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2014年7月

マッスル・ショールズ

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特にFBの各音楽ライターさん、音楽ファンの皆さんのレポート等で気分が盛り上がってきた映画『黄金のメロディー~マッスル・ショールズ』。

http://muscleshoals-movie.com/index.html

各雑誌でも記事を見かけるようになった。『BSR』誌ではスタジオ・ミュージシャンの動向を詳細に説明してあり助かった。実はあまりフェイム・ギャングとスワンパーズをこれまで明確には区別していなかった。リック・ホールと<アトランティック>社の確執は、知識としては持って...いてリックがかなり悔しい思いをしていたのは解っていたが、ミュージシャン各自とは結び付いていなかった。スタジオ別のディスク・ガイドとかは目ウロコ物だった。

先日は、『レコード・コレクターズ』誌の佐野ひろしさんのコラムを読んで、また新しい視点を頂いた。鈴木啓志さんの著作と絡めての、映画の考察だ。一般的な南部ソウルの構図として「黒人シンガー+白人のバック・ミュージシャン」というものがある。スワンパーズは全員白人だが、フェイム・ギャングにはフリーマン・ブラウンという黒人ドラマーがいる。映画では<アトランティック>が構築したスワンパーズ系のミュージシャンが中心に描かれていたとの事。引き抜かれた形のスワンパーズ連中とリックとの「雪解け」を見せた方がドラマ的とはいえ、フェイム・ギャングに触れるスペースが少なかったのは「黒人+白人」の“黄金”の構図に拘っていたからではないかという疑問の提示だ。そういえば映画のトレーラーも「ここには人種差別は存在しない」みたいなナレーションも入っている。それは事実だろう。結論を前提に取捨選択された事実でなければ良いのだが・・・。そもそも、トレーラーもキースのインタビューで始まり、本編にも多くのミュージシャンがインタビューを受けているとの事だが、私的には「資料の積み重ね」で攻めてほしい気もする。インタビューも重要な資料だろうが、大物ミュージシャンより、スタジオに日常的に携わった人の発言を多く聞きたい。リック・ホールとフェイム・スタジオにテーマをギュギュッと絞ってほしいのだ。どうも佐野さんに限らず色々な人のお話を勘案するとその辺が不足気味な印象だ。

実際に私は鑑賞していないので正確に意見は述べられないが、少なくとも物事を捉えるのに多角的な姿勢が必要だという認識は新たにできた。

あー、それにしても早く観てみたいものだ。
 

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ユー・アー・エヴリシング

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●「全否定」は案外簡単にするが「全肯定」は、そんな言葉があるのかもよく分からない。しかし、全肯定の方が全否定より危険度が高い。いずれにしても抑制力が重要。それは理性とも呼ばれる。

●ひとりの人間が発する言葉はモノローグ。たとえ眼前に聞き手がいてもダイアローグは基本的に成り立たない。by池田晶子。しかし、そこをカバーするものも確かにある。

●一人の人間が関わりを持つ相手は必ずしも知人に限られたことではないと思う。書物や音楽、ネットなどを通し、無数の人物から影響を受けている。これも一種の関わりだと思う。自分の宇宙の中心は自分。それと共存して無数の人物の宇宙が存在する。人間は本質的に孤独だが、歩む人生は一人きりではない。

●スタイリスティックス「ユー・アー・エヴリシング」。端正さが華麗さに勝ることの証明曲。女性の美しさと共通すると思うのだが、あくまで男の意見だ。

♪The Stylistics "You Are Everything"

https://www.youtube.com/watch?v=ao8Ttbzqdns

♪Diana & Marvin "You're my everything"

https://www.youtube.com/watch?v=UNTPbsV7B4M

♪Mary J. Blige "Everything"

https://www.youtube.com/watch?v=5nZueSZRJrA

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【創作】レスト・イン・ピース(2)

♪前回分

http://hajibura-se.cocolog-nifty.com/blog/story/index.html

...

気持ちの悪い夢を見た・・・。

最初に組んだバンドの連中と演奏していた。ドラムはボウ。キース・ムーンがアイドルで、とにかく手数が多かった。でもそのおかげでパンクっぽい勢いがついてたな。ベースの次郎は合わせるのが大変そうで、よく喧嘩していた。でも、相性は最高だったな。絡み合った時のグルーヴは中々のものだった。俺も勉強になった。

ギターは・・・アイツ、名前何だっけ?すぐに辞めたんだよな。あ、星野だ。音楽のセンスはあったけど、ロックンロールのセンスが無かった。変な話だが、楽譜通り、あるいは聴いた曲通り、キッチリ弾き過ぎるんだ。味や臭いが薄いんだよな。あのバンドでは俺もギターをよく弾く格好になった。星野にしてみれば面白くなかったかもな。

夢の中では、星野のリフの揺れが抜群だった。俺もギターを手にしようとしたが手元にない。他のメンバーを見ると、3人固まって楽しそうに演奏している。俺の方を見もしない。星野が、過去最高の“間”で粋な音を響かせ始めた。

よし、それならハープだ。と思ったが、革ジャンの内ポケットは空。とにかく歌おうと、マイク・スタンドを引き寄せた時、突然吐き気がした。腹の中から何かが上がってくる。それがハープなのは夢だから分かっていた。俺は自分の両手を口の中に突っ込み、引っ張り出そうとした。ところが、逆に腹の中へ掃除機のように吸い込まれていった。両腕から腰、そして両脚・・・。

俺は、ブラック・ホールのような俺自身の身体に呑み込まれ、現在の、意識だけの姿になった。夢はそう語っていた。何の解決にもなりゃしないけどな。もっとも、何かが解決、あるいは好転するとも思えない。

夢を見たのはこんなになってから初めてだが、度々“眠って”は居た。きっとその内眠りから覚めなくなるに違いない。ただ、それだけ。納得はしてないが覚悟はしている。死んだも同然の人間が本当に死ぬだけの話だ。

「こんにちは、ジャックさん」
  妄想の姫か。
  「お見舞いの方がお見えです。こっちですよー」

「ジャック!」
  「・・・リズ?」

罪な妄想だ。なんで、彼女が出てくるんだ。

(つづく)

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グッド・ジョブ

職業を持っている人なら大抵は、仕事は何の為にするのか考えた事があるのではないだろうか。①生活の為②社会に貢献する為③自分を高める為、等々答えはさまざまに導き出される。

ここでは、そういった真っ当な答えから少し外れてみたい。まず、「○○の為に○○をする」という図式を否定する。当然それだと冒頭の問いかけも否定される。「何の為に仕事をするか?」ではなく「何故仕事をするか?」に変えてみよう。私の表現不足で似たような言い回しになったが、要するに大義名分を取り除いてシンプルに考えてみたい。

...

おそらく人間は、仕事をしたいんだと思う。専門用語にあるかも知れないが、何かの欲求の一つではないか。もう少し視点をずらすと、そもそも人間は生きていく上で何らかのアクションを起こしたいものなのでは。仕事は成果や報酬があるので、判りやすいアクションだ。

しかし、やりたい事なのにストレスが半端ない。それでも仕事は存在する。社会を動かしていく上で必要だからだろう。これも大義名分かも知れない。そこで、それに対抗するのに、「何の為に仕事をするのか」という大義名分を持ち出すと、理屈は合うような気がする。人間は理屈だけでは納得しませんが・・・。

さて、物事の必要性は人によって違うものだが、仕事の必要性はどうやら普遍的に存在するようだ。では、仕事にどう取り組むかというのもついでに考えてみたい。シンプルに。

定年間近の私が、近頃考えているのは「ただ何となく」というキーワードだ。「何となく」と言うとボーッとしている印象かも。「淡々と」や「粛々と」の方が伝わりやすいかも知れない。しかし、それらの言葉より「ただ何となく」の方がよりストレス・フリーかつ日常感覚があると思う。

毎日怒涛の如く押し寄せる仕事の波を、フワリと受け止めて、こなしていく。難関を難関と思わずに自然体でくぐり抜ける。そんなに調子良く行く訳がないが、理想論はストレスに勝つんじゃないかと思っている。少なくとも大義名分よりは実用的だ。

♪Chuck Berry "Too Much Monkey Business"

https://www.youtube.com/watch?v=5b2w_nJLuvw

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【創作】ヒマラヤかき氷

Sanndai_joe


※本編は創作投稿サイト『ドリーム・ライブラリ』の企画「三題話」に基づいて考えたものです。お題は「くも」「かき氷」「背後」です。

http://dreamlibrary.la.coocan.jp/cn40/pg498.html

...

僕がレイカさんに初めて出会ったのは会社の近くにある公園だった。全身に黒いカーテンを纏ったような格好で、まるで魔法使いか占い師のよう。顔色もどこか青白い。年齢はアラフォーぐらいだろうか。

最初、何をやっているのかよく判らなかった。右手を空中に上げせわしなく動かしている。商談が失敗し、課長への言い訳を考えながらベンチに座っていた僕は、暫く眺めていてふと閃いた。

「あ、何か計算しているんだな、あの人」そう思うと気味が悪くなり視線を逸らした。だけど、まだ帰るには早かったので、見るともなく路面電車の電停に立つ人達を眺めていた。

5分ぐらい経ったろうか、女性の方を見たら、居なくなっていた。答えが出たのかな。一人ニンマリしていると、
  「私ならここにいる」背後で声がした。ビックリして振り返ると、黒ずくめの女性が満面の笑みを見せている。

「どう?ゴロゴロ13みたいでしょ」多分、ゴルゴ13の事だろうが、笑える状況じゃないし、そもそも面白くない。ここはあまり、相手を刺激しないように、笑顔で話しかけた。

「何か一生懸命計算されてたみたいですね」
  「そうなのよ。やっと答えが出たところ。そうねえ、準備は一週間ぐらいかしら。あなた、興味がお有りでしたらご招待しますわ。来週同じ時間ぐらいに此処で待ってます。じゃあね」

言うだけ言ったら返事も聞かず、女性は去って行った。僕は半ば放心状態で会社に戻り、課長の仏頂面を見るまで失敗した商談の事は頭から飛んでいた。

一週間後、一方的な約束通り彼女に会い、お互いに自己紹介した後、繁華街の一つ裏の通りに連れて行かれた。小さな喫茶店ぐらいの広さの店だった。木目を生かした横看板には、墨文字で「ヒマラヤかき氷」と大きく標してある。

「さぁ、涼太君。遠慮なく入って」以前から親しかったような口ぶりについつい乗せられ、店内へ入った。レイカさんは、カウンターの向こうに立つと軽く腕捲りし、いつ氷を置いたのか少し大き目の削り器のハンドルを回し始めた。削れていく様子はカウンターで見えなかった。時間は思ったほどかからなかった。

「ハイ、出来たわよ」
  僕は息を飲んだ。目の前に置かれた物がかき氷とは信じ難かったのだ。丼ほどの大きさのクリスタルの器から、真っ白くキラキラ光る氷の峰が30㎝ほどそそり立っている。更に中央やや上ぐらいに煙の輪のようなものが出来ている。

「それは雲海。食べられるのよ」僕はスプーンを先ず雲海に差し込み、口元まで引っ張ってみた。感覚はないのだが、確かにスプーンにまとわりつく。食べてみると、綿菓子をギンギンに冷やしたイメージだ。少々ベタついた甘味を感じる。本体に取り組む。スプーンは無理なく入り、意外にも冷た過ぎず氷というより雪に近い。美味しい。この量でも最後まで食べられそうだ。雲海と混ぜてもイケる。これだけの高さだと器の外にこぼしそうだが、何故か、氷の欠片は表面を転がっても麓で止まる。

「その計算が難しかったのよ」いつの間にか隣りに座ったレイカさんが楽しそうに見ていた。訳分からないが、美味いものは美味い。僕はヒマラヤかき氷の攻略に夢中になっていた。

ふと、レイカさんを見やると、両手を掲げ目をクルクルさせながら「かき氷界の世界最高峰やー」と嬉しそう。「今の、きみまろね」もちろん、彦麿呂の事だろうが、こちらは攻略に夢中だ。呆れている暇もない。と、今度は背後から、
  「私、本当は殿方の背中を見ながらついて行くタイプなんですぅ」もじもじしたような姿勢で、上目遣いでこちらを見ている。キャラが読めない。「あん蜜よ、あん蜜」もしかして、壇蜜?ここまで来ると言い間違いではなくわざとだと気が付く。つくづく“冷えた雰囲気”を大切にする人なんだろう。

ヒマラヤかき氷は当たりに当たった。全国ネットのグルメ番組でも取り上げられ、彦麿呂もきみまろも来た。壇蜜とゴルゴ13は来なかったけど。大手食品メーカーが、大々的に売り出す企画を提示したが、これは自分にしか作れないから、とレイカさんは断った。

一人で切り盛りするのは大変そうに思えるが、レイカさんは余裕綽々としていた。作る時間も予想以上に速い。やっぱりレイカさんは魔法使いなのかも知れない。また、僕が行く時は不思議とあまり混んでいない。これも魔法だったのかな・・・。

その日も店はひっそりとしていた。レイカさんが珍しく難しい顔で、初対面の時のように空中で計算していた。

「レイカさん、どうかしました?」「あー、涼太君。実は新作が出来たんだけど、ちょっと不安があるのよ。そうだ、良かったら食べてみてくれない?」

目の前に出されたのはヒマラヤかき氷どころではない。大きな楕円形の器に焦げ茶色と灰色が混ざった山が広がり、中央が大きく窪み、煙がたなびいていた。中心部は僅かに赤い。

「阿蘇山かき氷よ」そう言ってレイカさんは器を回した。裏は草千里を模したのだろう、一面鮮やかな緑色だ。赤牛や馬たちが放牧され、少し大きめのくまモンが手を振っていた。

「これ、かき氷?・・・ですか」
  「たぶん」
  「たぶん、て」笑顔でスプーンを差し出すレイカさん。とりあえず、僕は火口の中心を突っついてみた。

その瞬間、強い揺れが襲って来た。あまりの事に、僕は椅子から転げ落ち這いつくばった。
  「しまった!連動してた!」レイカさんは揺れの中でも普通に動いている。カウンター内にしゃがみ、蒼い水晶玉を取り出し阿蘇山かき氷の中に投げ込んだ。勢いよく火花が上がり、天井まで届こうかという勢いだった。器全体がガタガタ音を立て揺れ始めると、地面の揺れの方は止まった。

「涼太君!危ないよ!」レイカさんの警告とほぼ同時に、阿蘇山かき氷は大爆発し、全てが四方八方に飛び散った。二人の間に阿蘇山の残骸が降り積もり、上からくまモンがスポッと嵌まり、陽気に手を振っていた。

「あー、このドラえもんちゃんが計算ミスだったのかなぁ」この期に及んで寒々ギャグ。でも、僕は何だか分からないけど急に楽しい気分になり、大声で笑った。レイカさんも完全に天井を向き、馬鹿笑いしていた。いつまでも、いつまでも・・・。

(おわり)

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娘の誕生日

昨日は娘の誕生日だった。

いつの間にやら二度目の年女。世間の同い年の娘さんと比べたら、幼く思えるのは親目だからか。もっとも、同世代だからって一まとめにするのも陳腐だけど。本人らしさが出れば良いとは思う。さて、実際にはどうだろうか。

最近、某店でバイト待遇にしろ、ある程度は仕事もこなせているらしい。時には分かったような口も利く。ある程度の社会の厳しさも体験しているようだ。成長はしてるんだろうな。
...
周りが祝福モードなのは結構だが、一番必要なのは、自分で自分の人生を過去・将来合わせてよく考えてみることだろうな。私もあんまり偉そうには言えないけど。或る日、ふとした瞬間にそんな事を思ってほしい。

Happy Birthday!!!

♪"Further up the road "- Bobby bland

http://www.youtube.com/watch?v=Hq3cYcEfJtY

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赤と黒

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●マジック・サム『ライヴ・アット・ジ・アヴァン・ギャルド』<デルマーク/Pヴァイン>(13)

http://diskunion.net/portal/ct/detail/50Y130910102
...
ブルース・ファンを熱狂させたこのライブ盤は、18歳の青年によって録音された(68年)。酒場ではなくコーヒー・ハウスが舞台だ。しかし、たとえアルコールが提供されていても、観客は、酒よりもマジック・サムのパフォーマンスに酔いしれたに違いない。

ファースト・アルバムからの曲と、当時はまだ出ていなかったセカンド・アルバムに入る曲、更にはマディやオーティス・ラッシュの曲などライン・アップも興味深い。他人の曲もよく消化し、マジック・サム調に仕上げている。例えば、2曲取り上げたマディ作品。「フーチー・クーチー・マン」の重厚なサビを、軽やかとまでは言わないが、乗り良く展開している。「アイ・ピティ・ア・フール」では、ジョン・リー・フッカー並みのブギ攻撃だ。又、サム作品にも同名曲があるオーティス・ラッシュの「オール・ユア・ラヴ」で聴けるギター・フレイズは両者の特徴が混在している感。この辺りも、今までは味わえなかったマジック・サムではないか?

録音機材の選択やセッティングが首尾よく為されたせいか、とても音が良い。ヴォーカルがやや遠く聴こえる時もあるが、演奏中の動きのせいかも。とにかく、ギターは素晴らしい。手元の動きが目に見えるようなクリアさだ。一音一音の力強さを今更ながら思い知らされる。音を追いかけるのがとにかく楽しい。ギターを弾く人は、絶対、愛器に手が伸びるだろう。

オーティス・ラッシュを情念の人とするならマジック・サムは情熱の人かと。ラッシュが青白い炎なら、サムの炎は赤い。ただ、二人とも種火は同じだ。ブルースの伝統・・・聖火リレーよろしく、次世代に種火を引き継いだのは、今更言うまでもない。

♪"San-Ho-Zay"

http://www.youtube.com/watch?v=vw0fuxvz-_Y

♪"Lookin' Good"

http://www.youtube.com/watch?v=i_D85fExxxk

♪"That's All I Need "

http://www.youtube.com/watch?v=EmY0pYBF4JE
もっと見る

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むかしむかし

オッチャンがお店でCDを選択していると、一枚のCDがドン・ブライアントー、ドン・ブライアントーと流れてきました・・・。

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十二人の手紙

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●井上ひさし著『十二人の手紙』<中公文庫>(78)

手紙や公的文書(各種届け出書類とか)をツールに紡ぎ上げた作品集。通常のストーリー展開と違う点(の一つ)は、手紙を書いている人物の“主観”しか読み得ない事。そこに悪意があっても精神的に破綻を来していても判別つけ難い。従って、それが判った時のカタストロフィーが、通常の小説とは違う味わいとなる。

社会的弱者や、世間ずれしていない人、日々の生活を懸命に生きる人々への作者の愛情は、悲劇を描いても、冷徹にはならない。ユーモア感覚のオブラートもあるだろうが、ストレートに生きる人間の生き様が筆から伝わるからだろう。手紙文という形式自体、然りである。

内容に触れられないのが残念だが、粋な趣向も凝らしてある。   

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2014年6月の音楽メーター

6月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:8枚
聴いた時間:53分

Another WorldAnother World
2014.6.22 ブックオフ田崎店にて購入。
歌はかなり上手い。<タブー>ならではのアーヴァン・テイストやダンス志向を、彼なりに深化させている。顔が白い時期のマイケル&ジャネット兄妹が好きな人は気に入るでしょう。声質も近い。
聴いた日:06月26日 アーティスト:Demetrius Perry
Miki HowardMiki Howard
2014.6.22 ブックオフ田崎店にて購入。
良い意味で「分相応」な人。特別艶やかだったり、迫力があったりはしないのだが、懸命さが伝わる。シャウトも力強い。だけど騒々しくない。達者なゴスペル感覚が、彼女らしさの原点かと。
聴いた日:06月25日 アーティスト:Miki Howard
Save the childrenSave the children
2014.6.22 ブックオフ田崎店にて購入。
ボビーの悲しい知らせとだぶってしまった。まずは合掌。本盤でも灼熱のシャウトは健在。個人的に苦手なタイプのリズムの曲もあるが、バラードは落ち着く。正直これを買うならミニットやUA盤を聴きましょう。
聴いた日:06月22日 アーティスト:Bobby Womack
ソウル・バラッズ200%ソウル・バラッズ200%
桜井ユタカさんがアトランティック音源から40曲準備した中から20代女性のレコード店員さんがセレクトしたもの。フィリー系が多いが桜井さんはもっと幅広く選んだのでは?選から洩れた曲が気になる^^
聴いた日:06月17日 アーティスト:オムニバス,J.J.& G,21st センチュリー Ltd,ブルー・マジック,スピナーズ,パーシー・スレッジ,インパクト,トゥルー・リフレクション,ザ・テンプテーションズ,ダニー・ハザウェイ,サム・ディーズ
Best ofBest of
ベスト盤で済ませられるグループではない。安定のコーラスに胸躍る。やっぱり7+8のラインは泣けるなぁ。
聴いた日:06月16日 アーティスト:Chi-Lites
The Complete RecordingsThe Complete Recordings
群を抜くミュージシャンには共通した感覚がある。計算しているようなしていないような、聴く者を翻弄する姿勢だ。我々はひざまずくしかない。
聴いた日:06月13日 アーティスト:Robert Johnson
Brent Jones & The Tp MobbBrent Jones & The Tp Mobb
ゴスペル界の若手連中が、若者向けにヒップホップ感覚を取り入れましたという図。とはいえ、現代R&Bの歌物程度の仕上がり。特に女性ヴォーカル陣が気に入った。アン・ヴォーグやブラウンストーン並みの活気。
聴いた日:06月11日 アーティスト:Brent Jones,Tp Mobb
WELCOME TO MY ROOM + MIDNIGHT DESIRE (直輸入盤・帯・ライナー付き)WELCOME TO MY ROOM + MIDNIGHT DESIRE (直輸入盤・帯・ライナー付き)
モダンかつディープな音創りに定評のあるバンクス&ハンプトンが手掛けた1作目と3作目の2in1。ランディの歌唱は、滑らかさも塩辛度もほど良い中庸感。サウンドに合っている。ベッド・イン・ミュージックだが、ベイビー・メイキン・ミュージックまでは至っていないのがイイネ!
聴いた日:06月09日 アーティスト:RANDY BROWN(ランディ・ブラウン)

わたしの音楽メーター
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