽が聴けるのも愉しみな事だ。常時20本近くカセットテープを載せている。乗車すると、暫くラベルを眺めてから、一本取り出しカーステレオに吸い込ませた。

ドン・ブライアントの、問答無用な乗りに引っ張られて快適にスタートした。
やや賑わいのある並木通りに差し掛かった。片側一車線の路面に、繁った葉が影を落とし斑模様になっていた。一定の速度で走る事で、影がリズミカルに車体を撫でて行く。

反対側の舗道に、鮮やかなオレンジ色のワンピース姿が見えた。この界隈であれだけ派手な色を着こなせるのはただひとり。ローラだ。ローラは俯きかげんながら、やや早足で歩いていた。並びそうになったので声を掛けようとした時、彼女の隣にスリムな女性がいるのに気が付いた。

軽くソバージュを掛けた肩までの髪。肌の色はブラウンで、タマゴ型の輪郭。目鼻口が小さく大人しめの顔立ちだ。ローラの方を向きながら話しているので歩きにくいらしく、時々、歩みを調節していた。そのやり方がスマートで、リズム感のある女性である事を窺わせた。彼女はローラに向かって懸命に何かを訴えていたようすだ。文句を付けるのではなく懇願している感じだった。ピースは声を掛けそびれ、ミラーで二人の姿をチラチラ見ながら進行していった。

その夜、ジョーに、ローラと知らない女性を見かけた話をしようと「シルキーソウル」の扉を開けると、その二人がカウンター席に座っていた。

(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

恋と愛

恋はひとりの相手に向ける。愛は多くの人に向ける。
恋は性別が限定される。愛は性別を超える。
恋は自分の為。愛は相手の為。

恋はレモンジュース。愛はホットココア。

恋はキス。愛はハグ。

恋は切なさ。愛は安らぎ。

恋にはスイッチが必要。愛は自然体。

恋は想像力。愛は実行力。

恋は大人を少年少女に変える。愛は少年少女を大人に変える。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

回転寿司伝説

●今週は久しぶりの仕事となった一週間だった。以前とは時間のパターンも変わったので、最初はスロースタート気味。しかし、徐々にペースを取り戻す。前職種と違って帰宅が早くなったのは嬉しい。疲れも堪らない。何だか早く感じた一週間。

●熊本にも回転寿司屋が増えた。色んな人から、どこそこが美味しいとかどこそこが不味いとか聞く。試しに行ってみると、話が違うなあと思う事がままある。また、自分自身の事を考えても「おお、ココは最高だ」と決め切れない部分がある。つまり似たり寄ったりだ。でも、好意的に捉えられる似たり寄ったりだけどね。旨い寿司を食べようと思ったら回転しない寿司屋の方が間違いない。でも、安い価格でファミリー向けで、少しでも高級感に近付く寿司を提供しようとする姿勢は好きだ。職人の伝統を大事にするのもニッポン。色んな物を組み合わせ、新しい物を創り出すのもニッポン的なんだよね。

♪Dinah Washington "Teach Me Tonight"
http://www.youtube.com/watch?v=emkqc3PIw8E

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月の読書メーター

5月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:866ページ
読んでた本の数:3冊
積読本の数:1冊

▼読んだ本
日本語の文法を考える (岩波新書 黄版 53)日本語の文法を考える (岩波新書 黄版 53)
日本語を、時間と空間だけでなく、文化・風習、外国との比較という多彩な側面から説明してある。但し、詳細な説明は素人にはピンと来にくい。大学で勉強している人たちが大いに役に立つと思われる。でも、大野さんの本、もう少し読んでみたい。
読了日:05月26日 著者:大野 晋
日本流 (ちくま学芸文庫)日本流 (ちくま学芸文庫)
多様で一途な日本・・・簡単には解釈できない言葉だ。日本らしさを考える時、ついつい和風で情緒のあるものだけを取り上げがちだけど、正剛さんはもう一歩深く踏み込んでいる。この本から繋がっていく世界が随分ある。そこも含めて今度は読者、そして日本人が踏み込む番だ。
読了日:05月20日 著者:松岡 正剛
思考練習―知的生活を楽しむ読書作法 (三一新書)思考練習―知的生活を楽しむ読書作法 (三一新書)
少し難しい部分もあったけど、ものの考え方について丁寧に説明してある。理念を抽象的に考えず、自分の人生に照らし合わせる。そしてキイワードをあぶり出す。
読了日:05月05日 著者:鷲田 小彌太
▼読んでた本
マイケル・ジャクソン (講談社現代新書)マイケル・ジャクソン (講談社現代新書)
著者:西寺 郷太
日本語の文法を考える (岩波新書 黄版 53)日本語の文法を考える (岩波新書 黄版 53)
著者:大野 晋
不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)
著者:米原 万里
▼積読本
THE DIG presents アトランティック・レコード R&B/ソウル (シンコー・ミュージックMOOK)THE DIG presents アトランティック・レコード R&B/ソウル (シンコー・ミュージックMOOK)
著者:ザ・ディグ編集部

読書メーター

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月の音楽メーター

5月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:8枚
聴いた時間:117分

Flash Records StoryFlash Records Story
ジャンクでパンクな痛快黒々音楽。
聴いた日:05月28日 アーティスト:Flash Records Story
Experience: Jill ScottExperience: Jill Scott
購入済み
エリカ・バドゥとジル・スコットは私にとって鬼門だ。ちょうどエリカのライブが好きなように、このライブ盤も最高!どの曲が特に好きとかではなく全体を漂うグルーヴと腰の据わった歌唱力に脱帽の体。Disc2は私にとっては実験的過ぎる。ネオソウル好きは好むでしょう。
聴いた日:05月15日 アーティスト:Jill Scott
Woman I AmWoman I Am
購入済み
曲のレベルも高い。シャカの歌唱も伸びやか。私個人的にはプログラミング・サウンドが苦手。
聴いた日:05月11日 アーティスト:Chaka Khan
Definitive CollectionDefinitive Collection
購入済み
個人的にはタイト過ぎる。もう少し「揺れ」がほしい。バラードがむしろ良かったりする。
私の耳は節穴だった。中盤までの怒涛のファンク曲群はグリッティーさには欠けるがスマート。特にデビュー曲「ユー・アンド・アイ」は不朽の名作。最初にこれを出したら後はキツイのも事実。
聴いた日:05月09日 アーティスト:Rick James
ラヴ・ストーリーズラヴ・ストーリーズ
購入済み
ジェントルマンのラブソング集
聴いた日:05月07日 アーティスト:ゴードン・チェンバース,レディシ
Denials Delusions & DecisionsDenials Delusions & Decisions
全体の完成度は今ひとつだが、とても明るく余裕のある歌いっぷりはgood!
聴いた日:05月04日 アーティスト:Jaguar Wright
Greatest Hits & Rare ClassicsGreatest Hits & Rare Classics
まだ黄金の(あるいはベルトコンベヤー的な)モータウンサウンドがそんなに感じられないのが、彼女にとってはプラスになっている。
聴いた日:05月03日 アーティスト:Kim Weston
Essential CollectionEssential Collection
本番の最後に収録されているマーヴィン・ゲイとのデュエット曲の熱唱を超えるものはない。モータウンは女性陣をみんな同じ型に嵌めようとする傾向もあり、そこから抜け出ている女性シンガーが却って魅力的だ。タミーのソロ作は残念ながら・・・。
聴いた日:05月01日 アーティスト:Tammi Terrell

わたしの音楽メーター
音楽メーター

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年5月 | トップページ | 2012年7月 »