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ジャニスとの新しき再会

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『BSR』誌最新号では、9月10日から公開されているジャニス・ジョプリンの映画に関連して彼女の特集が組まれている。

佐藤英輔さんは、ジャニスが女性ロッカーの先駆者でありリベラルな思考を持つ白人の先駆者であると述べられている。

妹尾みえさんは、「ブルースは持たざる者の歌」と認識していたジャニスが、ブルースに翻弄されながらも真摯に表現しようとしてきた姿を描かれている。

柴崎祐二さんはカリスマという言葉や伝説で片付けられがちなジャニスのミュージシャンシップを強調されている。

いずれも、ジャニス・ジョプリンというシンガー、ミュージシャン、女性の姿を鮮やかに甦らせる好コラムであり、ご一読をお勧めする。

私は、小学生から中学生に上がる頃から洋楽に興味を持ち始めた。中一が1970年だから既に彼女はこの世にいない。熱唱というより絶唱という言葉が似合うジャニスの歌声は、青二才には渋かった。ブルースの存在なんて知らない、白人も黒人も意識していなかった私にも何か凄いものが籠められている予感はしていた。

しかしながら、そんな回顧談の中にしかジャニスは存在していなかったのが正直なところだ。後にビッグ・ママ・ソーントンの「ボール・アンド・チェイン」を聴き、いやぁ、やっぱりコッチだよなぁと思った。実は、こういう単純比較は真実を見過ごしてしまう。オリジナル曲をジャニス風に解釈するその手腕までは思いが至らなかった。今回の特集でジャニスのバックバンドとの密やかな軋轢=孤立化や音楽を創造する姿勢を知るにつけ、髪を振り乱して歌う姿や、少女の笑顔を見せる彼女の固定化されたイメージとは違う角度を得る事ができた。一度きちんと向き合う価値のあるミュージシャンだ。

Move Over

https://www.youtube.com/watch?v=eihw2hu65S0

Summertime

https://www.youtube.com/watch?v=guKoNCQFAFk

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コメント

こんにちは!
ブログを始めましたのでリンクさせていただきます。

投稿: スミイシ | 2016年9月14日 (水) 12時02分

どうもありがとうございます

投稿: k.m.joe | 2016年9月17日 (土) 15時28分

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