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2018年5月

薄味ソウルの妙

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本人たちより、デルズがバックコーラスに参加している点に興味が集まりがちなプレイヤーズ。<オールデイズ>盤で聴く事ができる。確かに代表曲「ヒール・ビー・バック」における下支え感やノーザン・ビート「アイ・ウォナ・ビーフリー」での乗りの厚みは特筆すべきだろう。しかし、デルズが感じ取れる・取れないにばかり集中すると、彼らのオリジナリティーに気が付きにくいし、そもそも疲れる。多分に私の耳の悪さではあるが、ここは素直に聴いていけば良いのではないか。YouTubeにも全曲アップされているほどのグループだ。デルズを持ち出さなくても愉しめる。

確かに、リードのハーバート・バトラーは弱っちい。ここぞという時にパワー不足を感じるのは否めない。だが、通して聴くと彼の薄味のヴォーカルが魅力を放つ。特に、ドゥーワップ系や、ややポップ寄りの曲、いわゆるメリハリに乏しい曲、ある意味ファジーな世界に彼の歌声は似合う。デルズのベース・ヴォーカル、チャック・バークスデイルの深い低音が度々登場するのは、バトラーとバランスを取る為のような気さえする。

それならば、「男が女を愛するとき」のような熱唱型の曲は、本来なら彼のレパートリーには入らないように思えるが、終始優しく歌い上げる事で、鉄板名曲のイメージが覆され、私は存分に愉しめた。

曲は素直に聴くに限る。

He'll Be Back

https://www.youtube.com/watch?v=khoATp8Ew7Y

Peace of Mind

https://www.youtube.com/watch?v=Jn7G1e-l-Jk

When a Man Loves a Woman

https://www.youtube.com/watch?v=-N0LXaXc5BE

Since I don't have you

https://www.youtube.com/watch?v=dfviFV0ncds

I WANNA BE FREE

https://www.youtube.com/watch?v=26q7zxrM2n0

Sunny

https://www.youtube.com/watch?v=7pUOQ7lTMFE

Why Do I Love You

https://www.youtube.com/watch?v=-wvBwIr4FeE

Why Did I Lie

https://www.youtube.com/watch?v=tjVyBGg6j44

Get Hep to Love

https://www.youtube.com/watch?v=SaQliFG7El4

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久留米の収穫

鰻のせいろ蒸しで満腹になった後、ゆめタウン久留米店へ。店内のタワーレコードで『ドゥ・ザ・ブルース45s』の第二弾を購入した。

http://diskunion.net/portal/ct/detail/1007603291

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リトル・サニー、ジョン・ハーツマン、メンフィス・スリム、エディ・バーンズ、シュガーケイン・ハリス、ラリー・デイヴィス、TVスリム、アール・フッカー、ジェリー・マッケイン、ベイビーフェイス・リロイ、エディ・ボー、パパ・ライトフット、オーティス・スパンetc...今回も楽しみなラインナップだ。

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連休ブックオフの収穫

今日はブックオフ3件行ってきた。

まずは近所の北部店。ダイナ・ワシントン『バック・トゥ・ザ・ブルース』62年の作品を購入。彼女は63年に亡くなっているので、最晩年の作品ではある。

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もう一枚、<ライノ>編集のシルヴィア作品集を購入。20曲入り。96年のリリース。

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続いてくすのき店に行ったが、こちらでは何もなし。最後は渡鹿店へ。

<Pヴァイン>編集のシルヴェスター・ウィーヴァー盤を購入。

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書籍の方は、明日明後日と20%オフセールが始まるので、そもそも見る気が無かった。CDは、まだまだ福岡の収穫も聴きおわっていないので、本日分はもうしばらくお預けとなる。

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頭を使うということ

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宮本常一著『生きていく民俗~生業の推移』<河出文庫>(12)から。

http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309411637/

自給社会から交易社会、やがて都市の誕生という日本社会の発展史の中で、「職業」の発生と進展を民衆目線で詳述されている本だが、今回は印象深かった一節をご紹介。

広島県海田市の例(ここだけに限らない話だろうけど)。漁師の妻は、山中の地域まで魚を行商していた。5、6人で村を出て、各々の得意先に向かうシステムだ。支払いはそのつどではなく、盆暮れのツケ払いだそうだが、驚くべきは、どの家に何回来て何を売ったか記憶だけを頼りに商売していたそうだ。まだ、一般の人が字を知らない時代の話である。中には記号を使って記録を残していく者もいたが、大抵は自分の記憶で商売していたらしい。

著書は「人間の記憶は文字のないころの方が正確でまた忘れにくいものであった」と結んでいる。ひとりひとりが処理しなければならない事柄が多い現代社会と比較するのはナンセンスかも知れないが、かつての漁師の妻たちと、自分を考えてもおそらく脳細胞をフル活用していたのは向こうだろうなぁと思う。現代は、探せば「解答」を得られる場合もある。彼女たちは自分の頭脳が全てだったのだ。

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リル・グリーン関連曲

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リル・グリーン<オールデイズ>盤の話題を再び。

原田和典さんがライナーの冒頭で、本盤収録曲の元曲やカバー版を紹介されていた。それに基づきYouTubeで検索してみた。

まず「イフ・アイ・ディドゥント・ラブ・ユー」。憂歌団がカバーしている。弾むようなシャッフル・ビートを基本に完全に憂歌団モードになってる。

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Lil Green - If i didn't love you

https://www.youtube.com/watch?v=GZi6glhCxMQ

If I Didn't Love You by 憂歌団

https://www.youtube.com/watch?v=oa7BDy0dFfc

続いて哀しげで美しいバラード「ホワイ・ドント・ユー・ドゥ・ライト」。

Why Don't You Do Right (original) - Lil Green 1941

https://www.youtube.com/watch?v=oavQY5V0xpg

Why Don't You Do Right - Peggy Lee - Benny Goodman Orch 1943 小粋な感じ。リルの憂愁感とは別物。かなりのヒット曲だそうだ。

https://www.youtube.com/watch?v=4zRwze8_SGk

Weed Smoker's Dream -Harlem Hamfats 1936 こちらが元曲。ホウカム・ソングとしての側面も見せる。

https://www.youtube.com/watch?v=uyjW8FTGxbI

最後に、タイトルにもなっている「ロマンス・イン・ザ・ダーク」。ダイナ・ワシントンとニーナ・シモンのヴァージョンを。ダイナは何を歌っても圧巻の歌唱である。ニーナ・シモンは「ロマンス」を外して「イン・ザ・ダーク」としている。歌詞も変えているのかと調べたが、細かい言いまわし以外は基本的に変わらず。でも、「イン・ザ・ダーク」の方が彼女らしい感じはするね。

Romance In The Dark - Lillian "Lil" Green 1940

https://www.youtube.com/watch?v=sHuKiDuxkeI

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Dinah Washington - Romance in the Dark 1963

https://www.youtube.com/watch?v=0yz_vmUrQiQ

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Nina Simone - In The Dark 1967

https://www.youtube.com/watch?v=HmANmf7fXUI

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ブルーバードのリル・グリーン

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話題作続出の<オールデイズ>レコードがまとめた、リル・グリーンの<ブルーバード>作品集。

独特の、引きずるような歌い方が、そのまま曲のテンポを主導しているように思える。この時代の歌手は大体そんな感じではあるが、いわゆる「楽器のように歌っている」為、伴奏陣との溶け合う度合いが深い。

主なバックは、ブルース・ファンならよく知るビッグ・ビル・ブルーンジーとランサム・ノウリング。加えてピアノのシメオン・ヘンリーなる人物が秀逸。解説でも原田和典さんが絶賛されているように、表に出ても裏に回っても存在感が際立つ。彼が主役と思える曲さえもある。

Cherry Tree Blues

https://www.youtube.com/watch?v=0QvXTcC3hyg

Romance In The Dark

https://www.youtube.com/watch?v=sHuKiDuxkeI

Give Your Mama One Smile

https://www.youtube.com/watch?v=YmaFZvt6KH4

MY MELLOW MAN

https://www.youtube.com/watch?v=46IWX98cGNo

Knockin' Myself Out

https://www.youtube.com/watch?v=6C9XGlK30CA

Why don't you do right

https://www.youtube.com/watch?v=0x6tCSnaffQ

What's The Matter With Love

https://www.youtube.com/watch?v=TpUx2BKTRj8

How Can I Go On

https://www.youtube.com/watch?v=OIx1VMX4weY

If i didn't love you

https://www.youtube.com/watch?v=GZi6glhCxMQ

Keep your hand on your heart

https://www.youtube.com/watch?v=QCJHzs0g0y0

I'm Wasting My Time On You

https://www.youtube.com/watch?v=0Zf_DDGPZSA

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ユーモラスでダンサブル、そしてドリーミー

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シャーリー・アンド・リーのシャーリー・グッドマンの、独特な声をどう表現すべきかと考えて浮かんだのが「人間になりたての小動物」だった。妄想が過ぎるとは思うが、ありきたりの表現では追いつかない唯一無二の声の持ち主であるのは間違いない。相方のレオナード・リーは青臭い歌い方もするが、基本的に丁寧に歌う好歌手だと思う。しかし、シャーリーが絡むと途端に興味が彼女に移ってしまい、分が悪すぎる。しかし、この二人だからこそ生まれた和みの世界だ。

シャーリー・アンド・リーは、ニューオーリンズ出身の幼なじみで、中学の頃からデュオ活動をしていた。コジモ・マタッサの目に留まり、録音させてあげると言われ、当日録音はしたものの、忙しくて相手にされないでいた。後日、自社ミュージシャンの録音で来ていた<アラディン>のエディ・メスナーが気に入り、コジモに所在を尋ねるが、憶えておらず。エディ自ら探し出して契約に至ったという。もし、エディがいなかったらテープはお蔵入り。50年後ぐらいに<エイス>辺りが探し出し、コジモ・スタジオのコンピ盤に「アンノウン・デュオ」としてやっとお披露目ということになっていたかも知れない・・・また、妄想が過ぎました。

とにかく、コジモ・スタジオなのでデイヴ・バーソロミュー楽団などのガッチリしたバックで、ユーモラスでダンサブル、そしてドリーミーな曲群が展開されている。

Let The Good Times Roll

https://www.youtube.com/watch?v=uM9yYL6BD-4

SWEETHEARTS

https://www.youtube.com/watch?v=Omk3hl5fRVY

KEEP ON

https://www.youtube.com/watch?v=UudxlNpoFrI

Lee's Dream

https://www.youtube.com/watch?v=AqODxMiviOA

I'll Do It

https://www.youtube.com/watch?v=ylLawPcDg9E

SO IN LOVE

https://www.youtube.com/watch?v=9V9eVADVeZA

I Feel Good

https://www.youtube.com/watch?v=gN2E6DoQ78o

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コクとツヤのブルース

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●ジミー・ウィザースプーン『ジェイズ・ブルース~バトル・オブ・ザ・ブルース』<フェデラル/オールデイズ>(16)

http://merurido.jp/item.php?ky=ODR6169

録音年は52~54年。オリジナル7曲に加え、シングル14曲のボーナストラック。個人的には、オマケの方がジャンプ・ブルース~リズム&ブルース感覚に溢れているように思え、気に入っている。

ハード・ジャンピン・シャウターではないが、歌声の重心が低く、独特のコクとツヤを生んでいる。声にざらつきはないが、甘ったれてもおらず、力感十分。ジャズ方面でも活躍しているので、ブルース・ファンが敬遠しがちな面もあるが、少なくともこの盤には一級のブルース・シンガーとしてのジミー・ウィザースプーンが居る。演奏も、さすが<キング>系だけあって、盤石。ほどよい臭みを放つサックスや、ツボを押さえたピアノやギターなど愉しめる。

24 SAD HOURS

https://www.youtube.com/watch?v=bUa-81v1gHY

Blues in Trouble

https://www.youtube.com/watch?v=850tl9frsCg

Highway To Happiness

https://www.youtube.com/watch?v=VY-JReWJJUw

I Done Told You  「ロウディ・ミス・クロウディ」を思わせるN.O.風味

https://www.youtube.com/watch?v=d_erjY0Ju7o

Corn Whiskey

https://www.youtube.com/watch?v=4LhIV9ibmMw

Jay's Blues PART2  PART1より臭みが強い

https://www.youtube.com/watch?v=9bcSqoRNdEY

One Fine Gal

https://www.youtube.com/watch?v=hjqrQ4eqRkE

Back Home  このスロー具合が何とも!

https://www.youtube.com/watch?v=-9_0oZu8who

Back Door Blues

https://www.youtube.com/watch?v=gvOA0OGVLiQ

Fast Women And Sloe Gin

https://www.youtube.com/watch?v=NnksL5wguCw

Move Me Baby  コーラスのランプライターズが特に冴えている

https://www.youtube.com/watch?v=IgA5K1UOivA

Oh Boy

https://www.youtube.com/watch?v=uYNCG2BbEp8

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