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2015年9月

【創作】ゴールドバンド

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※一般の方には全く意味を成さない表現が度々出ますのでご注意ください。

むかしむかし、タムラという青年が、幸せを呼ぶという伝説のゴールドバンドを探す旅に出ました。どんどん歩いていくと罠に掛かったワニに出会いました。大きな罠でしたが何とか助け出しました。 「助かったぁ。どうもアリゲーター」「それにしてもこの罠大きいね」「ワーナーは何でも捕まえるんだ。お兄さん、どこ行くんだい?」タムラはゴールドバンドの話をしました。「それは森に住むベアファミリーの親父なら知ってるかも知れんなぁ」

二人連れでベアファミリーの家を訪ねました。話を聞いたクマの親父はパラマウント・ベッドから起き上がり、枕元のキリン・ファイアーをぐいと呷ると(我ながらブッダ込みすぎ)妻と子供たちを見やりました。「しばらく父さんはルースターにするが大丈夫か?」長男が「安心シッティン・イン・ウィズ」と頼もしく答えました。

クマ親父はゴールドバンドに心当たりがある様子です。自分の車を出しました。ワニはあまり車に乗った事がないのかとりわけ喜んでいました。「やっほー!エクセロ全開!」デコボコ道をウェストバウンド/サウスバウンド。ながらかな下り坂はスーと楽しいドライブです。 「知り合いのウルフやコブラを誘おうか?」「いや、トリオだから意味がある」そんなこんなで、あるお城に辿り着きました。

「ここのキングの娘がゴールドバンドの持ち主らしいんだ」「名前は?」「アンナだ」「何となく懐かしい名前だ」 クマ親父は実は地方の名士で、どうにかアンナに会う事が出来た。「どこかでお会いしたかしら?」「私もそんな気がします。ところでアンナ姫はゴールドバンドをお持ちですが?」「沢山持ってるわ。一つぐらいなら譲ってエイスよ」キラキラ光るバンドを取り出すと、タムラの頭に巻き付けた。「頭に巻くのが一番効果があるのよ。そうそう、このゴールドワックスをかけるともっと効き目があるわよ。上からかけるわね」アンナ姫は持っていたボトルから液体を注いだ。「熱ちちちちち!」「あ、ごめんなさい!ホットワックスと間違えた!」慌ててワックスを払いのけようとするアンナとタムラの眼が合い、いつしかお互いの手が握られていた。二人の時間が止まった。

お城の外を、一羽のブルーノート、じゃないわブルーバードが飛んで行った。めでたしめでたし。 (おわり)

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オールデイズ・ベイビー・ワシントン

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話題作を送り続けている<クリンク>レコードのオールディーズ系専門レーベル<オールデイズ>。店頭に並べてあるのを目の前にすると、ついつい足が止まってしまう。LPで持っている作品も持っていない作品も、かなり悩んで結局買ったか買わなかったかさえ忘れてしまった作品も、オリジナル・ジャケットの姿で復活している。ポップス系も充実しているようで、隣では70前後の紳士が微笑みを湛えて眺めていた。かなり出したり戻したりした結果、今回は3枚購入した。

http://www.clinck.co.jp/oldays/

http://www.clinck.co.jp/merurido/dtl.php?ky=ODR6115

とりあえず途中まで聴いたのはベイビー・ワシントン。原盤は<スー>。解説で鈴木啓志さんが述べられているように、彼女が名を成し始めた時代は、パンチ力勝負のリズム&ブルースから、ポップ寄りのバラードが好まれ始めた時代。「レイス・レコード」の感覚が抜け始めアーリー・ソウルが形成され始めた頃かな。<スー>のやり方でもあるか。 ワシントン嬢の声質自体は、エタ・ジェイムスやミッティ・コリア並みに迫力がある。しかし、曲構成上、パワフルさだけでは終わってない。バランスよく優しさが滲み哀切感が出ている。彼女に合わせたのか彼女が合わせたのかは分らないが、結果的に成功している。 黒人女性シンガーの男性性は、黒人音楽を語る上の重要ポイントだと勝手に思っているが、ソウル・ミュージック前夜におけるスタイルでの男性性と女性性のミクスチャーとして、何とも味わい深い。ストリングス遣いがあまり好きではない私も、彼女の為と思えば愉しく聴ける。

I've Got A Feeling [Sue 769] 1962

https://www.youtube.com/watch?v=hsXlMPCi9i0

Careless Hands

https://www.youtube.com/watch?v=7rAnbH7JnNk

That's How Heartaches Are Made

https://www.youtube.com/watch?v=p3Qqe9WEA7E

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.16

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[23枚目]●カーティス・メイフィールド『ニュー・ワールド・オーダー』<ワーナー>(96)

http://diskunion.net/portal/ct/detail/XAT-1245298044

  http://www.discogs.com/Curtis-Mayfield-New-World-O…/…/688728

大事故からの復帰作。世界中のソウル・ファンが驚喜したに違いない。しかし、結果的に遺作となり、悲しいアルバムとなった。ジャケット写真で瞑目するカーティスが、意味深にさえ思えてくる。

身体の自由が利かない状態なのに、訥々としたヴォーカルの中にも、力強さを感じる。過去の作品と比べても遜色がないし、多数のシンガーやプロデューサー、ミュージシャンが守り立てている分、より多彩なカーティスの魅力が発揮されていると言える。

オーガナイズド・ノイズのプロデュース②は、基本、カーティス・モードだが、味わいが微妙に違う。メイヴィス・ステイプルズの塩辛いバック・コーラスが好スパイスになっている。オーガナイズド・ノイズは⑧で再登場。淡々としながらも黒々としたサウンドを聴かせる。

③は安定のナラダ・マイケル・ウォルデン。ムードが少し明るくなる。アレサ・フランクリンがゲストだが、クレジットがvamp。魔性の女とでも訳すのかな。確かに人間離れした存在ではあるが・・・。歌詞は解らないが勇気づけているような感じが伝わる。最後に演奏が止まりひと言。「ゴー・アヘッド・メイフィールド!」。

マイケル・ウォルデンは⑩と⑬も手掛けている。オーガナイズド・ノイズがスタイリッシュに纏めれば、マイケルは開放的でメロディアスだ。カーティスには両方似合う。冒頭に「多彩な魅力」と書いたが、各プロデューサーが上手に光を当てているのだろう。

⑤はGファンク勢がやりそうな曲。ミッド・スローと言うのか、ゆったりとして心地好い。ラッパーの一人がメイフィールド姓だが、ファミリーだろうか。⑥と⑨は、テリー・トラウトマンのプロデュースにロジャーのミックスとトークボックス。ロジャーは控えめだが、哀愁を感じるようなトークボックスの音色だ。⑨ではシャーリー・マードックの手堅い歌唱も。

⑦に登場するのは、サンドラ・セイント・ヴィクター。クセのある歌い方だがクールな感覚があるので下卑ない。男女デュオはソウル・ミュージックの代表的な形態と言える。ここでのカーティスは、男女デュオに於ける男性ヴォーカルのステレオタイプに近づけて歌っている気もする。流石だ。

カーティス流ファンキー・ソウル、オールド歌物ソウル、90'sR&B、色々な感覚で愉しめ、統一感もある本作。カーティスへの思い入れがなくても素晴らしい仕上がりのアルバムだ。必携の一枚・・・いやいや、やっぱりカーティスへの思い入れと深い感謝の念は添えましょう。

Ms. Martha

https://www.youtube.com/watch?v=7vpBB441Wew

Back to Living Again

https://www.youtube.com/watch?v=OhuXw-g3M8g

Just A Little Bit Of Love

https://www.youtube.com/watch?v=OhuXw-g3M8g

I Believe In You

https://www.youtube.com/watch?v=zPcHn8BUIKQ

It Was Love That We Needed

https://www.youtube.com/watch?v=AemP5NRs86M

The Got Dang Song

https://www.youtube.com/watch?v=u69IDJYJxMc

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オーティスに外れなし!

Otis & Shugg - Keep It On The Real

https://www.youtube.com/watch?v=c3ZejAel0W8

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Otis Clay featuring Lil' P-Nut - "Trying to Live My Life Without You"

https://www.youtube.com/watch?v=ZbaNg3tQK7Y

Otis Spann - T'Aint Nobody's Business If I Do

https://www.youtube.com/watch?v=pui2zoH2VlI

Otis Redding - "These Arms Of Mine" Official Video Winner

https://www.youtube.com/watch?v=GVbTE4wCbpw

Otis Rush: I`Cant Quit You Baby

https://www.youtube.com/watch?v=Uy2tEP3I3DM

WILLIE AND THE HAND JIVE - Johnny Otis

https://www.youtube.com/watch?v=jxU995zbfno

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ブルース・ブラザーズ

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http://kakaku.com/item/D0062450002/spec/

『BSR』誌最新号は、ブルース・ブラザーズ特集。付録CDも、映画で取り上げたものばかりではないが、彼らの感覚に合う曲がセレクトされている。これは全部YouTubeで拾えそうだなと思いやってみた。

  映画の本国公開は80年、日本は81年。私はいつ頃観たんだっけ。動くキャブ・キャロウェイを楽しみにしていたような記憶もあるので、黒人音楽を本格的に聴き始めたのは85年ぐらいだからその辺かな?昔、熊本でもオールナイトでテーマに沿って映画を上映していた。ジョン・ベルーシ特集だったか、ジョン・ランディス特集だったか、そこで観たような気がする。音楽を楽しみにしていたのだが、コメディーとしてもカー・アクション映画としても一級品の印象を受けた。

最近、何事も「テンポ」が大事だなとつらつら思っているが、音楽、コメディー、アクションも特にテンポが欠かせない。この映画も次から次へと、笑い音楽笑い音楽カーアクションという風に展開され飽きさせない。勢いのある曲が多い60年代ソウルにもよく合う。また、ジョン・ベルーシは、落語でよく聞く「フラがある」コメディアンだ。それがストーリー展開の小休止や、次への助走みたいな役割も成していると思う。つくづく惜しい役者だ。

I Can't Turn You Loose - Otis Redding

https://www.youtube.com/watch?v=pOXq_vLCjco

ソウル・ファンからしても、ブルース・ブラザーズの持ち曲のような気が。アレサの「リスペクト」を聞いて「あの曲はもう彼女のものだ」とのたまったオーティス。果たして、この曲に関してはどう言ったでしょうかね^^

Sam & Dave - Soul Man (1967)

https://www.youtube.com/watch?v=8fS9-Yimdhw

Coasters "Riot In Cell Block No 9"

https://www.youtube.com/watch?v=EwiuNQ5SQpA

Messin' With The Kid - Buddy Guy & Junior Wells

https://www.youtube.com/watch?v=w4Tcm2FPKnc

King Curtis - Peter gun

https://www.youtube.com/watch?v=Io92RTVY4_Q

Ray Charles - Let The Good Times Roll

https://www.youtube.com/watch?v=pHGsz3FNq2k

レイが映画で演じたのは、次の曲。オリジナルで聴いてみよう。

The Five Du-Tones - Shake a Tail Feather

https://www.youtube.com/watch?v=XaKVs5mJ4Bg

Aretha Franklin think

https://www.youtube.com/watch?v=cGXU7268Z50

コミカルな設定を忘れる超絶シャウト!これに鳥肌が立たない人は体質異常だ。

Solomon Burke - Everybody Needs Somebody To Love

https://www.youtube.com/watch?v=7OKAlBC-XWQ

付録はウィルソン・ピケットだが、私はオリジナルがヨカです。

CAB CALLOWAY - Minnie the moocher

https://www.youtube.com/watch?v=u7ogK_unbqM

Big Joe Turner - Flip,Flop And Fly - 1966

https://www.youtube.com/watch?v=tLP6PScAYVk

映画の名場面の一つ、カントリー酒場で歌われたあの曲を最後に。もちろん、この人で。

Candi Staton-Stand By Your Man

https://www.youtube.com/watch?v=RbyStJWvaj

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.15

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[22枚目]●アル・グリーン『アル・グリーン・イズ・ラブ/フル・オブ・ファイアー』<ハイ/モータウン>(86)

http://diskunion.net/portal/ct/detail/XATW-00002067

  75年作の前者と75年録音を含む76年作の後者の2in1。いずれも本人とウィリー・ミッチェルの共同プロデュース。

アル・グリーンの真の魅力に気付いたソウル・ファンは、一段と深みにはまる。もちろん、優しい歌声と心地好いグルーヴは持ち味なのだが、細かい部分まで熱を帯びた歌唱は、聴き込むほどに惹き込まれる。

  両アルバムの1曲目のようなミディアム乗り(他に⑧⑬⑯…カッコいい)から、ファンキー・タッチの②(ホーンや女性コーラスのタイミングがグッド)⑥(最高!)⑨⑫⑱⑲、或いは切々としたバラード③④⑤(身悶える)⑦⑩(再び身悶える)⑭⑮⑰(しっとり)まで、アル・グリーン節は生きている。<ハイ>の伴奏陣(スネアとハイハットの刻みが好き…ハワード・グライムスですかね?)やウィリー・ミッチェルのセンス(ストリングス・アレンジ等も)辺りも含め、70年代ソウルの旨味を満喫できる。

L-O-V-E (Love)

https://www.youtube.com/watch?v=DpAbAFJ4MJI

Rhymes

https://www.youtube.com/watch?v=FV8wqH-Qvlk

could i be the one

https://www.youtube.com/watch?v=hPGI8m2DpBE

full of fire

https://www.youtube.com/watch?v=8lTEIdnv_Js

Together Again

https://www.youtube.com/watch?v=W_0Guq9C1RY

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