ブルース&ソウル・レコーズ139号
ファッツ・ドミノのアルバムは、編集盤を一枚という気になるのが正直な気持ちだが、本特集のようにじっくりとオリジナルを紹介されると、ついつい頭の中でセレクトしてしまう。その過程が楽しかった。それにしても<インペリアル>期のライブ録音が無いのは寂しい。
連載物では中河伸俊さんの「歌詞から見るブルースとソウルの世界」で取り上げられたマッキンリー・ミッチェルの「ジ・エンド・オブ・ザ・レインボー」(虹のふもと)。彼の歌手人生との対比が胸を打つ。ひとつの曲の歌詞内容に踏み込むと、深みはさらに深化するものだ。
日暮泰文さんの「リアル・ブルース方丈記」ではW.C.ハンディと「ブルースの父」考察。私は、ハンディを「ブルースの父」とは思ってないが、それを他人にうまく説明できない。ここでは、彼の軌跡を丹念に追う事で、「ブルースの父」かどうかがあぶり出されている。
吾妻光良さんの「ブルース・イズ・マイ・ビジネス」でのジャズ・ミュージシャン・評論家の叔父さんの話も温かく心に残った。
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