純愛への情念
●ローラ・リー『ラブ・モア・ザン・プライド』<チェス>(08)
http://diskunion.net/portal/ct/detail/CHSSBC1130912048
...71年発表作にボーナス・トラック8曲追加。
母親率いるゴスペル・グループ、メディテイション・シンガーズで歌の世界に。やがて、世俗音楽に転向し、<リック・ティック>→<チェス>へ。だが、有名になるのは<ホットワックス>期。本盤も、<ホットワックス>での評判にあやかって制作されたとか。
ブルース・ファンの私としては、<チェス>のソウル陣の一角を成すローラの方が馴染んでいる。エタ・ジェイムスやミッティ・コリアらと並んでよく聴いた。二人と比べたら、女性らしいたおやかさを感じる。しかし決して甘くはなく、ハスキーな声を時に高ぶらせ熱唱に至る。その力の込め具合が絶妙で、独特の悲哀感をもたらしている。
不倫を「純愛」と呼ぶのは倫理に反する。それでも、あくまで愛を貫く立場に立てば、当時者の気持ち自体は純粋なのかも知れない。そんなジレンマと説得力の両方を、彼女の歌声から感じてしまう。後にゴスペル界に戻ったのは、ポピュラー・ミュージックの論理に真剣に向き合う事が、彼女の性分の根っこの部分に違和感を抱かせたのかも。
シカゴの<チェス>と言っても、<フェイム>録音が多く、南部ソウルの佳作として聴ける。但し、情念5割増である。
♪"Dirty Old Man (Extended)"
https://www.youtube.com/watch?v=EUagT7YcJOY
♪"It's All Wrong But It's All Right"
https://www.youtube.com/watch?v=UTspjJWJU4I
♪"I Need To Belong To Someone"
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