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2017年9月

片隅03

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南阿蘇・ひなた文庫店主竹下恵美さんと、日田市の映画館・リベルテの支配人原茂樹さんは、地域に文化を根付かせようという前に、周囲との情のこもったコミュニケーションを取られている姿勢に感心した。

菅野樹さんの小説「ひとかりしちろ」は、時代小説。言葉が喋れない剣士七朗と混血の富松、本来は高い身分にあるあぐりという少女、それぞれの苦悩と強く生きる姿勢が伝わる。因縁の相手と七朗の対決も迫力あり。

葛引すい子さんの小説「ゆきしろの底」は、どこか宮沢賢治の世界に通じるような動物と人間が同一の立場で語られているような面白味がある。土俗的な世界観も魅力的。

ページの折々に現れる若松英輔さんの詩「言葉の護符」は、詩を読み慣れてない身にも深々と言葉が伝わる。

残念なのは、全体的に誤字脱字が目立つ。小説とかだと「表現」なのか間違いなのか迷う局面もあり。しかし、それを瑕疵とあげつらう気にまではならない。言葉や思いの力が伝わる雑誌ではある。

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興味の向かう先

●キッチンのリフォームを目論むヨメさんに連れられ、展示会場に行ってきた。どの世界でも商品への企業努力は成されているものである。流し台の収納スペースの多彩さ、シンクの材質やレイアウト、水の流れる道を作る事で、洗い物と、ゴミと、洗った食器が混在しないようにした工夫とか話を聞くと面白い。換気扇も、毎月一回お湯を入れたユニットをセットすれば、自分で自分を洗浄するらしい。我が家のキッチンがどの程度変化するかは、まだまだ未知数だが、何につけ変化というのは楽しみである。

●石田ゆり子とムロツヨシが夫婦役で出ているCMの一つに、上に書いた自浄作用のある換気扇が取り上げられているのに初めて気が付いた(私らが行った展示会とは別会社)。今まで何度も見ていたと思うが、気が付かなかった。いかに、石田ゆり子しか見ていなかったかという事だろう。あまり、魅力的なタレントを使うと商品が何であったか思い出せないという何とも、皮肉な話である。いや、これは男性に限った事で、世の主婦は大丈夫だろうと思っていたが、ヨメさんも気が付いていなかった。今回、話を聞いた事で興味の対象となり、やっと訴求力が及んだんだろう。私も、石田ゆり子がブルースのCDとか宣伝してくれたら、即商品に興味が向かったと思うよ。

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Rose Royce - I Wanna Get Next To You

https://www.youtube.com/watch?v=1kfI7NHM-EE

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.46

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[55枚目]●ファンカデリック『ファンカデリック』<ウエストバウンド>(70)

http://diskunion.net/portal/ct/detail/1006163826

ジョージ・クリントンの自伝『ファンクはつらいよ』に拠ると、ファンカデリックの「デリック」は、サイケデリックの「デリック」だそうだ。時代の趨勢もあるだろうが、確かに、本盤のサウンドは、後のファンカデリックに比べるとサイケデリック度が強い。

また、強調しておきたいのは、彼らのブルース・フィーリングの豊かさである。⑥「クオリファイ&サティスファイ」に至っては、「フーチー・クーチー・マン」よろしくストップタイムをキメている。サイケデリックとブルースは近しい関係なのかも知れないが、本盤を聴くと特に感じる。更に、サイケと言うとカオス的なイメージがあるし、本作にも感じ取れるが、決して収拾がつかないような混沌ではなく、確固としたバンド・サウンドが基本としてある。当たり前かも知れないが・・・。ただ、職人集団としての魅力と同じぐらいに、ユーモア精神に支えられたエンターテイナーぶりも絶賛したい。

①「マミー、ホワッツ・ア・ファンカデリック?」は怪しげな音で始まり一挙にサイケデリックな世界へ。ヴォーカルと言うより囁き、ブルースハープ、女性コーラス、ギターがドップラー効果のように浮遊する。

②「アイ・ベット・ユー」は、いなたいスライみたい。次第に音の渦に吸い込まれる。③「ミュージック・フォー・マイ・マザー」は訥々とした語り調とアーシーなコーラスのリフレイン。

④「アイ・ガット・ア・シング、ユー・ガット・ア・シング、エブリバディーズ・ガット・ア・シング」。ファンキーなギターのカッティングが先導。高速な演奏だが曲の展開自体はゆったりめで、バランスが絶妙。自然なグルーヴに揺れる。⑤「グッド・オールド・ミュージック」。ドラムの音の転がり、ギターのトロンとした感じは絶妙。オルガンも好い味。ラストの「ホワット・イズ・ソウル」も、ちょっとダブみたいな部分も含め、感覚が黒い。

ファンカデリックは、このアルバムを出す前からデトロイトでは人気を博しており、満を持してのリリースだった。Pファンク軍団を語るのに、ジョージ・クリントンの存在が欠かせないのはもちろんだ。よく言われるように、細かい部分まで指示を出し、統率しているJBと違い、メンバーは一見自由に振る舞っているように思える。しかし、乱れてはいない。全員がジョージの“思想”を解釈し世界観を創っているのではないだろうか。正に「ワン・ネイション・アンダー・ア・グルーヴ」である。軍団の歩みを最初に纏めた本アルバムにも強く感じる。

最後に、メンバーを表記通りに書いておく。エド・ヘイゼル(リード・ギター、ヴォーカルズ)。ビル・ネルソン(ベース、ヴォーカルズ)。タウル・ロス(ギター)。チキ・フルウッド(ドラムス、ヴォーカルズ)。ミッキー・アトキンス(オルガン)。

MOMMY, WHAT'S A FUNKADELIC?

https://www.youtube.com/watch?v=c-53pFRA9IQ

I Got A Thing, You Got A Thing, Everybody's Got A Thing

https://www.youtube.com/watch?v=zGVTEP0xoiw

Qualify And Satisfy

https://www.youtube.com/watch?v=lhXsfQQOs6s

(Full Album)

https://www.youtube.com/watch?v=4vYZ0LQkWo0

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