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2018年3月

ブルース&ソウル・レコーズ139号

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ファッツ・ドミノのアルバムは、編集盤を一枚という気になるのが正直な気持ちだが、本特集のようにじっくりとオリジナルを紹介されると、ついつい頭の中でセレクトしてしまう。その過程が楽しかった。それにしても<インペリアル>期のライブ録音が無いのは寂しい。

連載物では中河伸俊さんの「歌詞から見るブルースとソウルの世界」で取り上げられたマッキンリー・ミッチェルの「ジ・エンド・オブ・ザ・レインボー」(虹のふもと)。彼の歌手人生との対比が胸を打つ。ひとつの曲の歌詞内容に踏み込むと、深みはさらに深化するものだ。

日暮泰文さんの「リアル・ブルース方丈記」ではW.C.ハンディと「ブルースの父」考察。私は、ハンディを「ブルースの父」とは思ってないが、それを他人にうまく説明できない。ここでは、彼の軌跡を丹念に追う事で、「ブルースの父」かどうかがあぶり出されている。

吾妻光良さんの「ブルース・イズ・マイ・ビジネス」でのジャズ・ミュージシャン・評論家の叔父さんの話も温かく心に残った。

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春分の収穫

冷え込む雨の休日。娘は、福岡のスイーツ・バイキングへ。私ら夫婦は、ゆめタウン光の森へ行った後、彩炉の焼き肉ランチを食べようと移動。時間があったのでブックオフのくすのき店に立ち寄った。CDコーナーを眺めると、思ったよりブルースやジャズ物に面白い物があった。3点購入。

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●アート・テイタム・トリオの<オフィシャル>盤。ギターはタイニー・グライムス、ベースはスラム・スチュワートと、考えただけで気分が乗ってくるトリオだ。

https://www.discogs.com/ja/Art-Tatum-Trio-The-Complete-Trio-Sessions-With-Tiny-Grimes-Slam-Stewart-Vol-1/release/5538068

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●シドニー・ベシェの<クラシック>盤。アーリー・ジャズへの思い高まっております。

https://www.discogs.com/Sidney-Bechet-1938-1940/release/8367535

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●シェメキア・コープランド『ウィッキド』<アリゲーター>(00)。気になってはいた人だったので試しに一枚購入。

https://www.discogs.com/Shemekia-Copeland-Wicked/release/4136969

焼肉も、食べ放題でなくほど良い量の方が美味しさを味わえる。CDも都市部に遠征した場合は別だが、日頃はこのくらいの枚数がジックリと対峙できるかも知れない。

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速読・遅読

●速読を推奨する人と、遅読を推奨する人と二通りある。より多くの本を読もうとしたら速読、文章を噛みしめたかったら遅読、と結論付けるのも不足感が湧く。結局、本次第じゃなかろうか。本の分厚さと読了に掛かる時間は必ずしも比例しない。井上ひさし『吉里吉里人』は、大部だがほとんど一晩で読んだ。ページを閉じられないのだ。もちろん、若かったのもある。でも、飛ばし読みではない。かなり集中して読んだ。遅読したのに結果速読?

●逆に考えると、読みにくい文章は時間がかかり、頭にも入りにくい。最近はあまり集中力もないので飛ばし読みになったりするのも正直なところ。遅読を目指すも結果速読?そもそも、時間がかかりそうな本は買わない。結局は、自分の気持ち(感性)が全てであり、読み方を決めてかかるのは所詮不自然じゃなかろうか。

●今日はひさしぶりに、並木坂の古書店巡り。古書・汽水社では『甘茶ソウル百科事典』。少々値は張ったがこれは持っておきたい一冊。発売時は私があまり甘茶系に耳を向けてなかったね。続いて天野屋書店さんで米原万理『発明マニア』。古書店で米原作品を見つけたら大抵買う。最後に、舒文堂河島書店にて、フィル・ガーランド『ソウルの秘密』。原題は「Sound of Soul」なので格別秘密感はない。原著は69年と、ソウル・ミュージックが誕生して間もなくの頃。「黒人の音楽」を強調している雰囲気をありありと感じた。ニーナ・シモンに一章割いていたり、ジャズとの繋がりにも言及していたりする部分にも興味を惹かれた。著者は『エボニー』の編集長でもある。

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サザン・ブルースの魅力(2)

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『BSR』誌最新号の付録CDを探る第2弾!一曲だけ見つかりませんでしたが、サザン・ブルースの魅力が堪能できます。戦前のシッポも感じる。ルーラルでありながらモダンな音使いも時に聴ける。ひとりひとりの技能が絡み合う、基本的なブルースバンド形態の発揮。色んな表現は可能だが、やはり曲の愉しさが先立つ。

Howling Wolf 'Riding in the Moonlight' 78 Version

個性的なキャラクターが先に立つウルフだが、ハープのフレーズは極めて真っ当(サニーボーイⅡが師匠)で、何だかその辺の感覚が妙に落ち着く。

https://www.youtube.com/watch?v=Jqiz-9EHmHs

Charley Booker No Ridin' Blues (1952)

ヴォーカルのいなたさにまず引き付けられる。本人によるギターもくすんでて良い。ハープはヒューストン・ボインズ

https://www.youtube.com/watch?v=ttV31MDlFFM

"Baby Face"  Turner - Blue Serenade

ギター+ハープ+ピアノの絡み

https://www.youtube.com/watch?v=ellh3jGrXsE

Alfred "Blues King" Harris Miss Darlene (1952)

解説にも記載してあったが、スリーピー・ジョン・エスティスの感覚も。切ない別れを歌う心情が伝わる。

https://www.youtube.com/watch?v=4FFzySo_tCE

James "Peck" Curtis 44 Blues

若干のスラッピン・ベースが良い味わい。

動画なし

Willie Nix Lonesome Bedroom Blues (1951)

ヴォーカルとドラムが本人。ギターはウィリー・ジョンソン。緩すぎず速過ぎずのサザン・ビート!

https://www.youtube.com/watch?v=q2G9_M-Xi8M

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サザン・ブルースの魅力(1)

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『BSR』誌最新号の付録CDはサザン・ブルースのコンピレーションである。<モダン/フレアー>系などが集められている。子供の顔ジャケで有名な「地域別探求シリーズ」からのものが多いようだ。全12曲中、まず前半6曲をYouTubeで検索してみた。

Elmore James - Please Find My Baby

ミシシッピ州のクラブで、ポータブル・レコーダーで録音された本作は、だからこその猥雑な迫力に満ちている。ピアノはアイク・ターナー。

https://www.youtube.com/watch?v=Uy4UYmlfVBw

Sunny Blair - 5 Foot 3 Blues

単発的に入るハープなど、全ての楽器がリズミックに聴こえる抜群の乗りを持つ一曲。

https://www.youtube.com/watch?v=Uigj7ct53q8

Modern 856 ''Peace Of Mind'' Joe Hill Louis

ワンマンバンドの極致。ヴォーカルの渋さも特筆したい。

https://www.youtube.com/watch?v=rP9jtq5sNog

(1951) Modern ''Water's Blues (I'm In Love With You)'' (Take 1) Walter Horton

ハープのテクニック以上に、その田舎臭さが魅力的なウォルター・ホートン。トロントロンと漂うギターはジョー・ヒル・ルイス。

https://www.youtube.com/watch?v=H-ZnPCunxJM

Boyd Gilmore - Take A Little Walk With Me

例えば、ロックウッドの同曲と比べるなら、艶の無さが、逆に艶消しの味に繋がっているように思う。感情の昂まりを感じる本人のギターも良いね。

https://www.youtube.com/watch?v=zg8wHuAdhyA

Robert Dudlow Taylor Lonesome (1952)

たった一回のセッションで残された曲。サザン・ブルースの重要アイコンである「キング・ビスケット・タイム」の仲間による半ば雑然とした音塊が、未舗装道路に舞う土埃りのように何とも言えないルーラルな空間を生み出しいる。

https://www.youtube.com/watch?v=VZDh5gIQYJk

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メアリー・ウェルズ

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メアリー・ウェルズと言えば「マイ・ガイ」だが、女性らしいたおやかさが感じ取れる名曲である。前にもブログに書いたが、彼女のデビュー曲「バイ・バイ・ベイビー」は「マイ・ガイ」とはイメージが違うパワフルな魅力に溢れている。このまま突き進むのも面白そうだが、<モータウン>では難しかったのかも知れない。いずれにしても器用で、表現力に長けている歌手だ。もっと評価されてしかるべきだろう。個人的には「目と目の間が離れている女性」って好きなので、容貌的にも好ましく思っている。

Mary wells " My guy "

メイクは派手めだが可愛らしさが伝わる。やらされてる感もあるけどね。

https://www.youtube.com/watch?v=rwqQmNH58ys

Mary Wells - My Guy (live 1982)

すっかり落ち着いてサラッと流している

https://www.youtube.com/watch?v=tOaxc4LveBo

Mary Wells - Bye Bye Baby (1960)

ぐいぐい惹きこまれる。

https://www.youtube.com/watch?v=2necn5WMipw

Mary Wells - Bye Bye Baby (Live from the Apollo Theatre 1962)

アポロ・ライブは更にゴスペルぽく。これぐらいやらないと観客が満足しない?

https://www.youtube.com/watch?v=H3wSdxJXCxo

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.49

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[58枚目]●デルフォニックス『フォーエヴァー・ニュー』<ヴォルト/Pヴァイン>(00)

http://diskunion.net/portal/ct/detail/XATW-00092159

※本文を書くに当たり、森島繁美さんのライナーを大いに参考にしています。

メンフィス・ソウルの重要レーベル<ヴォルト>の復活は、当時話題を呼んだ。本盤のデルフォニックス以外にも、ドラマティックスやL.J.レイノルズ等、いずれも評価は高かったように記憶する。

ただ、新生<ヴォルト>は、西海岸を拠点としていた。すなわち、フィリー・ソウル界のレジェンドたるデルフォニックスが、元はメンフィスで、西海岸在のレーベルから発信するという、ちょっと面白い状況とも言える。

では、デルフォニックスの歴史を辿ってみよう。中心人物はウィリアム・ハート。高校時代に、兄弟のウィルバートと、リッチー・ダニエルズ、ランディ・ケインと結成。66年に初録音、68年、ダニエルズが脱退。ソウル史に残る傑作「ラ・ラ・ミーンズ・アイ・ラブ・ユー」も68年の作品だ。71年、ランディが脱退し、ブルー・マジックを結成。代わりに参加したのがメイジャー・ハリス。ところが、75年前後、ハリスとウィルバートは、元フューチャーズのフランク・ワシントンとチームを組み、デルフォニックスを名乗る。ソウル・グループに時折見られる「分裂」だ。ハリスは同時にソロ活動に勤しみ、名盤『マイ・ウェイ』(74)を生み出した。メイジャー・ハリスに関しては、どちらかと言えば、デルフォニックスのメンバーとしてより、あの伊達男風イラストジャケを思い起こす人が多いかも知れない。一度別れたものの、80年、ハリスは再度ウィリアム・ハート側の本家?デルフォニックスに戻る。何と、同時にランディ・ケインも里帰りした。

中々ややこしいが、今回ご紹介するアルバムのメンバーは、ハート、ハリス、そしてフランク・ワシントンの3人だ。その後をあえて付け加えるなら、12年にメイジャー・ハリスは亡くなっている。ウィリアム・ハートは今もデルフォニックスを率いて活動を続けているようだ。フランク・ワシントンは03年~09年までスピナーズに在籍。その後はソロ活動をしているようす(明確には把握できず)である。尚、83年の12インチ「アイス」がYouTubeに上がっており、今でいうブギー調の軽快な曲だ。この人も中々の歌い手だが、ソウル・シンガーとしては当たり前のレベルだ。

さて、内容。

①タイトル曲は、「すべり出し」にふさわしく、軽快である。

②「シーズ・ザ・カインダ・ガール」は、静かに始まり、美しく盛り上がる。そもそも、ほぼ全ての曲がそうだが。

③「マイ・ワールド・リヴォルヴズ・アラウンド・ユー」は、メイジャー・ハリス→ウィリアム・ハート、ハート+女性コーラスという展開。終盤、ハリスも軽く加わる。やや、ハリスの枯れた声が気になる。

⑥「ノー・ワン・ノウズ」は、ララルララ~のリフレインが印象的な曲。

⑧「ブレイク・ユア・プロミス2000」は、打ち込みの軽いシンコペーションが心地好い。

⑨「サムウェア・イン・マイ・ライフ」は、よりゆったりしたバラード。

⑪「ルールズ・オブ・ザ・ゲーム」は、打ち込みを効かせている。

⑫日本盤オンリーのボーナス曲は、タイトル曲のインスト。

デルフォニックスは、ウィリアム・ハートのハイ・テナーが全てと言ってしまうとあんまりだろうが、中心的役割を担っているのは否めない。本盤でも、メイジャー・ハリス、フランク・ワシントンを抑えて目立っている。なんだかんだと、ハートの甘い声に満ちた一枚である。森島さんはもう少し変化があれば、更に良かったのでは、と書かれている。確かに、時代を意識したアルバムの完成度を考えたらそうかも知れない。ただ、ウィリアム・ハートの絶妙な歌声を思う存分堪能する。そんな保守的な聴き方でも良いような気がする。従って、現代R&Bファンより、オールドソウルの呪縛から抜けきれないタイプの人向けである。

①Forever New

https://www.youtube.com/watch?v=wNKArinQIgo

②She's The Kinda Girl

https://www.youtube.com/watch?v=HnkodKlZUvg

⑥No One Knows

https://www.youtube.com/watch?v=eEidXyCXFY4

⑨Somewhere In My Life

https://www.youtube.com/watch?v=RbM39-v7OVo

Major Harris - Love wont let me wait

https://www.youtube.com/watch?v=-xItIxyykXk

FRANK WASHINGTON - Ice   

https://www.youtube.com/watch?v=-Y3GgrHM9ZQ

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わさもん

●今週後半は、チームリーダー不在の為、代行して通常より早い出勤が3日間続いた。いつもとは勝手が違うので変に疲れる。但し、早めには帰られた。おまけに、事務中心なので、荷物等持つと腕がだるくなっていたのが、楽になっていた。

●ゆめタウンはません店にLoFtがオープンしたという事で、行ってみた。糸井重里さんの「ほぼ日」商品等も置いてあり、さすがは垢抜けている。それにしてもレジの長い列には辟易。熊本弁で「わさもん」(わさ=早生らしい)と言うが、熊本県人は「新し物好き」とよく聞く。ファストフード店が新商品をまず熊本で発売して様子を見るという話もあるようだ。しかし、新し物好きを対象にして正確なデータが取れるのかとも思うが、どうだろう。

●LoFtは結構広かった。これだけのスペースでレコード屋だったら、と思うが、そんな事思うのはごく一部のわさもんだろう。

Jambalaya Professor Longhair

https://www.youtube.com/watch?v=alS8TVQBo_g

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