どす黒いカオス
●ハウリン・ウルフ『ライブ・アンド・クッキン』<チェス>(72)
http://ongakumeter.com/m/B0002J51Q2
<チェス>作品では唯一のライブ盤である。但し亡くなる一年前の物だ。晩年のウルフは、心臓病+交通事故で体調が悪く、ライブも椅子に座った状態だった。とはいえ、ダミ声のドスは十分効いており、若干歌う場面が少なくも感じるが、事情を知らなければ違和感はない。
演奏陣の素晴らしさも助けになっているかと。お馴染みヒューバート・サムリンのギター(+J.W.ウィリアムス)、ドラムがフレッド・ビロウ、ベースがデイヴ・マイヤーズ、ピアノがサニーランド・スリム、サックスがエディ・ショウと万全の布陣。ウルフのハープも加え、全員が熱気ある演奏を聴かせている。
突出したプレイに合わせると言うより、相手に被せてきたり、ずらしたりといった一進一退的攻防だ。混沌としているようで調和が取れている。そしてもちろん、ブルース・フィーリングに満ち溢れている。
十分名前が売れている時期、アルコールを提供しないノース・サイドのクラブ。ウルフは敢えて有名曲を連ねず、ブルースの何たるかを真摯に伝えたかったのかも知れない。目論見は成功している。
♪"I Didn't Know"
https://www.youtube.com/watch?v=9x_mZn3oLXU
♪"Mean Mistreater"
https://www.youtube.com/watch?v=px2xyaoc8TE
♪"I Had A Dream"
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント