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ブルースは決して死なない!

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※本文を書くに当たり、永田鹿悟さんのライナーを大いに参考にしています。
ブルース界を代表するピアニスト、オーティス・スパンの安定盤。ヴォーカルを、ジェイムス・コットンと5曲ずつ分担し、ハープの強力さも目立つので双頭バンド的性格も。更に、変名でマディ親分もサポートしている。他のメンバーは、ギターにピーウィー・マディソン、ドラムがS.P.リアリー、ベースはミルトン・レクターという布陣だ。制作はサミュエル・チャーターズ。
『ブルースは決して死なない!』というタイトルも、彼らの演奏を聴けば納得がいく。ブルース職人衆としての気概に満ちみちている。冒頭に置いたタイトル曲は、川の流れのように静かで尚かつディープな立ち上がりから、徐々に熱を帯びコットンを中心に盛り上がりを見せる。抑制が効きながら熱い、正にブルースのお手本。ほら、これがブルースだよ、死んでる音楽なんかじゃないと静かに主張しているかのようだ。
「ストレイトゥン・アップ・ベイビー」はコットンの、「マスト・ハヴ・ビーン・ザ・デヴィル」はスパンの、デビュー曲再演という粋な演出も。他には、ジュニア・パーカー~マジック・サムの「フィーリン・グッド」、エルモア「ダスト・マイ・ブルーム」、マディ「アイム・レディー」など。
個人的に特に気に入ったのは、「マスト・ハヴ・ビーン・ザ・デヴィル」。この曲と、インストの「ライトニン」は、スパンのピアノ・プレイを一層満喫できる。アタックの強弱とタイミング、音の転がし方というかばらまき方の渋み。他楽器の絡みの見事さも含め名演である。
存在感の大きさから考えると、享年46歳は驚き!やっぱり、年齢なんてただの数字だね。

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