ポール・バタフィールド・ブルース・バンド
http://diskunion.net/portal/ct/detail/XAT-1245292188
このバンドがブルースを基盤にしながら、さまざまな音楽形態を辿っていたとは知らなかった。シカゴの黒人街サウスサイドのクラブで評判を呼んだのがスタート。シカゴ・ブルース・スタイルをパワー・アップしたサウンドは、正にブルース・ロックの真髄だ。スタジオ録音だがライブ盤を聴いている、いやライブを観ているような一回きりの刹那感を感じる。ゆっくり味わう暇をもらえぬ勢いだ。
サイケデリック・サウンドの申し子的存在の時代もあった。「演奏しまくる」姿勢の延長とも思える。インド音楽の構造を取り入れ、メンバー各自が自由な感覚で演奏する様はジャズ的でもある。スリリングでダイナミックだ。
面白いというか感心したのは、デイヴィッド・サンボーンを含むブラス隊を取り入れた時期だ。力強さに余裕が加わり、音の表情が豊かになった。スワンプ・ロックみたいなのもある。ポールの歌声もドスの効いた感じから表現力を増した。エルビン・ビショップのギターにも渋みを感じる。また、ベースが饒舌なので底辺にグルーヴが滞留し、サックスソロも引き立つ。
単なるルーツ志向に終わらず、色々な試みをする事で結果的にルーツの魅力を強調したバンドだったのだ。それを思うと、早逝が一層悔やまれる。
SHAKE YOUR MONEY-MAKER
https://www.youtube.com/watch?v=j1L2vJ0U4Bc
Work Song
https://www.youtube.com/watch?v=xO2JAA47Mgk
WALKING BY MYSELF
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