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2014年2月

無料配布の収穫

16日に、熊本県立図書館で、恒例の書籍の無料配布が行われた。年々数が減っていくのは残念だが、選ぶ時間が少なくて済むとも解釈できる。内容は以下の通り。

♪マックス・A・コリンズ著『プライベート・ライアン』 (新潮文庫)

http://book.akahoshitakuya.com/b/4102435026

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♪トマス・H・クック著『心の砕ける音』 (文春文庫)

http://book.akahoshitakuya.com/b/4167527847

♪吉行淳之介著『菓子祭』 (角川文庫)

http://book.akahoshitakuya.com/b/4041250293

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♪竹内久美子著『男と女の進化論―すべては勘違いから始まった』 (新潮文庫)

http://book.akahoshitakuya.com/b/410123812X

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♪藤原新也著『ディングルの入江』 (集英社文庫)

http://book.akahoshitakuya.com/b/4087473856

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♪エース・アトキンス著『クロスロード・ブルース』 (角川文庫)

http://book.akahoshitakuya.com/b/4042869017

♪佐伯一麦著『ア・ルース・ボーイ』(新潮社)

http://book.akahoshitakuya.com/b/4103814012


♪安斎美樹著『ピエロの舌』(三一書房)

http://book.akahoshitakuya.com/b/4380002128

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♪上野哲也著『雨を見たかい』(講談社)

http://book.akahoshitakuya.com/b/4062107058

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♪イエルーン・ブラウワーズ著『うわずみの赤』(水声社)

http://book.akahoshitakuya.com/b/4891764376

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♪マルグリット・デュラス著『あつかましき人々』(河出書房新社)

http://book.akahoshitakuya.com/b/430920242X

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【創作】今日子(3)

♪前回分まで

http://hajibura-se.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-8fb5.html

月曜日は曇っていた。まるで、墨が滲んで広がったような、もの悲しい気分になる空だった。僕は、どこも悪くないんだけど、かすかな胸のつまりを、朝起きた時から感じ続けていた。いや、正確に言えば、金曜日に今日子の家を出てからずっとだ。

今日子は、これまでも度々休んでいたし、担任の先生も特別な事は言わなかった。当然ながら、クラスの皆も、いつものように明るく振る舞っていた。

「どうした?腹でも痛いか?」と山倉が聞いてきたくらいだから、僕の様子は変だったのかも知れない。「いや、眠い」と適当に応えて、取り止めもない話をする内に、僕の気持ちも少しは晴れていった。でも、心の奥の曇り空は、分厚くはびこっていた。

その後、今日子は更に休み続けた。さすがに、クラスの誰もが気にし出し始めた。天気は日を追うごとに晴れていったが、クラスの雰囲気は、徐々に、翳りの中に封じ込まれていった

日曜日。外に出掛ける気にもなれず、昼飯の後にCDを次々と聴いていた。棚に並んだCDの上に載せたままの黄色い袋は、常に視界に入っていた。

いつになったら返せるだろうと考えていたら、山倉から電話が入った。あんなに沈んだアイツの声は、後にも先にも聞いた事がない。僕も全身の力が抜けた。身体が溶けて床に流れていくようだった。

今日子の死。とても重い事実なのに、現実として気持ちに入って来ない。予感していた事が実際に起きたのに、まだ予感の中に居続けようとしている自分が意識出来た。

葬儀の日・・・クラスメイト達の列は、今日子が眠る棺へと淡々と進んでいた。棺の脇には、白い布を底に敷いた長方形の箱が置いてあり、皆がそこに今日子からの“預り物”を返していた。誰が言い出したのかは憶えていないが、僕にも事前に連絡があった。

ぬいぐるみ、ペンケース、手帳、本、・・・男子も女子も、皆、何かしら手にしていた。僕も例のCDを持って来ていた。

すすり泣く者もいたが、だいたいにおいて、皆冷静だった。悲しみよりも、今日子にお礼を言いたい気持ちが先に立っていたんじゃないだろうか・・・。

棺の中の今日子は、ひと回り小さく見えた。縮んだ感じだ。いつもの眼鏡を掛けていたが、いつもの笑顔はなく、ひっそりと目を閉じていた。

僕は、遺体を見るのは初めてだった。まるで生きているようだと言う人もいるが、あれは嘘だ。少なくとも今日子には当てはまらない。棺の中に眠る今日子、いや、眠ってもいない、横たわっている今日子は、生きている今日子と全然違う。

彼女の時間は止まった。僕達の時間は動いている。難しい理屈は組み立て切れないが、今日子の時間を僕達はこれからも共有できる気がしていた。そうしたかった。

僕達が生きる事は、今日子が生きる事でもあるんだ。

(つづく)   

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2月8日~9日

●娘が財布を買ってくれた。

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●イオン熊本内の、蔦屋書店嘉島店にてレンタル。三年坂店に比べ数が少なくブルースのコーナーもないが、5枚(セット)借りる。

●マーヴィン・ゲイ『レッツ・ゲット・イット・オン(デラックス・エディション)』・・・同シリーズの『ホワッツ・ゴーイン・オン』版とはコンセプトが違うようだ。特に興味を惹いたのは、オリジナルズとモニターズのヴァージョンと、インストのヴァージョンが多く入っている点。マーヴィンの歌唱は言わずもがなですから。

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●シル・ジョンソン『ダイアモンド・イン・ザ・ラフ』。顔は泥臭いけど、音世界はタイトでスタイリッシュだ。

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●キャプテン・ビーフハート『トラウト・マスク・レプリカ』。フランク・ザッパに興味が出て来たので、その前哨戦。デルタ・ブルースとフリー・ジャズの邂逅って・・・。

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●フリートウッド・マック『イングリッシュ・ローズ』。ピーター・グリーン好きです。


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●マイルス・デイヴィス『ビッチェズ・ブリュー』。選択肢が少ない場合、こういうのに手が出る。とはいえ、マイルスには興味有り。

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2月1日~6日

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●昨年末の超多忙状態から、年が明けて少しは落ち着いた。2月はどうなる事だろうか。と思っていたら、1日(土)に早速呼び出し。軽くジャブ。

●煩わしい事柄は次々と訪れる。仕事で、やや重量がある物を主に左手で持っているが、最近左腕がだるかったり痛かったりする。マッサージをするが、さほど改善しない。それでも少しずつは具合いが良くなっているので、ボチボチと様子を見ていく。

●娘は久しぶりにバイトに通い出す。以前、お世話になっていた場所なので、即決とか。ただ、今度は初体験のレジ打ちとなる。周囲が優しくフォローして下さっているご様子で、滑り出しはまずまず?

●我が家の予定が一部決まる。4月初めから、10年に一度の3週間の休暇を取る予定だが、冒頭、福岡2泊3日が決定。ジャニヲタ妻娘が応募していたライブが2日連続で当たったそうだ。私は勿論・・・。

●諸般の事情で、深夜までの勤務の次の日に早朝出勤。50の坂を転げ落ちているオッサンには、4時間睡眠はキツイ。運転時の気合い注入はクラレンス・カーターの<フェイム>シングル・コレクション第2弾。まだ一聴しかしてないが、第1集に比べ、声を張り上げているような。メリハリが弱い曲が多いので、歌声の迫力で乗り切ろうとしている感じだ。ただし、後半の「マザー・イン・ロウ」に繋がる流れは、リズム&ブルース的で、無理なく軽快だ。

♪CLARENCE CARTER "mother in law"

http://www.youtube.com/watch?v=MmSaAsamlAk

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余分な力の抜けた力作

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●ボブ・ディラン『タイム・アウト・オブ・マインド』<コロムビア>(97)

http://www.bobdylan.com/us/home#us/music/time-out-of-mind...

アルバム冒頭から、個性的なダミ声に引き込まれる。特に1曲目は、慣れさせようとするかのように響く。ダミ声とはいえ、ハウリン・ウルフみたいなハードさも、トム・ウェイツみたいなクドさもない。スイスイ気持ちの中に入り、そっと苦味を置いていくような味わいがある。

サウンドも、淡々としているようで、独特の雰囲気(音の風景)を持つ。プロデューサーは相性の良いダニエル・ラノワ。プランの段階から、二人で徹底して音創りを進めたようだ。ある時は、ベーシストのみ固定し、二つのバンドを同時に演奏させたりも。しかも、各自の得意楽器でない物に当たらせたとか。またある時は、ブルース・ギタリストにブルースを封印させる等。これらは決して“実験”ではなく、二人の頭の中には、効果のほどが想定内としてあったと思う。

楽器のプレイヤーでもなく、音楽関係の仕事をしている訳でもない、凡人の私にその意図は読めない。ただ、こういう事をやると、ミュージシャンの刺激になり、各自の才能の原点、テクニック以前の地点に立ち返るような気がする。

結果的に出て来た音の、何と自然な事。まるで、川の流れや風のそよぎのようだ。痒い所に手が届く音という表現はよく聞くが、本盤の演奏は身体中撫でられて、自分の気付かなかった痒みを見つけて貰っているような感覚だろうか。統一感と、自由なインプロヴィゼイションが共存している。

  一度は、新曲は書かないと表明していたディラン。ツアーを重ねる内、ファン層に若い世代が増えてきたので、また曲を書こうと決意したそう。そして、生まれたのが、傑作の誉れ高い本盤。普通は気合いが入りそうなシチュエイションだが、この自然体。しかも新しい試みも成されている・・・。

ボブ・ディランはどう在るべきか、時代の様相や人々の想いにどう関わるべきか。そこを解っていて作品を創り上げるところが一番凄い。

♪"Not Dark Yet"

http://www.youtube.com/watch?v=0Yavmjh1Luo

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情念レディー


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●バーバラ・メイソン『ザ・ベスト・オブ・ブッダ・イヤーズ』<ブッダ>(01)

<ブッダ>在籍期間は71~75年。3枚のアルバムを残しているが、本ベスト盤は、最初の2枚からセレクトされている。
...
ゆったりとしたバラードに、艶っぽい歌声を乗せるのが基本パターンだが、過剰な色気は振り撒かない。大人の女性らしくシックだ。それでいて、情熱も感じるし、あどけなさも感じる。

もちろん基本パターン以外もある。テンポ・アップした曲のドライヴ感も中々。緩急自在だ。特筆すべきは、どのタイプでも繊細な感情表現が成されている事だろう。

代表曲の「イエス・アイム・レディ(ready)」は、男女のその時を迎え、憂いを帯びた歓びが滲み出ているかのよう。

http://www.youtube.com/watch?v=2JGPcOkebXc

「ワン・トゥー・スリー(ユー・ハー・オン・ミー)」は、三角関係の歌か、片想いの歌か。“スリー”の歌い方に微妙な変化を付け、発せられる度にドキドキして、切なさを増す。

http://www.youtube.com/watch?v=fis_lnTsGSc

「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」の「ミセス」を「ミスター」に変えた曲では、ため息混じりの「ミスター」に、狂おしい気持ちが込められている。若干、力入り過ぎかな。

http://www.youtube.com/watch?v=DxgGrjHWW2E

いずれにしても、魅力的なシンガーである。

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2014年1月の音楽メーター

1月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:10枚
聴いた時間:232分

Be Altitude: Respect YourselfBe Altitude: Respect Yourself
2014.1.11 蔦屋書店嘉島店にて購入。近頃フェイム系のサウンドを聴く事が多かったので、スタックスの音(MGズ)が妙に新鮮だった。ステイプル・シンガーズの乗りにもよく合う。ビシ、バシ。ビシ、バシ。
聴いた日:01月29日 アーティスト:Staple Singers
PoetPoet
2014.1.11 ぐるぐる倉庫熊本本店にて購入。サウンド的にはミニット時代の方が好きだが、ヴォーカルの熱さはヴァレンティノスの頃から全く変わらず。
聴いた日:01月28日 アーティスト:Bobby Womack
Time Out of TimeTime Out of Time
2014.1.11 ぐるぐる倉庫熊本本店にて購入。ひさしぶりにリリースしたアルバムなのに、すごく自然体。クリエイティヴなのに枯淡の境地だ。
聴いた日:01月27日 アーティスト:Bob Dylan
オズミウムオズミウム
2014.1.18 蔦屋書店三年坂店にてレンタル。
スライ・ストーンがフレッシュなジュースなら、P連中は得体の知れない栄養ドリンクだ。一度味わうととても元気になります。抜群のセンスだと思う。
聴いた日:01月23日 アーティスト:パーラメント
Let The Best Man Win ~ The Fame Recordings Volume 2Let The Best Man Win ~ The Fame Recordings Volume 2
2014.1.18 蔦屋書店三年坂店にてレンタル。
瞬発力のあるヴォーカルは、バラードよりアップ曲で冴える。ウィルソン・ピケットが絶賛したのも解る。デモ曲の音質の粗さが生々しくて、ブルースファンとしてはうふふ。
聴いた日:01月22日 アーティスト:George Jackson
バンド・オブ・ゴールドバンド・オブ・ゴールド
2014.1.18 蔦屋書店三年坂店にてレンタル。
評判通りの佳盤。声量がさほどないせいか、楽器の一部のように歌っている。バランス感覚に秀でた人だと。もう少し骨っぽかったらトミー・ヤングの域かも。
聴いた日:01月22日 アーティスト:フレッダ・ペイン
ハング・オン・イン・ゼア・ベイビーハング・オン・イン・ゼア・ベイビー
2014.1.12 蔦屋書店三年坂店にてレンタル。
曲が創れて歌える人は強い!
聴いた日:01月20日 アーティスト:ジョニー・ブリストル
I'm Gonna Miss YouI'm Gonna Miss You
2014.1.12 蔦屋書店三年坂店にてレンタル。
個人的嗜好として、ブルース→サザンソウルの道を歩み、踏み止まっている感があるので、ノーザン・ダンサーには即応しきれない。インプレッションズやテンプスを想起させる曲は好き。
聴いた日:01月17日 アーティスト:Artistics
Best of Buddha YearsBest of Buddha Years
2014.1.12 蔦屋書店三年坂店にてレンタル。
緩やかなグルーヴの中を漂うように歌い上げる。最初飽きるかなと思ったが、細やかな心遣いが伝わり、まったり気分になりました。
聴いた日:01月17日 アーティスト:Barbara Mason
ザ・ベスト・オブ・ブラインド・ブレイクザ・ベスト・オブ・ブラインド・ブレイク
2014.1.12 蔦屋書店三年坂店にてレンタル。
言い過ぎかも知れないが、ストレイトなブルースはやや平板。おそらくラグ曲の素晴らしさに意識が向かうからだろう。ダンス・ミュージックとしての存在感が強烈。表現に工夫を凝らすエンターテインメント性も持ち味。戦前物って結構カラッとしてるんだよね。
聴いた日:01月15日 アーティスト:ブラインド・ブレイク

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