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自然な一体感が生み出す黒い空間

●ハワード・テイト『ハワード・テイト』<アトランティック>(72)

http://diskunion.net/black/ct/detail/XAT-1245574816

http://diskunion.net/black/ct/news/article/4/32268

2期分も発売となった、<アトランティック>の再発シリーズ。初CD化の物も含め、1,000円という低価格が嬉しい。

私が品定めした蔦屋書店三年坂店のCDコーナーは、バーコード読み取り式の試聴器があるので、あれこれと愉しめた。中でも、本盤の、ハワードのハイトーン・ヴォイスには強く惹かれ、まずはこの一枚、と購入決定した。

魅力は歌唱だけではない。熟練の演奏陣にも注目!あらゆる楽器が丹念にプレイされ、和を乱す事がない。ヴォーカルも含め、各々が各々と過不足なく絡み、心地好い音世界を創り上げている。たまらなく黒い空間だ。

黒人音楽ファンは、個人的嗜好はあるものの、みんな、この黒い空間を愛している。いわゆる「この音、黒いね」というヤツ。

本盤の音世界に関わっている人物としては、<アトランティック>の名プロデューサーの一人、ジェリー・ラゴヴォイの名も上げておかなければならない。

ジェリーとハワードのタッグは、67年の<ヴァーヴ>デビュー当初から2003年の“再発見”まで連綿と続いている。ハワードをジェリーに紹介したのは、アーリー・ソウル期の重要人物の一人、ガーネット・ミムズ。ガーネットとハワードは同じゴスペルグループに所属していた。実力を十二分に把握していたのだろう。

さて、全体のサウンドだが、どちらかと言えば、ソウルというよりブルース感覚が強い。高地明さんのライナーによると、“ファンキー・ブルース”の元祖とも言えるとの事。フレディー・キングがこのアルバムから2曲カバーしているのも頷ける話だ。

ファンキー・タッチのブルースでハイトーン・ヴォイスと言えば、私の大好きなテッド・テイラーを思い出す。テッドは、キメ所でいっぱいいっぱい引っ張る感じだが、ハワードはもっと円やかだ。なので、演奏陣とも自然に融合する感覚が強いのかも知れない。

♪"8 Days On The Road"
http://www.youtube.com/watch?v=qfRkACy2GUM

♪"Girl From The North Country"
http://www.youtube.com/watch?v=CcbgIZ9C-DQ

♪"The Bitter End"
http://www.youtube.com/watch?v=K-l62pQSe2E

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