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2014年6月

年齢差

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哲学者の池田晶子さんが死刑囚・睦田真志氏(両名とも故人)と平成10年4月から11月にかけて交わした書簡集を読んでいる。睦田氏は、獄中で初めて哲学を知り、深い思索に至った人。どうかしたら、池田さんの文章より読みやすい。全くの素人の思考ゆえ、却って解る部分もあるのかも知れない。

本の中で、睦田氏が現代の社会全体を考察した部分。大人が自分の考えで行動せず、誰かが鹿爪らしく述べた理屈を真似るだけで、大人としての自分らしさを見せず、とりあえず若者文化に迎合して、物分りのよい...大人を演じている為、子供・若者もバカにしている。文章どおりではないが、大体そういう事を書かれている。

今の世の中ジェネレーション・ギャップが無いのか有るのかよく解らない。ギャップが無いように大人たちは若さを強調しているが、実は違う意味のギャップが発生しているのじゃないだろうか?ジェネレーション・ギャップは自然に発生するはずなのに、歪んだギャップになっている。

本来、人間は年齢差を意識すべきじゃないかと思う。年寄りを敬えとかいう話ではない。これも正確には年寄りを敬えではなく「すべての人間を敬え」となるべき。うまく説明できないのだが、今の世の中、子供から大人まで年相応じゃない気がする。年配者が気持ちを若く保つのは良いのだが、年配者なりの落ち着きはあるべき。若者が気さくに年配者と話すのは良いが、失礼に思える言動はつつしむべき。もっとも若者同士でも、年配者同士でも同じだが・・・。やはり、子供は子供、若者は若者、中年は中年、年寄りは年寄り、各々「らしさ」がほしい。年上が偉い訳でも何でもない。ただ、年齢による「縦の関係」は一個の人間を考えた場合、とても大事だと思う。

少々、乱文になったので、また考えてみたい。

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父の日

やっぱりこれだな。

K

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ブルース女子

『ブルース&ソウル・レコーズ』誌に連載中の妹尾みえさんのエッセイ「ダイヤモンドリングよりブルースを」が面白い。70年代後半の洋邦とり混ぜたブルース・シーンに、情熱先行でぶつかっていく女子高校生の姿がケレン味なく伝わってくる。

中でポツリと洩らされていたのが「ブルースは男の世界」という風潮。最近はそうでもないかも知れないが、当時はかなりはびこっていたようだ。自分の事を考えてみた。私は80年代中頃からブルースを深く聴き始めているが、仲間内で普通にブルースの話...が出来た女性は一人しか思いつかない。地方都市のせいもあるだろうけど。

別に、女性にはブルース感覚が解らないとも思わないが、入りにくい世界ではあるのだろう。少数派である事は確かだ。ただ、少数派だから場違いという訳でもない。私は、ブルースに惚れ込んでいる人ほど、少数派を受け入れる自由度は高いように思えるのだが・・・。

妹尾さんのエッセイをキッカケに、自分のブルース聴き始めの頃を思い出していたら、もう一人いた、ブルース女子(このブルース女子という表現自体問題があるかも知れませんが敢えてこのまま)。親しく話はしていないが、ライブ会場で出会ったり、我々が企画したイベントも見に来てくれたりしていた。と思うが記憶があやふやだ。ただ、一回ハウリン・ウルフの大顔大写しのTシャツを着ていたのが強烈に頭に焼き付いている。

何度か見かけた彼女は、いつも一人だった。彼女からすればそんなのはお構いなし。根っからブルースが好きだったんだろう。願わくば、今もブルースおばちゃんとして、日々愉しんでらっしゃる事を祈る。

♪Howlin' Wolf - How Many More Years

http://www.youtube.com/watch?v=OpKB6OZ_B4c

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変わり者

詳しいデータを調べたわけではないが、例えば小学校とかで少し個性的な行動を取る児童がいたりすると、周囲から「変わり者」とみなされ、時には病気扱いされるらしい。大体、一般社会でも周囲と歩調を合わせなかったりすると「変わり者」と言われ、あまり相手にされない、もしくは爪弾きにされる。 確かに病気が原因で異常な行動を取る子供もいるだろう。でも、大抵の場合は、その子の個性のような気がする。乱暴な子、泣き虫、真面目一本・・・各々の子供同士が、合わなくても共存しているのが子供社会だし、大人社会も似たようなものだ。ところが最近は少し変わっていたりすると、周囲から責められるという変な風潮があるようだ。 そもそも、「個性」って普通に備わっているものだし、人の数だけ個性がある。ある人から見てある人は「個性的」「変わり者」なのだ。しかし、A君から見てBさんは変わり者、Bさんから見てA君は変わり者、というのは成立するが、皆から見てA君・Bさんは変わり者というのはオカシイのだ。それこそ変わってる。 「個性的」というのは皆が認める変わり者で、時には尊敬さえされる。これは各人に備わっている「個性」が社会的なステイタスに繋がった結果だろう。一歩間違えれば変わり者だ。という事は、変わり者のレッテルを貼られた児童が個性を発揮する可能性もあるのだ。病気は治療しなければならない。でも、変わり者は治療の必要がない。皆が認めれば良いわけだ。社会的な決まり事は変わり者にも通じる。教える側が偏見さえ持たなければ。

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2014年5月の音楽メーター

5月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:19枚
聴いた時間:423分

スーパー・デューパー・ラヴスーパー・デューパー・ラヴ
ファンキー・ソウルの大名盤!見かけたら買いましょう!太鼓判、何個でも押します。60年代ソウルの熱気に通じる。サム&デイヴ風とか「ショット・ガン」風もあり。怒涛のように突っ走る姿は潔い!
聴いた日:05月31日 アーティスト:シュガー・ビリー
ブラックナスブラックナス
ソウル曲を度々取り上げているが、ここではより強烈にカークの世界に「取り上げる」より「取り込んでいる」感じだ。フリーキーなリード音は破壊的にはならず、ユーモラスで人間的。尚かつシビア。聴く前は、ソウル・ミュージックの料理具合が気になったが、彼の音世界に圧倒される結果となった。
聴いた日:05月30日 アーティスト:ローランド・カーク
クラウディア・リニアクラウディア・リニア
アイケッツの出身者だからか、ティナ・ターナーの影がちらほら。前半はストーンズ的空気を時折感じる。後半はアラン・トゥーサン絡みで俄然音が引き締まる。私がLPで持っていたら、ほとんどB面ばかり聴くだろう。スワンプ・ロックの好盤の態。結局、彼女の存在を生かすどころか消したのでは?
聴いた日:05月29日 アーティスト:クラウディア・リニア
Show And TellShow And Tell
私みたいにオールド・ソウル・ファンと、ディスコ系のダンス・ミュージックファンではこのアルバムの感じ方がだいぶ違うだろう。しかし、曲自体はよく出来ており、演奏も素晴らしい。ヴォーカルに着目して買ったのに、そっちが印象に残った。スウィートなバラードもあります。
聴いた日:05月27日 アーティスト:エルシオン・フィーチャリング・ライモン・ウィルソン
驚愕の発掘ライヴ1968 ~ ライヴ・アット・アヴァン・ギャルド[解説/歌詞付]驚愕の発掘ライヴ1968 ~ ライヴ・アット・アヴァン・ギャルド[解説/歌詞付]
音質の良さは評判通り。演奏しているさまが見えるようだ。2枚のスタジオ・アルバムのはざまの時期のライブで、色んな試みも感じられる。熱情的な部分ばかり着目しがちだが、渋い展開もある。基本に忠実なブルースマンだと思う。
聴いた日:05月26日 アーティスト:マジック・サム
Complete Recorded Works In Chronological Order, Vol. 1, 1933-1935Complete Recorded Works In Chronological Order, Vol. 1, 1933-1935
どことなく陰りのある声。リトル・ブラザー・モンゴメリーのピアノを従えた曲は奔放なピアノが面白い。ヘンリー・タウンゼントのギターをフィーチャーした曲では、いわゆる痒い所に手が届くギターが堪能出来る。全7集有るシリーズの一作目だが、妙に続きが気になる。機会が有ったら買おう。
聴いた日:05月26日 アーティスト:Walter Davis
One Man BandOne Man Band
ポップスがフィリー・ソウル化する状態のよう。歌声は女性シンガーに聴こえる事もある柔らかさ。どちらかと言えば、本編よりボーナス・トラックが良いか。微妙だが。ライナーで鈴木啓志さんが「このシンガーを知るにはもう一枚CD化が必要か」と述べられているのはごもっとも。
聴いた日:05月23日 アーティスト:Ronnie Dyson
グリッツ・エイント・グロサリーズグリッツ・エイント・グロサリーズ
一曲目「ジャスト・ア・リトル・ビット」の新鮮なファンキー感覚がミルトンのセンスを物語る。器用な人はディープとは対極になりがちだが、この人には通用しない。
聴いた日:05月22日 アーティスト:リトル・ミルトン
Soul SurvivorSoul Survivor
炎の熱より人間の温もりを感じる。ちょっと曲が短い。声を聴けるだけで安心する人だね。プロデュースはクイントン・クランチ。
聴いた日:05月21日 アーティスト:James Carr
オールド・オリジナル・ココモ・ブルースオールド・オリジナル・ココモ・ブルース
小出斉さんのライナーにも触れてあるが、シティ・ブルース全盛期の30年代シカゴ録音にしては荒々し過ぎる。ギターを掻き鳴らすという表現が正にピッタリ。
聴いた日:05月20日 アーティスト:ココモ・アーノルド
1934-371934-37
ヴォーカルの微妙な気怠さがクセになる。エンドレスでも聴けるね。バック陣も豪華。アルバート・アモンズとか豆撒きしてるのかと思うほど音をばらまいてます。
聴いた日:05月19日 アーティスト:Bumble Bee Slim
Good Time ToniteGood Time Tonite
粋で都会的な感覚。ジャズ的コラボ作品もあり。
聴いた日:05月16日 アーティスト:Big Bill Broonzy
All For YouAll For You
伸びやかな声は摩擦熱を孕み、ある一点で美しく発火する。90’sのサウンドでも姿勢は揺るがない。お約束の、奥方ジェノヴィアとの熱い絡みも健在。テディ・ライリーとの共作はニュージャックかと思いきやバラードで、これがまたいい。
聴いた日:05月15日 アーティスト:グレン・ジョーンズ
Precious Lord: Songs of Thomas a DorseyPrecious Lord: Songs of Thomas a Dorsey
2014.5.3 ぐるぐる倉庫荒尾店にて購入。
1曲を除きトーマス・A・ドーシー作品。偉大なメモリアル作品を、豪華な歌手勢が盛り立てる。単なるトリビュート・アルバムに終わっていない、各人の本気度が素晴らしい!
聴いた日:05月14日 アーティスト:Various Artists
We'll Never Turn BackWe'll Never Turn Back
2014.5.3 ぐるぐる倉庫荒尾店にて購入。
大地に根を張るイメージ。少ししわがれ気味のメイヴィスのヴォーカルは独特の切迫感につながる。全体のプロデュースにも携わるライ・クーダーのギター&マンドリンは静かにサウンドの輪郭をなぞる。レディスミス・ブラック・マンバーゾの地鳴りのようなコーラスも印象に残る。
聴いた日:05月12日 アーティスト:Mavis Staples
Earliest Negro Vocal Groups 3Earliest Negro Vocal Groups 3
1921-24の録音だが、モダンだったり、ヴォーカル・テクニックを愉しめたり、表情豊か。カントリー・ソングとゴスペルの自然な融合みたいなのも。黒人音楽だけでなくアメリカン・ルーツ・ミュージック全般の知識があればまた違う感慨があるかも。いずれにしても、両者とも混血音楽なんだろう。
聴いた日:05月10日 アーティスト:Various Artists
SIR JOE QUARTERMAN & FREE SOULSIR JOE QUARTERMAN & FREE SOUL
2014.5.3 ぐるぐる倉庫荒尾店にて購入。
JB風、Pファンク風、スライ風、色々な表情を見せるが、オリジナリティーも感じる。ラスト4曲はシングル化作品だが、どちらかといえばこちらの感覚が好き。最近、さらに曲をプラスし再編集されているのでそちらを買った方が良いでしょう。
聴いた日:05月08日 アーティスト:SIR JOE QUARTERMAN & FREE SOUL
ザ・コンプリート・レコーディングスザ・コンプリート・レコーディングス
戦前ブルースマンの中でも旧世代の人。メディシン・ショウ等の一座にも在籍。華麗なテクニシャンではなく訥々とした温かみを感じるギタリストだ。さらに、重厚で深みを感じる声が素晴らしい。ゴスペル・カルテットでも通用しそう。戦前ブルース・ファンは必携。全音楽ファンにも強くオススメ。
聴いた日:05月05日 アーティスト:フランク・ストークス
Golden Philly ClassicsGolden Philly Classics
後にテンプス入りするロン・タイソンが在籍。完成度の高いグループ。但し、音創りに華麗さか深みがあれば更に楽しめたろう。甘茶の全盛期にはちと早かったか?
聴いた日:05月01日 アーティスト:Ethics

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