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2016年8月

コルシア書店の仲間たち

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●須賀敦子著『コルシア書店の仲間たち』<文春文庫>(95)

一人の人間には必ず一つの人生がある。

イタリア・ミラノに在住していた筆者は、周囲からは「キリスト教左派の集まり」とみなされている「コルシア書店」を中心として様々な人物に出会った。書店を立ち上げたカリスマ的神父から書店で働く人々や出入りする人々。貴族の末裔、移民、農家育ち、ユダヤ人、 各々立場や思想、生活様式は違っても「人生」の変遷は等しく訪れている。

端正な文章で風景や人物の描写が成されていく為、各章毎にスポットの当たる人物に人生に於けるターニング・ポイントが来ても大袈裟にならず深みが増す。
筆者自身も夫を亡くしているのだが、大きく取り上げず、夫の居る自分も夫の居ない自分も、ある種淡々と表現されているのが妙にリアリティーがある。

ヨーロッパならではの民族間の葛藤なども、一市民としての視点から理解させてくれる。

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2016年7月の音楽メーター

7月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:22枚
聴いた時間:303分

Blues As Big As Texas 1Blues As Big As Texas 1
テキサスのアグレッシブ系ギタリストを中心に。ジョニー・コープランドは声が若い。"T99"ネルソンとか好きだな。ゲイトマウス・ブラウンの音楽センス流石。他、ジューク・ボーイ・ボナーやパーシー・メイフィールドも。
聴いた日:07月27日 アーティスト:Various Artists
Risque Rhythm: 50's R&B by Various Artits, Wynonie Harris, The Swallows, The Dominoes, The Sultans, The Roy (1991-10-15) 【並行輸入品】Risque Rhythm: 50's R&B by Various Artits, Wynonie Harris, The Swallows, The Dominoes, The Sultans, The Roy (1991-10-15) 【並行輸入品】
ナスティーな50年代リズム&ブルース集。「ビッグ・テン・インチ・レコード」「ワーク・ウィズ・ミー・アニー」等の有名なところから「ロケット88」のタイトル・パロディー等々。ナスティー縛りを気にしなくても乙な編集盤。色気たっぷりに歌いながら突然昂るダイナ・ワシントンは超・絶妙!
聴いた日:07月26日 アーティスト:Wynonie Harris, The Swallows, The Dominoes, The Sultans, The Roy Various Artits
With These Hands/a Million toWith These Hands/a Million to
ジェラルド・アルストン加入前と加入後の2in1。ジェラルドの存在感はやはり凄い。もう一枚はある意味「手作り感」を感じる。メンバーが曲を書き、ポップ・フィールドの曲もソツなく表現。ガサガサしたヴォーカルも良し。考えてみりゃスタンスは変わってないんだな。ジェラルドが目立ちすぎた。
聴いた日:07月26日 アーティスト:Manhattans
Blues PartyBlues Party
「ウルフ・バンドの大番頭」では終わらずソロになっても存在感を見せるヒューバート・サムリン。特にテンポの良い曲での始めの一音というか、切り込み具合は最高だ。「ウエスト・サイド・ソウル」冒頭のマジック・サム調、ウルフ曲での「らしい雰囲気」、メンバーのヴォーカルのギリギリセーフ感なども
聴いた日:07月25日 アーティスト:Hubert Sumlin
心変わり心変わり
テンプテイションズに於けるラフィンの迫力唱法には及ばないが、独特の哀切感を感じる。いつの時代も優れたミュージシャンは曲中に自分自身を投影している。曲を聴くより人を聴く。ラフィンには最後まで付き合うべき。
聴いた日:07月24日 アーティスト:デヴィッド・ラフィン
You'll Lose A Good ThingYou'll Lose A Good Thing
名盤中の名盤!抜群の乗りと歌唱力だ。買わなければ大損の一枚。ジェイミーのシングル集もほしくなった。
聴いた日:07月22日 アーティスト:Barbara Lynn バーバラリン
クライング・イン・ザ・チャペルクライング・イン・ザ・チャペル
なんともロマンチックな世界。甘い声質が生む極上のセクシーさ。婦女子の貞操観念を狂わせたライブは一体どんなものだったんだろうか?
聴いた日:07月21日 アーティスト:オリオールズ
Black DiamondBlack Diamond
疾走するビートに豪快なシャウト。じわじわ盛り上げるというよりいきなり高みに昇っていく感じ。
聴いた日:07月20日 アーティスト:O.C. TOLBERT
Only Way Is UpOnly Way Is Up
ラティモア盤を多数聴いている訳ではないが、本盤は結構ワイルドなシャウトが聴ける。しかも無駄に吠えず自然な昂ぶりである。
聴いた日:07月18日 アーティスト:Latimore
Chocolate to the BoneChocolate to the Bone
豊かで張りのある声。ギターは低音弦が特に超絶。ベースプレイヤーが別にいるみたいだ。それにしても最近戦前物を聴くと回転数ばかり気になっていけません。
聴いた日:07月15日 アーティスト:Barbecue Bob
メイヴィス・ステイプルズ/オンリー・フォー・ザ・ロンリー+1メイヴィス・ステイプルズ/オンリー・フォー・ザ・ロンリー+1
ソロ作の2in1。1作目はソフト、2作目はハードタッチ。断然2作目が良い。1作目のストリングスなど甘ったるく感じる。私はメイヴィスのアーシーな部分が好きなので・・・。
聴いた日:07月14日 アーティスト:メイヴィス・ステイプルズ
テリン・イットテリン・イット
アンのハスキーで力強いヴォーカルをハイリズムが抜群のサポート。どんな賞賛の言葉も及ばない。迷わず買いましょう。裏ジャケも惹きつけられる。
聴いた日:07月13日 アーティスト:アン・ピーブルズ
トータル・エクスプロージョントータル・エクスプロージョン
シル・ジョンソンに外れなし!冒頭のハープを聴いただけでゾクゾクする。ブルース・ファンには絶対のオススメ。いやいや凄い人だ!
聴いた日:07月12日 アーティスト:シル・ジョンソン
ウォーク・オン・ア・タイトロープウォーク・オン・ア・タイトロープ
交通事故で顔面に後遺が残った状態での奮起作。クラブブルース的な展開なのだが、そのゆったりとした展開も加わり、やや舌がもつれ気味にさえ聴こえる。だが、それがマイナスではなく静かなる迫力で迫ってくる。パーシーがどういう歌手か知ってから聴いた方が沁みる一枚。
聴いた日:07月12日 アーティスト:パーシー・メイフィールド
THE COMPLETE REF-O-REE RECORDINGSTHE COMPLETE REF-O-REE RECORDINGS
ソウル界の「三大テイラー」が好きな人は必ず気に入る。声質が荒い分ウイスキーのショットグラスを空けるような刺激。でも抑制も効いてます。
聴いた日:07月08日 アーティスト:FREDDIE WATERS フレディー・ウォーターズ
ブラック・アイス(紙ジャケット仕様)ブラック・アイス(紙ジャケット仕様)
ジャケットはファンキーだが内容は極めてオーソドックス。「全員野球」という言葉があるが彼らはさしずめ「全員ソウル」。各パートの絡みが素晴らしい。
聴いた日:07月06日 アーティスト:ブラック・アイス
Dragnet for JesusDragnet for Jesus
世俗寄りの女性のソロゴスペル歌手というとシスター・ロゼッタ・サープを思い浮かべるが、ロゼッタに比べるとコブシを効かせるタイプ。C.L.フランクリン師との絡みもあるよ。
聴いた日:07月05日 アーティスト:Sister Wynona Carr
Here Kitty KittyHere Kitty Kitty
タイロン・デイヴィスの影響が強い。音創りも優れている。局面によっては歌より演奏に夢中になってしまう。
聴いた日:07月05日 アーティスト:Billy Soul Bonds
Something Good for YouSomething Good for You
最近はインディーズ・ソウルはサザン・ソウル=ブルースという呼び方もするそうで、まさにこの一枚はサザン・ソウルファン、ブルース・ファンが安心して聴ける一枚。
聴いた日:07月04日 アーティスト:Chuck Roberson
MOSLEY & JOHNSONMOSLEY & JOHNSON
潤いのある声はよく耳に馴染む。80年代ロック風の曲も。ディープ度は今一つだが聴きやすい。
聴いた日:07月01日 アーティスト:MOSLEY & JOHNSON
ジョイ・イン・マイ・ソウル~ザ・コンプリート・サー・レコーディングズジョイ・イン・マイ・ソウル~ザ・コンプリート・サー・レコーディングズ
ソウル・スターラーズの感覚を持つサム・クックがソウルの基盤を創り、そのサムのレーベル下でスターラーズが時にサム的なムードを醸し出す。貴重な記録である。
聴いた日:07月01日 アーティスト:ザ・ソウル・スターラーズ
ハーモニー・オブ・ザ・ソウル ヴォーカル・グループス 1962~1977ハーモニー・オブ・ザ・ソウル ヴォーカル・グループス 1962~1977
62-77年の録音と言えばソウル期全体を指すようなもの。リズム&ブルースの感覚を持つものと超甘茶路線が多い。ドリーミーな世界の中に漂う渋み。マニアックだが眉根は寄らず。
聴いた日:07月01日 アーティスト:オムニバス

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