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2018年8月

ファッツ・ドミノと対峙してみる

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●フアッツ・ドミノ『ウォーキング・トゥ・ニューオーリンズ~68オリジナル・オールタイム・クラシックス』<フードゥー>(18)

http://www.kinginternational.co.jp/rock_pops/hr-263593/

ファッツ・ドミノを「レジェンド」のひと言で片づけるのは忍びないという事で追悼の意味も兼ね、じっくりと彼の音楽に向き合ってみた。

1950~62年の録音。前半はニューオーリンズR&B、後半はロックンロール~ロカビリー色が強い。時代的要素の反映だろう。どちらを好むかの問題だろうが、デイヴ・バーソロミューとのコンビは変わらず、フアッツも極端に変化している訳ではない。とはいえ、初期のピアノプレイやホーン・セクション、ギターなどとの絡みは後半より黒いと思う。ホーンはブリブリゴリゴリではなく、どこか洗練されてほどよい濁りや臭みが漂う感じ。ギターはTボーンを思わせるような、音のほぐれ具合。まさにニューオーリンズR&Bの手本である。後半は、好みじゃないタイプの女性コーラスが入ったり、ストリングスで彩られたり、サックスソロが掴みどころがなかったり、私的には微妙な距離を感じた。もちろん、全般的には素晴らしい曲群だとは思う。

「エイント・ザット・ア・シェイム」が55年、「ブルーベリー・ヒル」が56年。アラン・フリードが「ロックンロール」というワードを使い始めたのが53年だそうなので、大きな転換点を経験したのは間違いない。ただ、そこをマイペースで乗り切った、というよりリードしたのが彼の凄い所ではある。オールドタイムなニューオーリンズらしさを失わないどころか新しい波に溶け込ませたと言えるだろう。私が単に「むき出し」の方が好きだということ。

Blueberry Hill '56

https://www.youtube.com/watch?v=GC-qX7gNPjE

The Fat Man '50

https://www.youtube.com/watch?v=aIz1cPfTRW4

I'm In The Mood For Love '57

https://www.youtube.com/watch?v=A1EuK3Vtq2Y

YOU DONE ME WRONG '54

https://www.youtube.com/watch?v=xnRec4ZiKRQ

Goin' Home '52

https://www.youtube.com/watch?v=7MPXZG5jxCs

Poor Poor Me '52

https://www.youtube.com/watch?v=oc38WEPhz3w

Going To The River '53

https://www.youtube.com/watch?v=1D1RIAhm8Fc

Reelin' And Rockin' '52

https://www.youtube.com/watch?v=OyPi8wepoCc

Please Don’t Leave Me '53

https://www.youtube.com/watch?v=lwlTDUzGWD0

How Long '52

https://www.youtube.com/watch?v=grAYyqNrGH8

Careless Love '51

https://www.youtube.com/watch?v=4xmEEw_E4Sc

Mardi Gras In New Orleans '53

https://www.youtube.com/watch?v=kSl8mIjwXYg

Rose Mary '53

https://www.youtube.com/watch?v=eoEnO1VwE_k

Something's Wrong '53

https://www.youtube.com/watch?v=2dCfS7yJIR8

Don't You Hear Me Calling You '54

https://www.youtube.com/watch?v=L3ck4yw4_7I

All By Myself '55

https://www.youtube.com/watch?v=lmtvwAJKKsU

I'M IN LOVE AGAIN '56

https://www.youtube.com/watch?v=ajWI1g7dNAk

My Blue Heaven '56

https://www.youtube.com/watch?v=CS75X7perbI

AIN'T THAT A SHAME '55

https://www.youtube.com/watch?v=I6JZW7zMDfY

La La '55

https://www.youtube.com/watch?v=ZaodnezHuzw

So Long '56

https://www.youtube.com/watch?v=nqIL-EvQ9H8

It's You I Love '57

https://www.youtube.com/watch?v=VkYSi7C9qEE

Sick & Tired '58

https://www.youtube.com/watch?v=qEFLIizyEm8

Little Mary '57

https://www.youtube.com/watch?v=01VMbd_kbD8

Whole Lotta Lovin’'58

https://www.youtube.com/watch?v=2tqeGk8QnGw

I Want To Walk You Home '59

https://www.youtube.com/watch?v=cXQNMHox2_s

Walking To New Orleans '60

https://www.youtube.com/watch?v=H1z45jVlM34

My Girl Josephine '60

https://www.youtube.com/watch?v=LztbPQb_P9w

My Real Name '62

https://www.youtube.com/watch?v=EUgd26ODiDQ

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.50

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[59枚目]●メアリー・ウェルズ『ジ・アルティメット・コレクション』<モータウン>(98)

https://www.discogs.com/ja/Mary-Wells-The-Ultimate-Collection/release/5261527

<モータウン>最初の女性スター、メアリー・ウェルズ。61年の自作デビュー曲①「バイ・バイ・ベイビー」は、パワー溢れるナンバーで、リズム&ブルースの秀作だ。代表作「マイ・ガイ」のソフトな歌い回しとは対象的だが、どちらでも、歌手としてのレベルの高さを味わえる。

デトロイトでの無名時代を知るアレサ・フランクリンや、クローデッド・ロビンソンによれば、おとなしい女子で、囁くような声で喋っていたと言う。「バイ・バイ・ベイビー」の迫力を考えると意外な気もするが、歌にこめる熱意の強さが成せる業だろう。

メアリーは、幼少期に病気を患ったり、厳しい生活状況の中、母親の手伝いで「ハウス・クリーニング」に携わったりしていた。そんな彼女は歌が大好きで、聖歌隊やナイトクラブで実力を蓄え、ジャッキー・ウィルソン絡みでベリー・ゴーディーの耳を捉えるに至った。<モータウン>の前身<タムラ>の創設が59年、メアリーのデビューは60年なので、正に歴史に残るレコード会社のスタート地点に携わっていた事になる。同じく当初からの貢献者で、副社長の座に就いたのがスモーキー・ロビンソン。ゴーディーはスモーキーに、メアリーを任せた。それで、甘く柔らかいスモーキー・サウンドへの道を彼女は歩む結果となる。個人的には、「バイ・バイ・ベイビー」のパンチ力が薄れるのは悲しいが、<モータウン>の快進撃の一翼を担ったのは間違いない。

BYE BYE BABY

https://www.youtube.com/watch?v=V3-QUOP8jlQ

I don't want to take a chance

https://www.youtube.com/watch?v=ThGbeAuo8Ng

The One Who Really Loves You

https://www.youtube.com/watch?v=y7ZSaebUhoE

Old Love (Let's Try It Again)

https://www.youtube.com/watch?v=AjlGgs49-9U

Two Lovers

https://www.youtube.com/watch?v=oa4MqpN-A2k

Two Wrongs Don't Make a Right

https://www.youtube.com/watch?v=rbSFCwb8Sec

My Guy

https://www.youtube.com/watch?v=4WT7nBGX5eU

MARVIN GAYE and MARY WELLS what's the matter with you baby

https://www.youtube.com/watch?v=s2Lbskm96IE

I'll be available

https://www.youtube.com/watch?v=8i_uyO8Lq2Q

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私は、本よりも本屋が好きかも知れない

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●和氣正幸著『日本の小さな本屋さん』<エクスナレッジ>(18)

http://xknowledge-books.jp/ipscs-book/BooksApp;jsessionid=03B3C518A0B84291C652CC680FA962DD?act=book&isbn=9784767824833

レコード屋と本屋は好きな場所だ。ただ、利用の仕方に微妙な違いがある。レコード屋に行く時はたいていレコードを買う。ところが、本屋の場合は本を買わない事の方が多い。本に囲まれた空間に身を置くのが第一の目的と言える。書店経営者及び書店員からすれば憎たらしい客だろうが・・・。

書棚に並ぶ背表紙を読み、ときに取り出し、しばし読んではまた次の本。あるいは、なーんとなくウロウロ。必ずしも大手の本屋ばかりでなく、どこにでもあるような小さな本屋やショッピングセンター内の書籍コーナーなども見て回るのが好きだ。特に小規模の本屋は、一見変わりないようで、棚の並びに本屋側の思いが感じられた時は嬉しくなる。レコード屋も特に中古屋は個性が出るが、本屋の方が度合いは大きいと思う。

本書は、正にそんな私にうってつけ。簡潔明瞭にまとめられた紹介文を入り口に、「本屋の世界」を堪能できる。特に本好きのツボを刺激する豊富な写真は見応え十分。各書店の特長が感じられ、疑似体験ができる。とは言っても人間とは贅沢なもので、あぁ、この書物空間に実際に身を置いているかのような写真技術はないものだろうかと身勝手な妄想は広がるばかりだ。

それにしても、本よりも本屋が好きというこの思い、本書に掲載された書店主各位なら笑って許して下さるのではないだろうか。いや、これもまた身勝手か。

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【創作】ゴールライン

お世話になっている『週刊ドリームライブラリ』の三題話に応募。リンクの後全文掲載。

http://w-dreamlibrary.com/corner110/pg1073.html

定年退職した良作が、居酒屋「おかめ」に顔を出す頻度も増えた。カウンター席ばかりの小さな店で、気安く飲める。

その日店に入ると、一番奥の席に馴染みの顔があった。痩せて小柄で、髪も髭も伸び放題だが、善人を絵に描いたような笑顔。残り少ない歯も愛嬌である。今では珍しい南海ホークスの野球帽もトレードマークだ。星という名前しか知らないが、気が合う飲み友達と言える。

「おー、久しぶりですね」
「しばらく入院しとったんよ。やっと飲めるようになったわ。あんたが居りゃあせんかなぁと思って来てみた」

小一時間ほど楽しく過ごしたが、やはり本調子じゃないのか、星さんは先に帰った。その後、女将さんがニコニコして、「あの人、知り合いなの?」と聞いてきた。

「えっ!? 星さんだよ! ここで何回も飲んでるでしょ!」
「いやいや、何言ってんの! 私初めて見たよ、あの人」

女将の言葉で、良作は重大な思い違いに気がついた。この店ではなかった。しかも、ここ数年の話ではない。星さんと飲んでいたのは、社会人に成り立ての頃の転勤先、大阪での事だ。40年近い昔になる。さっきの星さんは、その頃の星さんと何ら変わっていない。そればかりか、こっちは変わっているのに、向こうは自然に接してきた……。

そもそも、星さんを見た瞬間気付きそうなものだが、全く違和感がなかった。そんな自分の意識も信じられない。急速に醒めていく酔いの中で、あの人は星さんじゃないんだ、よく似た違う人なんだと、自分を納得させようとするが、とても無理だった。食事も酒も喉を通らなくなり、店を出た。

夜道を歩きながら、考えたくないが浮かんでくる思いがあった……星さん、もう亡くなってる歳だよな。

次の日。あまり眠れはしなかったが、行動する事で昨夜の出来事を記憶の隅に追いやりたいのか、珍しく料理をし、洗濯や掃除もいつもより丁寧にやった。こんな時、独り身で良かったのか悪かったのか。放ってほしい気もするし、話し相手がほしい気もする。

とりあえず、外に出よう。本屋にでも行こう。

ややぼんやりしながら、街を歩いていると、5メートルほど先に、良作の出身高校の制服を着た女子生徒が歩いていた。だが、これもおかしい。制服は何年も前にモデルチェンジしており、最近では見かけなくなっていたのだ。似たような制服もあるだろうが、それ以前に、その後ろ姿には確かな見覚えがあった。

ちょうど、書店のあるビルの入り口で、彼女は立ち止まり振り返った。

「恭子!」良作の記憶通りの人物だった。高校の同級生だった恭子は、愛想が悪く他人の嫌がる事でもずけずけ言うので、クラス内では疎んじられていた。だが、良作とは音楽や映画の趣味が合い、良作自身キツイ事言われてもめげない性格なので、自然な友達付き合いをしていた。しかし、卒業間際に重い病気に罹り、帰らぬ人となっていた。

「きゃあ! 良ちゃん、老けちゃって! オヤジというよりジイさんだな」恭子の笑顔を目の前にし、恐怖心より懐かしさが先に立ち、思わず涙ぐんだ。

「恭子、お前どうしてたんだ」
「へっ? それ聞くの? 相変わらずズレてるね、良ちゃん」

気が付くと、恭子の背後で星さんが笑っていた。「ははは、感動のご対面じゃな。昨日は驚かしてすまんかった。アッチでも飲めるんだが、たまにはコッチで飲みたくなって」

星さんが言う「アッチ」「コッチ」の意味は、もう解っていた。しかし、この世に居ない、しかも繋がりが無いはずの二人が、なぜ続けて現れたのか? お盆の時期は、まだだいぶ先だ。いやそういう問題じゃないか……良作の頭はすっかり混乱していた。

しばらく思考停止状態でいると、書店から慎介が出て来た。大学時代のラグビー仲間で、5年ほど前にガンで亡くなっている。葬式の記憶も鮮明に残っていた。最後は痩せ細っていたが、目の前の慎介は、いかにもラグビーやってましたと言わんばかりの偉丈夫だった。どうやらあの世はある程度“修正”してくれるようだ。

「その節は世話になったな。いきなりでビックリしたろう。俺が説明してやるよ」

傍から見たら妙な取り合わせに見えただろう4人は、近くの喫茶店に入り、やがて慎介が話し始めた。

「おくりびとっているだろう? 俺たちはその逆で、お前を迎えに来たんだ。いや、迎えに来たというよりまずは知らせに来た。その後のフォローもするけどな」

「俺が、もうすぐ死ぬってわけか」

良作の言葉に慎介は重々しく頷くが、いつも冗談を言って笑わせていた旧友の仕草に、良作は、いずれはオチのある話のような気さえしていた。死者と会話を交わしているという異常な状況も、すんなりと受け入れられた。

「人間が死んで、天国に行くか地獄に行くかは、その人物の事をよく知る既に亡くなっている人たちの合議で決まるんだ。まぁ大抵は天国だが。安心しろ、お前もだ。俺たちはそのメンバーから選抜されてお前に逢いに来たんだ」

「俺はいつ死ぬんだ?」
「それは俺たちも知らない。亡くなり方もわからない」

良作は、自分でも意外に思うほど落ち着いていた。全く知らないヤツが「あなたはもうすぐ死にます」と言っているのとは違うのだ。

「こういう事前通告は、決まりじゃない。今回は俺が志願したんだ。俺はガンになった時、もちろんショックだったが、自分が近々死ぬという事で、悟りに近い感情が芽生えた。上手く言えないが、一生懸命生きようという気になったんだ。お前にもその感情を経験してほしい。良作、ゴールラインは目の前だ。最後に力一杯走り切って、トライを決めてほしい」

「それで、俺の人生ノーサイドか……」

慎介は優しく微笑んだ。

「ところで良ちゃん、なんで結婚しなかったの?」恭子が口を挟む。
「えっ? いや理由はないさ、ただ何となく」
「私が居なくなったから?」
「何でだよ!」
「まぁまぁまぁ。いずれにしろ、アッチに行ったら私が面倒見て上げるよ。普通は死ぬまで添い遂げるんだけど、死んでから添い遂げるってのもなかなかオツなもんかもよ!」

恭子の屈託のない笑顔を正面から見ていたら、急に恥ずかしくなり、目を逸らし俯いた。

「そうか。それじゃ恭子の世話になるか」

しんみりとした気分で顔を上げると、恭子は居なかった。慎介も星さんも消えていた。みんなが飲んでいたドリンク類も無い。バインダーに挟んで裏返してあるオーダー表には、良作が飲んだコーヒーしか書かれていなかった。

自分に起きた事が真実だという確信はあった。それからの数日間、何気ない日常が続くが、今まで味わった事のないような平穏な気持ちで日々を過ごした。周囲の風景が色鮮やかに見え、すれ違う人々は皆幸せそうだ。「おかめ」の女将の見慣れた横顔にも、彼女が懸命に生きて来た人生が透けて見えた。

なるほど、天国人口の方が圧倒的に多そうだ。「おかめ」の帰り道、そんな事を考えていると、夜空の一部が赤く染まっているのに気が付いた。その方向に走ると、一軒の家が燃えている。消防車はまだ来ていない。周囲に集まり始めた人々も、まだ行動が取れない状況だ。その家の主婦と思える女性が「リンちゃん、リンちゃん!」とおそらく子供の名前を連呼していた。すると、良作の脳裏に、2階の子供部屋の机の下に隠れている女の子の姿が浮かんだ。周囲が驚く中、ほとんど無意識に、良作は家に入って行った。炎に焼かれても不思議と熱さを感じず、煙も吸わなかった。2階に続く階段には炎は回っておらず、まるで躊躇っているかのように廊下で滞留していた。素早く上がり、すぐに、ぐったりはしているが無傷の女の子を抱き抱えた。階段へ向かおうとしたが、火は既に2階まで来ていた。良作は窓を開け、女の子を胸にしっかり抱き、背中から落ちていった。

身体が粉々になるような、味わった事のない衝撃を受け、意識が急速に薄れていった。ざわめきの中、「女の子は無事だ」とか「おい、気を付けて動かせ」などと聞こえていたが、やがてボリュームを絞るように、周囲の音が次第に小さくなっていった。

深い静寂の中、どれだけ時間が経ったのか、どこかへ向かっているのか、時間や空間の感覚が全く無かった。何となくだが、自分は人間としての実体を失い、意識だけの存在になったんだと思えたその時、

「おーい、良ちゃーん! 起きろー!」まるで、朝ごはんの支度が出来たとでも言うような、恭子の明るい呼び掛けが聞こえてきた。

(おわり)


 







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【映画】『私はあなたのニグロではない』

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http://www.magichour.co.jp/iamnotyournegro/

黒人作家ジェイムズ・ボールドウィンをキーパーソンに、人種差別問題について深く考えさせられる作品だ。彼が強く主張しているのは「現実を直視せよ」の一点。確かに、差別主義者は差別の実態を正確に把握していない。知ろうとせずに、自分の立場を変えたくない為多数派の論理を主張する。その論理に基づく暴挙を正義と信じている。

象徴的な映像がある。ボールドウィンもその映像を観て移住先のフランスから戻ってきたという。南部の高校に初めて黒人として入学した女性徒を取り巻く白人高校生の群衆。その表情が薄気味悪い。侮蔑や嘲笑とも微妙に違う。もはや人間の表情ではない。悪魔だ。何が彼をそうさせているのか。闇は深い。

人種差別にもっとも効果的なのは、社会制度の改善ではない。差別者側の意識改革だ。しかも、自分自身で気づかなければならない。黒人でも白人でもアメリカ人でもない私らより、当事者の方が難しいだろう。悲劇の歴史を知り、自分の意識や生活をどう変えていくかだ。

それにしても怖いのは、自分自身も世の中の何らかの当事者である事。気づいていないどこかで、間違った意識や行動を取っているかも知れない。多角的な知識と熟考は重要である。映画の中に引用されていたアメリカのTVバラエティー番組のように、過剰な派手さと明るさに翻弄され、人として大事な部分を麻痺させてはならない。

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東京CD買い付けの旅(4)

ディスクユニオンお茶の水ソウル/レアグルーヴ館もなかなかの充実店舗だった。まずはウィルソン・ピケットのボビー・ウォーマック作品集。

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続いて、アイク・ターナーが関わった作品集と言えば良いのだろうか、以前から欲しかった一枚。ギタリストとしても、サウンド・クリエイターとしても、彼はお気に入りのミュージシャンだ。素行は問題があったろうが、音楽家としての実績は安定したものがある。

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コンピ盤好きの私だが、今回の旅行ではあまり集中して選べなかった。ここでは「オハイオ」に焦点を当てた2枚組をゲットした。

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あと、安売り品でジョニー・テイラー入りのハイウェイQC'ズを購入。ここもインディー・ソウル系の在庫が多かったが、何だか選ぶのに疲れてしまってここで打ち止めとした。少し歩けば、ネットのお友達にご紹介頂いたジャニス2号店があったがもうやめた。下北沢ももう一か所予定していた池袋もパス。次回があれば、新宿とお茶の水を中心に回ろう。

巣鴨のホテルでヨメさんと合流。翌日は、まだ行った事ない柴又に行く予定は立てていた。「明日行けたら行けばいいじゃない、吉祥寺」「いや、下北沢ね」。

ところが翌日、台風の進路と一緒に帰らなければならない現実に直面した。飛行機の時間を早めようと思い空港に行くも、同じ考えの人が多いせいか、一時間近く並んでカウンターで相談。早い時間が空いていたが、条件付きになるかもとの事。東京駅にいる娘の情報だと新幹線はムリみたいだったので、早い便を予約。もし条件付きにでもなれば、明日朝一番で帰る事にした。早期に情報を得たい気もあり、空港を離れずウロウロする事にした。いつもに比べ土産物屋もジックリ回ったため土産の数も多くなった。結局、どうにか無事に帰り、自宅でゆっくり寛いだ。

巣鴨のホテルだったので、ヨメさんは日暮里の服地屋さんなども頭にあったらしく、また春先にでも行ってみるかという話になった。

「その時に行けばいいじゃない、吉祥寺」

「下北沢!」

(おわり)

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東京CD買い付けの旅(3)

雨は本降り。つくづく、自分で自分の要領の悪さに呆れるが、傘を準備せず下北沢へ行った為、改札口で足止め。軒伝い作戦も使えそうにない。しばらく空を見上げていたが、結局、後回しか、時間次第では諦めようと思い、お茶ノ水へ移動。

ディスクユニオンお茶の水駅前店に駆け込みいずれも中古で3枚購入。ヴァレンティノス、キャンディ・ステイトンと、チャック・ロバーソンの2in1。ちょっと前の話題作に出会えるところがやはり嬉しい。

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もう一か所の目的地、お茶の水ソウル/レアグルーヴ館まで濡れずに行けるか、店員さんに聞いた所「ちょっと無理ですね」。とりあえず、ちょっと先までは行けそうなので試しに歩を進めると、すぐそばに丸善書店があり、出入り口に傘が売ってあった!それだけ買えば良さそうだが、本屋があれば一通り見て回る習性なので、寄り道。河出文庫の棚の前で長々と電話で話す男は邪魔だったが、ざっと閲覧。地下鉄移動の時間に本でもあればとも思っていたので、困った時の米原万理さんで、『旅行者の朝食』を購入。

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要領の悪さに加え、地図が読めない男でもある私は、ザアザア降りの中しばしうろつく。道向かいにJAZZと看板が出てるがあれだろうか。系列のオーディオ館があるので聞いてみようかと思ったら、入り口前に近辺のディスクユニオン店舗の地図があった。やはりジャズ館?と一緒の所だった。

(つづく)

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東京CD買い付けの旅(2)

ディスクユニオン新宿ソウル/ブラックミュージック館は、さすがに在庫量が多く、見て回るのに時間がかかる。インディーズ・ソウル系も興味があるが、今回はざっとしたチェックにとどまる。そもそも、一日で、興味深いレコード屋を数件、距離も離れている状態で回るのには無理がある。ジャズやロック、現代R&Bに関しては、スルーするしかない。

それはともかく、ここでは<ジャスミン>物を何枚か買った。話題のレーベルで、私好みの音がよく取り上げられているので注目していた。まず入り口近くで早速ミッキー&シルヴィアを。他はパーシー・メイフィールドとJ.B.ルノアーをゲットした。

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他には、最近買ったコンピに入っていて、まとめて聴きたくなったボビー・マーチャンと、英<フードゥー>発のファッツ・ドミノのベスト、ベタだけどアトランティック・レディー・ソウル集。

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新宿は、タワーレコードも狙っていたけど、ちょっと時間もだいぶ使ったので下北沢に移動することにした。

(つづく)

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