琵琶デュオ・アゲイン
琵琶デュオさん達のライブを観たのは5年ぶりだ。5年間の違いは私なりに感じたのだが、考える内にそれは私の視点が変わった事もあるのかなと思えた。以前は琵琶の音色の玄妙さが耳から離れず、思いのスタート地点がそこだった。今回は両者の手の動きが見える席だったこともあり、撥の動きの激しさがまず印象に残った。ギターのストロークとは違う打楽器的な使い方なのかなと素人目には映ったし、さらに弦を擦ったりベンドさせたり(たぶん厳密に言うとそんな簡単な奏法ではないんだろうけど)といった細かいテクニックがプラスされた事による音の広がりが感じ取れた。しかも二人でやられるとアンサンブルとか優しい言葉は不似合で、格闘に近い迫力を感じた。しかも、語りや唄の部分に入ると、潮が引くような場面転換を見せ強弱の差が妙味だった。
ゴスペル、ジャズ、歌謡曲の要素を取り入れたと書くのは簡単だし、実際に組み込んでいかれたんだろうが、曲になったものを聴くと組み込んだのではなく、滲み出てきたというのが正解に思えるほど何の違和感もない。言葉の使い方がおかしいかも知れないがこれも「変わりゆく変わらぬもの...」ではないだろうか。
長篇の「雨夜の皇子」は二人の琵琶弾きの交流の場面で、これは琵琶デュオ誕生の起源の話のようにも思えた。意識されておられたんでしょうか。この作品もさまざまな要素が違和感なく並存している。
琵琶デュオさん達との再会に5年の間があったのも、運命というと大げさだが感じ取り方の微妙な違いを意識できる期間だったのかも知れない。最近気になっていた「土着」というキーワードも今回のライブでヒントを得た。さて、今度はいつお会いできるだろうか。いずれにしても、この次も新鮮な驚きが得られるだろうという確信がある。
| 固定リンク
「biwa duo」カテゴリの記事
- 琵琶デュオ・アゲイン(2016.06.14)
- うたえやうたえ(2013.06.22)
- ライブらしいライブ(2011.03.27)
コメント