レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.8のラスト・シャウト
●アレサ・フランクリン『レア&アンリリースド・レコーディングス』<アトランティック/ライノ>(07)
http://diskunion.net/portal/ct/detail/54C070906701
[ディスク2]
まずは、①「ロック・ステディ」のファンキーさに無条件に乗らされる。ベースのうねり、ギターのカッティング、ドラムのフィルインのタイミング・・・。磐石の音世界のあわいを、浮遊しながらもメリハリ良く締めるアレサ。全くもって素晴らしい。オルガンの高音部はダニー・ハザウェイが担当しているが、キメ所で生きている。これは正直言って正規ヴァージョンより凄い。YouTubeで見つからず残念。 と思ったらありました。
Rock Steady (Alternate Version)
https://www.youtube.com/watch?v=hGKN3bcld7M
史上最強の女性コーラス隊、スウィート・インスピレイションズとの絡みがゴスペル度を増す②③。
④~⑨⑩⑪はクインシー・ジョーンズ制作の『ヘイ、ナウ、ヘイ』。その前に本格ゴスペル・アルバム『アメイジング・グレイス』を完成させている。そのせいか、モダンなクインシー作品の中でもテンションが上がるパターンも出ている。まあ、そうでなくてもやってただろうが、改めてアレサの体内にはゴスペルの血が最も濃く流れているに違いないと確信。
⑪のボビー・ウォーマック曲は完全にアレサの曲になってしまっている。内容に関する深い音楽的理解がなければ成立しないだろう。泣ける。⑫はレイ・チャールズとの共演。一歩も引かずに溶け合っている。⑬はブルースというよりゴスペル。エタ・ジェイムスで有名な⑭は、テンションの上がるポイントがエタと違う。アレサが“感性”の人である事の証明だ。感性は勿論全てのシンガーやミュージシャンが持っているのだが、アレサのは特殊だ。読みを痛快に裏切り、飛び切りの感動を呼び起こす。 ラストはいかにも大団円に相応しい。
HEAVENLY FATHER https://www.youtube.com/watch?v=tLAbpFCErZc
Tree of Life https://www.youtube.com/watch?v=QXVqpxkTBUg
That's The Way I Feel About Cha https://www.youtube.com/watch?v=cfNAgaeabr4
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