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人生はそんなに不公平じゃない

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●浅田次郎著『世の中そんなに不公平じゃない~最初で最後の人生相談』<集英社>(13)

『週刊プレイボーイ』の人気企画を単行本化したもの。編集者との掛け合い形式で展開する為、読み易い。

相談はさまざまだ。しかし、概して、深刻なものは少ない。週刊誌への投稿なので時代性も透けて見える。豊かな社会に於いては人の悩みも贅沢なものなのだろうか。

「コイツは一体何だ!」と、中には浅田さんも閉口する様子が窺える悩みもある。しかしそれでも真摯に応えておられる。問題は、質問者が自分の行動や思いのオカシイ部分に気付くかどうかだが、少なくとも読者には届く。本書のタイトルは「世の中そんなに不公平じゃない」だが、裏を返すと、人生を公平なものと捉えきれるかどうかだ。自分は偉いとか、自分はダメな人間だとかいった考えは意識や態度が公平でないという事。これが一番大事だ。

人生相談とは、他人の悩みをダシに、真理や正論、倫理を知る場ではないかと思う。相談者だけでなく、読者の目からもウロコが落ちる。人生相談の場が、昔から無くならない訳は、「他人の不幸は蜜の味」という下世話な興味を掻き立てるからだけではないだろう。上手く使えば、学校教育の場でも活用出来るかと。

回答者には、常識を押さえ、遊び心もあり、簡潔明瞭に直言出来る人が相応しい。本書を読みながら、正に浅田次郎さん適任だなと思った。   

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コメント

昔、今東光や柴田錬三郎が「週間プレイボーイ」の人生相談をやっていて、中学生の僕は面白く読んだ覚えが有ります。

僕自身は、余り人に悩みを相談するタイプではないのですが、人の悩みを読むのは面白いですね。

人の悩みは時々聞いてあげてたりしましたが、それでその人がフラストレーションを発散出来るならと思って、聞いてました。いくらか助言めいたことも言いましたが、得てして、相手は余り助言には従わないものだとも思いました。
実は、彼や彼女は、相談する前に既に自分自身で答えを持ってたんじゃないかな、と思います。

投稿: おぎてつ | 2013年11月27日 (水) 04時26分

相談者というのは、何か「ひと押し」がほしいんでしょうね。私も、ああ、この人は聞いてあげるだけで良いんだなあと思ったことが多々あります。

投稿: k.m.joe | 2013年11月30日 (土) 15時19分

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