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2015年12月

今年の出来事

ブログをチェックしたついでに、今年の出来事を振り返ってみる。

1月は、ヨメさんの退院で始まる。

「レコード棚を順番に聴いていく計画」を思い付き、大抵途中で潰れるのにいまだに続いている。当初は短いレビューだったが、段々長くなった。どうせならと腰を据え始めたのと、全然整理してない棚なので、次に何が出てくるかを自分自身楽しんだのが良かったようだ。

ゆめタウン久留米店に初めて行く。タワレコがあり、ちょっと前のアトランティック・シリーズが置いてあったりするので利用価値があった。

一挙に6月。帯状疱疹に罹る。ちょうど東京行きも重なり結構しんどい日々だった。年齢上の問題もあるが、どうもこの辺りからスカッとした体調の日があまり無い。身体の硬さを特に感じるのでストレッチなど試みてはいる。

東京ではW・C・カラス×デルタビートの『裏日本対決』を堪能。「日本のブルースマン・ウーマン」には以前から興味があったが、想像以上のブルース濃度の濃さだった。

ジミ・ヘンドリックスの映画鑑賞。8月に観たJB映画にも共通した感想を持った。音楽界のビッグ・アイコンである両名だが、基本的に音楽に対する愛情の深さを感じた。ジミヘンも自らのギター・サウンドだけが注目を浴びがちだが、バンド仲間との演奏を純粋に楽しんでいる姿勢が伝わった。

8月は母親逝去。大往生。

9月の福岡買い付け時、「オールデイズ・レコード」を初体験。ネット購入がほぼ常識の現代、店先でレコードを選ぶ楽しさを思い出させるラインナップである。黒人音楽に興味を持ち始めた頃の作品も多い。懐かしい。

一年を通して仕事が忙しく体調は万全ではない。逆にそういう状況だけに良い音楽に出会うと今まで以上に嬉しく感じる。来年も自分の感情に沿った思いをいかに表現できるかに注力する。

どうぞよろしくお願いします。

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曲を聴くより人を聴く

例年、この時期になると、ブログを読み返して、購入したアルバムから「ベストテン」を選び始めている。まだ未聴の物があるので発表は来年。今回はちょっとジャンルというか傾向別に分けて考え、順位を決めず象徴的なアルバムを選んでみようかと今の所思っている。

インターネット~SNSを通じて幅の広い音楽情報が得られ、多様な角度からの音楽ファンや音楽ライターさんの発言で、参考になった部分は大きい。何しろ、ここ最近まで所有CDに白人の物が無かった始末。

それでは、果たして、趣味が変わったのかと言うと、そうでもない。むしろ、ブルースへの思慕は高まった。色々聴いた上で「やっぱり、ブルースだな」と結論付けた訳でもない。色々な音楽を聴いてみた事で「音楽の聴き方」に変化が出たのかも知れない。掘り下げるような聴き方を最近している気がする。上手く表現できていないが、あまり惑わされなくなった。

いずれにしても、自分の趣味の世界。自分が、どう受け止めたのかを表現するに尽きる。「曲を聴くより人を聴く」は私が考えた好きな言葉だが、音楽の中に感じ取れる人間性を軸に、これから先も考え続けたい。

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読む、聴く、出会う。

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●河合隼雄・立花隆・谷川俊太郎著『読む力、聴く力』<岩波現代文庫>(06/15)

http://bookmeter.com/b/4006022700

セミナーでの対談記録と、同テーマに拠る一文(谷川さんは詩)。

「読む」行為も「聴く」行為も、現代人は疎かになっていないか。「読む」は読書に限らず「先を読む」や「気持ちを読む」といった行為も含まれる。「聴く」は音楽を聴く事から、他人の話を聴く事まで含まれる。「耳を傾ける」と言えば良いか。

速いテンポで大量の情報が流れている世の中。文章や他人の話を深く掘り下げるより、情報や知識として「知ってる」「知らない」だけで終わる。これでは「読む」も「聴く」も不十分である。 各氏は各々の立場から「読む力、聴く力」を自己涵養する為のヒントを述べられている。河合さんは、心理カウンセリングの現場でのクライアントの話を聴く姿勢について。立花さんは、音が聞こえる身体の仕組みや、結局世の中は「出会い」であるといった話。谷川さんは、文字や言葉を超えた身体感覚の重要性について。

自分の糧になる「出会い」は、情報や知識のつまみ食いでは得られない。理屈以前の純粋な感動(身体感覚)が有って初めて「出会える」。カウンセリングも、クライアントに喋りたいように喋らせて、泣けてくれば泣くし、つまらなければつまらないと言うとの事。すると、相手の方で自分の問題点を掘り下げていけるらしい。クライアントの立場に立てば、聴いてもらった事で「出会えた」のだろう。

音楽や映画、小説、芸能等で、多数の支持を得ていても、自分にはピンと来ないというのが誰しもあると思う。この感覚が大事な気がする。感じてから考える意識を常に持っていれば、世間の動向に惑わされず、出会える。良い意味での我が道を行ける。

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.22

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[29枚目]●ジョージ・カー『ラヴ・ラヴ・ラヴ』<ハーバー・ライト/Pヴァイン>(88/90)

http://diskunion.net/black/ct/detail/54C090218502

歌手としてだけでなく、コンポーザー、プロデューサーとして、ニュージャージー・ソウル界を盛り上げたジョージ・カー。個人的には、シンガーとしての力量はずば抜けてはいないと思う。ただ、ソウル・ミュージックの“落とし所”を心得た丁寧な歌唱ではある。

  本盤は、久々の復活作として、88年、自らのレーベルを通じて発表した物の日本盤。ジャケットを変え、4曲ボーナス・トラックを収録している。

  1曲目に、甘茶ソウルの大定番「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」。おかげで、一挙に甘茶ワールドへ陥ち込んでゆく。②~④と愁いと切なさ全開だ。時折、ここで美麗なファルセットが欲しいなぁと思う箇所もあるが、やむを得ないだろう。

⑤~⑦は、正直打ち込みサウンドが気になる。⑤とかメイズっぽくもあるが・・・全面甘茶を期待する方がおかしいかな?

⑧はアーヴァン系。アル・ジョンソン辺りに歌わせたい。オリジナル盤はここまで。⑨~⑫のボーナス・トラックは、甘茶云々言う前に、良く出来たソウル曲。女性とのデュエットが3曲続くが、女性が男性のファルセット・パートを担っている部分もあり、ジョージとの釣り合いが良く取れている。

いずれにしても、意欲的な一作ではある。アレンジにパトリック・アダムスが参加。

ARE YOU EVER GONNA STOP THE RAIN

https://www.youtube.com/watch?v=RZ_8Gicl4zc

The Closer I Get To You

https://www.youtube.com/watch?v=A-akOKPX-qI

If You Could Read My Mind

https://www.youtube.com/watch?v=AXZYn1PLXws

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[30枚目]●アン・ヴォーグ『ファンキー・ディヴァス』<イーストウェスト/アトランティック>(92)

http://diskunion.net/portal/ct/detail/XAT-1245298002

フォスター&マッケルロイの、騒々しい感じはどうも昔から苦手である。結局サウンドが気になり、アン・ヴォーグに意識が向きにくい。意識出来ても、コーラスの高音部等の喧しさだったりする。とにかく刺激が強い。まぁ、そういう時代だったんでしょう。

Free Your Mind

https://www.youtube.com/watch?v=i7iQbBbMAFE

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.21

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[28枚目]●オージェイズ『メッセージ・イン・ザ・ミュージック』<フィラデルフィア・インターナショナル/ソニー>(76/10)

http://diskunion.net/portal/ct/detail/54C100405706

<PIR>での6作目(1枚はライブ)。話題作を連発し、ソウル界での評価も定着した時点でのアルバムだ。ご記憶の方も多いだろうが「ニュー・サウンズ・オブ・フィラデルフィア」をコピーに、「NSOP」のロゴをプリントしたTシャツプレゼント等も加味した<ソニー>の紙ジャケ再発シリーズの一枚だ。余談だが、私はパティ・ラベルやフューチャーズをゲットしたのを思い出す。

閑話休題。ケニー・ギャンブルとレオン・ハフは、メッセージ性を備えた音楽事業を目指していたそうだ。本盤の裏ジャケットにもケニーによる熱い一文が掲載されている。メッセージ性を表に打ち出すと堅苦しいイメージを持たれる恐れもあるが、ギャンブル&ハフ曰く「踊りながらメッセージを汲み取ってほしい」との事。なるほど、当レーベルの諸作にはその理念は反映しているようだ。ここまで、高橋芳朗さんのライナーをかいつまんで書かせて頂きました。

本盤も、まず、気分を乗せなきゃ始まらないといった感じだ。アルバム・タイトル通りではないが、タイトル曲と言える①。じわじわ盛り上がるスキャットの切れ目、擦るようなギター音を端緒に、一挙にめくるめく世界へ引き込まれる。 ②は静かな滑り出しだが、ダイナミックなゴスペル・ソングとして締まる聴き応えのある一曲。③④は正に「踊りながら考える」曲。言うまでもなく、ソウル・ミュージックはダンス・ミュージックとしての側面が強い。しかも、自然発生的だ。感動が腰を揺らせ、ステップを踏ませる。メッセージが身体活動に同化する。だからこそピュアでディープなのだろう。 ⑦は、メアリー・J・ブライジやニーヨがサンプリングした事でも有名なフレーズが印象的。

ファルセットも含め、3人の、ここぞと言う時のハードな掛け合いが生むダイナミズムは、オージェイズの真骨頂。本盤でも存分に味わえる。残念な事に、アルバム発表から一年経たない内に、メンバーのウィリアム・パウエルが癌で他界。オリジナル・オージェイズとしては最後のアルバムになった。

Message in our music

https://www.youtube.com/watch?v=jfJgc9cWjbQ

A Prayer

https://www.youtube.com/watch?v=08tkeSMu2Ws

I Swear, I Love No One But You

https://www.youtube.com/watch?v=4VHVy4TIb3k

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2015年11月の音楽メーター

11月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:5枚
聴いた時間:67分

スタンディング・オヴェイションスタンディング・オヴェイション
2015.11.22 タワーレコード久留米店にて購入。
グラディスの迫力満点ヴォーカルに、ピップスの連中もハードに応える。しかし、歌のピーク部分でのハスキーな展開とか、歌唱力の素晴らしさより人間グラディスが垣間見えるのが何よりの感激。
聴いた日:11月27日 アーティスト:グラディス・ナイト&ザ・ピップス
カル・デ・サックカル・デ・サック
2015.11.22 タワーレコード久留米店にて購入。
温かみや和らぎの音世界。「癒しの音楽」とはこういったアルバムに使うもの。特に私が好きなのは、ほのかに漂うゴスペル感覚だ。
聴いた日:11月25日 アーティスト:エリック・カズ
Soul DirectionsSoul Directions
2015.11.22 タワーレコード久留米店にて購入。
オーティスの影を追っているイメージだが、オーティスよりバランス感覚は長けている。アップ曲でのスピード感、バラードでの切実感は味わい深い。フェイム&アメリカン・スタジオの好フォローもあり。
聴いた日:11月25日 アーティスト:Arthur Conley
Last Time AroundLast Time Around
フォークの良さを残しながら、ロックっぽさも十分の、まさに「フォーク・ロック」。しかし、枠にはめきれない、独特の屈折したような味わいが耳に残る。本盤は寄せ集めだそうだから、1、2作目を聴くべきかな?
聴いた日:11月04日 アーティスト:Buffalo Springfield
Doc WatsonDoc Watson
カントリー・ソングの感覚にはまだ完全には馴染まないが、ギターの上手さは聴き応えあるね。
聴いた日:11月02日 アーティスト:Doc Watson

わたしの音楽メーター
音楽メーター

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