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春の陽だまりのような

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●フランク・ストークス『ザ・コンプリート・レコーディングス』<Pヴァイン>(11)

http://diskunion.net/portal/ct/detail/53CS120719005

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戦前のブルースマンの中でも旧い世代の人である。メンフィスを拠点に、メディシン・ショウの一座で演奏したりしていた。

本作には、彼の全録音42曲が収められている。スタイルは、相棒のギタリスト、ダン・セインと二人連れのもの、ソロ、ヴァイオリンのウィル・バッツとの録音等である。

Disc1が@シカゴで<パラマウント>(27+29)、Disc2が@メンフィスで<ヴィクター>(28+29)、両方の微妙な違いは小出斉さんのライナーに詳しい。

あくまで淡々と展開するギターのフレイズ、相方ミュージシャンとの心地好い絡み。時に激しいノイズを越えて聴こえてくる、重厚な声。歌唱も演奏も決して激する事もなく、物足りない印象も持たない。

音楽の他に鍛冶屋という本業を持ち、レコードを出さなくなってからも50年代初頭まで音楽活動は続けていた由。控えめでも、好きな音楽で自分の実力を発揮し、一生を捧げた、記憶に残すべきブルース・マンである。

春の陽だまりのようなと書けば、ディープさに欠けると思われそうだが、音楽交差点都市メンフィスらしく、ブルース、フォーク、エンターテインメント、様々な要素が無理なく同居し、結実している。歌唱も演奏も腰が座っているのだ。少し高いキーになると、ちょっと、スリーピー・ジョン・エスティスみたいな声になるのも何だか微笑ましい。

♪"Chicken You Can Roost Behind the Moon"

https://www.youtube.com/watch?v=zUpJ3ljFIho

♪"Bedtime Blues"

https://www.youtube.com/watch?v=Pwp9WvFGkzQ

♪"Old Sometime Blues"

https://www.youtube.com/watch?v=nml87s9_oyA

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