アリヨ!
昨年「シカゴ・ブルース殿堂」入りされた、アリヨこと有吉須美人さんの寄稿が『BSR』誌最新号に載っている。
地域的な殿堂である為、順番じゃないかと言う謙遜と、素直に受け入れる気持ちの併存が戸惑いとして表れているようだ。更には、日本人として黒人音楽・文化に現場で関わる事の微妙な距離感・違和感について、正直に淡々と書かれている。控えめな存在のようで、曲により、バンド全体の熱を下げる役割だったり、逆に高揚感の基となる存在がブルースに於けるピアノではないかと思う。有吉さんの演奏も正に自由自在、ブルース・ピアノの真髄が味わえる。その演奏のように、熱がこもり過ぎない落ち着いた一文だ。渡米直後の苦労話から、有名ミュージシャンとのセッションを続け地位を固めていく様子、最近の活動状況など興味深く読めた。周囲への感謝の気持ちも伝わり有吉さんの人と成りも伝わった。
私は、85年、ロバート・ジュニア・ロックウッドとの来日公演を札幌で観ている。その時も丁寧かつ溌剌としたプレイで、やはり一流の演奏家だなと感心、というのも失礼だが楽しい夜を過ごさせて頂いた。実は、宿泊場所がロックウッド一行と一緒で、朝ロビーで出会えた。会場で買ったLPを小脇に抱えていたのでロックウッドも諒解してくれ握手もできた。有吉さんは後方からニコニコしてその様子を見ておられたのを今でも憶えている。
有吉さんの受賞は、日本のブルース・ファンにとって誇りである。今回寄稿で、ご本人の受賞の感慨を知り、ますますその感を強くした。
Key to the highway_Billy & Ariyo
https://www.youtube.com/watch?v=nMsU1R-BoE4
ROBERT JR. LOCKWOOD /「Ain`t Nobody`s Business」
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