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書店にて

●書棚の脇に椅子が置いてある。私と同じ50代ぐらいの男性が、座って本を読んでいた。左手で左側方の髪を掻き上げている。それは、大学時代の悪友がよくやっていた仕草だ。彼とは、ストーンズの初来日ライブを観に行って以来会っていない(はず)。顔が下向きなので判別がつかない。似ている気もする。覗き込むわけにもいかないのでその場を離れる。

●彼は別の県に住んでいる。書店は郊外なので、旅行者が立ち寄るような場所ではない。もし、何らかの理由で熊本に住んでいるのなら、連絡してくるはずだ。別人だろうと結論付け、本を見て回る。それでも、もし、悪友であって、バッタリと遭遇し顔を見合せたら、どんな態度を取るべきだろうかなどと妄想する。さっき、あっち側で見たよと言うべきかとか、その時手にしていたライジング・サンズのアルバムを、アイツなら気に入りそうだと思ったりとか・・・。

●うろうろ回っていたら、当の男性が本を選んでいた。別人だった・・・それが、現実的な結末ではある。いや、結末ではなく局面か。友達を思い出したり、久々に会ったらどんな感じだろうと想像したりする事で心が温かくなる。そこが重要な気がする。もちろん、会うに越したことはない。でも、もし、これから先、彼に会う事がないとしても、心には残り続けている。現実は単なる事象ではない。だから人生は面白い。

♪The Rolling Stones "Waiting On A Friend"

http://www.youtube.com/watch?v=MKLVmBOOqVU

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