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大地と祈りの歌

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●メイヴィス・ステイプルズ『ウィール・ネヴァー・ターン・バック』<アンチ>(07)

http://en.wikipedia.org/wiki/We'll_Never_Turn_Back
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全12曲中、“トラディショナル”をアレンジした曲が7曲。J・B・ルノアー作品を加えれば8曲だ。歌い継がれる曲・歴史的に生き残っている曲は、骨太だ。本アルバムで取り上げている曲もそうだが、アルバム全体に流れる音世界も骨太となっている。ネットで調べてみたらメイヴィス・ステイプルズは人権活動家としても頑張っている様子。本アルバムにおいても、訴求力の高いジャケットが物語るように人種問題・人権問題に深くコミットしているようだ。

全体のプロデュースを手掛けているライ・クーダーは、テーマに対して攻撃的にはならず、大地に逞しく根を張る人間の姿を描く事で、誰しも尊厳ある存在なのだ、と言い表しているかのよう。サウンドの落ち着き、深み、広がりから感じ取れる。

主役のメイヴィスは、しわがれ気味の声を、時には張り上げんとするが、例えばエタ・ジェイムスのような強烈な圧力は感じない。さりとて、悲痛な叫びとも違う。ドラマチックにはならず、自然体なのだ。ステイプル・シンガーズがゴスペル出身とはいえ、どこかクールなグルーヴを保っていた、その延長線としての姿に思える。

ライ・クーダーのギターも控えめだ。それでいて、曲の輪郭をなぞるような存在感を示す。1~3曲目にコーラスで参加しているレディースミス・ブラック・マンバーゾも良い。静かな地鳴りのような雰囲気を出ている。そういえば、特にこの3曲は低音が印象的。重厚なベース音ではなく、振動が静かに伝わる感じだ。音における表現センスはさすがである。

♪"Down In Mississippi"

http://www.youtube.com/watch?v=FeZmZ1Pt6C0

♪"99 & 1/2"

http://www.youtube.com/watch?v=UIa8pq8Pr6c

♪"My Own Eyes"

http://www.youtube.com/watch?v=wNcodFhw5js
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