サム&デイブのはじまり
サム・ムーアは地元のゴスペル・カルテット在籍時、ソウル・スターラーズから加入の誘いを受けたが、彼はジャッキー・ウィルソンタイプに夢中だった(代わりに入ったのがジョニー・テイラー)。
その後アマチュア・コンテストでジャッキーの「ダニー・ボーイ」を熱演し、優勝。賞金に加え、マイアミでは有名なクラブ「キング・オブ・ハーツ」のアマチュア・コンテストの司会を担当する事になる。
地元のゴスペル・グループでリードを担っていたデイブ・プレイター・ジュニアがそのコンテストに挑戦。サム・クックの「ワンダフル・ワールド」を歌いたかったがハウス・バンドは演奏出来なかった。ジャッキー・ウィルソンの「ドッギン・アラウンド」を提案される。ところがデイブは完全には歌詞を憶えていない。しかし、サム・ムーアは歌えたので「ぼくが後ろから歌詞を教えてあげる」という事でステージへ。
歌詞を憶えていない箇所に入りかけた時、ジャッキーの両膝をつくアクションに挑戦しようとしたが、バランスを崩しマイクを落としそうになった。とっさにサムがマイクを拾い、一緒に歌った。
サム&デイブの誕生である。もし、バンドが「ワンダフル・ワールド」を演奏できたら、もし、デイブがこけそうにならなかったら、なんて考えちゃいますね。
その後、クラブのオーナーが2人を気に入り、ステージに上げ、やがてマイアミのドン、ヘンリー・ストーンによってレコーディングに至る。
『スタックス・レコード物語』p103より。
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