ブラックミュージック10選・第3回
『週刊ドリームライブラリ』の「ブラックミュージック10選」第3回は「変わりゆく変わらぬもの」をキーワードにしました。黒人音楽の転換点は数々ありますが、ゴスペルからソウルへ向かう動きを、サム・クック「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」を提示して述べてみました。
この企画、第1回から順番に書き始め、回ごとに編集長さんとやり取りして、固まっていきました。この辺りまできて編集方針に合わせるには「どこまで書くべきか」が見えてきました。二人の間で少し議論になったのは、ゴスペル=黒人霊歌ではないのかという点でした。確かに一般的にはそう表現されているものもありますが、ゴスペルを黒人霊歌と説明しても余計わかりにくいと私は思いました。個人的にはゴスペル以前のスピリチュアルズを霊歌と思ってまして、ゴスペルと別物と考えています。ただ、自分の考えを押し付ける場ではないので私も再考しました。それでも、今の時代「霊歌」という言葉を出さなくても「ゴスペル」という言葉自体市民権を得ていると思うのです。ウーピー・ゴールドバーグの映画とか一般的なカルチャーセンターの活動とかにも「ゴスペ...ル教室」はあります。但し、そこから連想されるゴスペルはクワイヤー形式のもので、カルテット・スタイルではないですね。結局、ソウル・スターラーズの動画を観て頂いた事でゴスペルからソウルが生まれたという流れが編集長さんにもご理解頂けました。やはり、最終的には曲を聴くのが解決方法ですかね。じゃあ、カルテット・スタイルを説明する必要はなかったかと考えましたが、これこそ「深入り」し過ぎと思い自重しました。
男性ソウルシンガーの祖がサムなら、女性は誰なんだという思いも浮かびました。アレサか、とも思いましたが、どうも違和感がありサムのみにソウル・シンガーの祖を代表させました。
本当は「変わりゆく変わらぬもの」の例としてブルースだったり、ファンクだったり、ヒップホップだったりの例も挙げるべきかとも考えましたが、比較的有名なJBとレイ・チャールズに触れるに止めました。
私がこれまでブログなどで書いてきた文章とは違う感覚、それを一番楽しんでいるのはもちろん私です。求められるものを簡潔にしかもある程度の読み応えもあるように書く、その目論見が達成できているかは不明ですが、やりがいのある企画でありました。
結局は黒人音楽自体の魅力が救ってくれているんじゃないかと思います。
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