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2020年6月

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.58

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[67枚目]●ザ・ハニー・コーン『アー・ユー・マン・イナフ?』<HDH/デーモン>(91)

 

※本文を書くに当たり、Discogsとウィキペディアを大いに活用しています。

 

<HDH>は<ホットワックス><インヴィクタス>専門リイシュー・レーベル。ジャケ写はオリジナル・アルバム『スウィート・リプライズ』の左右反転になっている。

 

エドナ・ライト(リード・シンガー)、キャロリン・ウィリス、シェリー・クラークの女性3人からなるハニー・コーン。<ホットワックス>を設立当初から支えたグループである。NO.1シングル「ウォント・アッズ」を初めヒット曲も多数ある。結成は69年、解散は73年。その間アルバムは4作発表されている(70年~72年)。

 

グループ解散後のソロ作も話題を呼んだエドナは、ロスアンゼルスの出身。父親は牧師で、エドナもチャーチ・オブ・ゴッド・イン・クライストのゴスペル・グループでの活動がスタートとなる。姉はダーレン・ラブ。エドナは、65年~67年、サンディ・ウィンズ名で「ザ・タッチ・オブ・ビーナス」などのシングル曲をリリースしている。その後、ライチャス・ブラザーズやジョニー・リヴァースのバックを務め、レイレッツにも参加している。キャロリンは16歳から歌い始め、グロリア・ジョーンズもメンバーの女性3人組、ザ・ガールフレンズで「マイ・ワン・アンド・オンリー・ジミー・ボーイ」<コルピックス>というヒットを放っている。尚、エドナとキャロリンは、ダーレン・ラブも在籍していたザ・ブラッサムズにもいた。ややこしい。シェリーはブルックリン出身。小さい頃からカリプソ関連の舞台を経験。57年に家族はロスアンゼルスに移動している。歌唱力で南カリフォルニア大学の奨学金を得る。アイケッツのメンバーでもあった。66年にはバス事故に遭遇。その後リトル・リチャードやダスティ・スプリングフィールドのバック・ヴォーカリストを経験している。

 

69年、ダーレン・ラブがTV番組「アンディ・ウィリアムズ・ショウ」に出演の都合が付かず、エドナに依頼。エドナはキャロリンとシェリーを誘い、番組に出演(よく出れるもんだな。ある程度の知名度があったのかな?)。その際エディー・ホランドにも売り込み、番組を観たエディーが気に入り<ホットワックス>入りの運びとなる。エディーはエドナオンリーと契約したかったが、彼女がグループでのデビューを要求したという。「ハニー・コーン」というのはエディーが好きなアイスクリームのフレイヴァーだそう。拠点はロスだが録音はデトロイト。曲創りはエドナのボーイフレンド(後に結婚)、グレッグ・ペリーやジェネラル・ジョンソンなどが関わっている。

 

エドナの、ほど良いハスキー・ボイスとドライブ感を持ったパワフルな歌唱が何と言っても魅力である。<モータウン>で言えばマーベレッツやヴァンデラスを思い浮かべるが、影響は大きいようだ。ただ、エドナ=ハニー・コーンという感覚は否めず、グループとしての一体感はやや落ちる(当初エドナのソロ狙いだったのが関係?)。デビュー曲①「ホワイル・ユーアー・アウト・ルッキング・フォー・シュガー」はビルボードR&Bチャートで26位。続く②「ガールズ・イット・エイント・イージー」が8位。そして3作目のシングル⑩「ウォント・アッズ」がR&B、ポップの両方で1位となる(ゴールド・ディスク)。その後もヒットを連発する。しかし、<ホットワックス>の経営状態が悪化する中、ウィリスが脱退。他のメンバーでは成立しない様子で解散。エドナは76年のソロ作発表後はバック・シンガーとして、ダーレンの他、アニー・レノックス、ホイットニー・ヒューストン、レイ・チャールズらと関わっている。

 

①はデビュー曲らしく、基本的な明るい乗りのハニー・コーンモードだ。②⑤は、エドナがさほど表には出ない分、リードとコーラスの絡みが良い。③⑦⑬⑮は盛り上がり度が増し、ファンク+ロックの趣。時折サイケ。④はイントロからしてサザン・ソウル調。この路線、もっと聴きたかった。⑥は素朴な感じでフェイバリット。伸びやかな声が活きている。⑧のラテン・フレイヴァーも面白い。エドナの高音は少年的にも思え、⑨はジャクソン・ファイヴを想起した。最大のヒット曲⑩はとにかくリズムがグッド。ドラムの音だけ耳を傾けても愉しい。ジーン・ナイトの「ミスター・ビッグ・スタッフ」的でもある。⑪⑫は落ち着きのある盛り上がりを見せる。⑭⑯はモータウンのしっとり系の感じ。

 

① While You're Out Looking For Sugar

 

② Girls It Aint Easy

 

③ When Will It End

 

④ The Feeling's Gone

 

⑤ You Made Me Come To You

 

⑥ Take Me With You

 

⑦ Are you man enough are you strong enough

 

⑧ One Monkey Don't Stop No Show

 

⑨ Don't Count Your Chickens Before They Hatch

 

⑩ Want Ads

 

⑪ My Mind's On Leaving But My Heart Won't Let Me Go

 

⑫ We Belong Together

 

⑬ Sunday morning people

 

⑭ TAKE MY LOVE

 

⑮ DEAF, BLIND AND PARALYSED

 

⑯ The Day I Found Myself

 

 

 

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『ソウル・ジャンクション』について再び

 


Pヴァイン盤の帯に、ブートレグ仕様でお届けと書いてあったのが違和感の始まりだった。


オリジナルの9曲に4曲ボーナストラックを加えているのが今回のPヴァイン。具体的には83年のシングル「ジェミニ・レディー」と「グッドバイ・マイ・ラブ」の2曲にロン・ヘンダーソン名義の「バッド・サイン」とそのインスト版である。



そして、ブートレグはオリジナル2曲に加え「ジェミニ~」と「グッドバイ~」を足した11曲構成。という事はPヴァインの帯に記載されていた「ブートレグ仕様」というのはあながち間違いではない。JAMさんの解説にあった、オリジナルが基本という言も成り立つ。JAMさんの文章が自然な流れとは思えますが。


因みに2005年にはまた違ったタイプの編集盤が出ており、これもまた話題だったのを記憶している。


 


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ロン・ヘンダーソン&チョイス・オブ・カラー『ソウル・ジャンクション』

これは複雑。Pヴァインがリリースしたロン・ヘンダーソン&チョイス・オブ・カラー『ソウル・ジャンクション』。76年に僅少オリジナル、80年代ブートレグという幻盤。解説のJAMさんによれば今回の物はオリジナルを基準にという事だが、帯には80年代仕様と。


曲順は確かにオリジナル通り、曲目リストにもオリジナルのレコード番号を付記。更に、今回の表ジャケットはオリジナルの物だが、裏ジャケットはブートレグのレーベル表記。そして裏に書かれた曲目もオリジナルと違う。そこで、Discogsで調べたら更にややこしくなる。


Discogsによれば曲順はオリジナル/ブートレグ共9曲目までは同じ。つまり今回のPヴァインの裏ジャケに並ぶ曲順はどちらにもない。更に困った事にDiscogsで裏ジャケも確認できるが、Pヴァイン盤の裏曲目オリジナルの裏表記が一緒!つまりオリジナルは中身と違う表示になっている。



Discogsの間違いか、オリジナル盤そのものの表記違いか。おそらく後者かと。ブートレグの裏は内容通り表記されている。あと、解らないのが、Pヴァインの裏がDiscogsで見るオリジナルの裏曲目なのだが、レーベルがブートレグのチョイス・カットレーベルが表示されている。ごっちゃになってる。


ソウル・ジャンクションのオリジナルブートレグのDiscogsのURL


 


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オリジナルとブートレグの裏ジャケ。要するにPヴァイン盤はオリジナルの表裏を使用しているのだが、レーベルだけが違う。


 


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オリジナルのチェルシーとブートレグのチョイス・カット。


 


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久留米の収穫

昨日、タワーレコード久留米店にて2枚購入。

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.57

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●[66枚目]V.A.『ソウルド・トゥギャザー』<アバウト・タイム/Pヴァイン>(91)

 

① BABY LET ME TURN YOU ON - WILLIE CLATON

② BE MY GIRL - JHARRIS

③ COME BACK TO ME - CHARLES

④ LET ME LOVE YOU TONITE - JIMMY NICHOLAS

⑤ IT MUST BE LOVE - FRANK ALSTIN

⑥ GIRL I WANNA SHARE MY WORLD - FRANK ALSTIN

⑦ CHAPTER 11 - JIMMY NICHOLAS

⑧ LOVE STORM - ME, HIM & HER

⑨ HOW LONG DOES IT TAKE - ME, HIM & HER

⑩ DREAM COME TRUE - JHARRIS

⑪ THIS IS MY DREAM - BARBARA MORRISON

⑫ DONE BEEN - KENNY PIERCE 

 

※本文を書くに当たり、高沢仁さんのライナーを大いに参考にしています。

 

ソウル・ミュージックは果たして消滅しているのだろうか?形態としてのソウルはR&Bと名前を変えたかも知れない。しかし、その「良心」は引き継がれている。本盤は、時代的には現代R&Bだろうが、感覚的にはやや手前。しかし、70年代のソウル・ミュージックとはやはり違う。しかし、違うと言って否定するものではない。ブルースもそうだが、ブラック・ミュージックは「良心」のリレー。曲内に息づく「良心」に我々は感銘するのだ。

 

本盤の原点は、イギリスの<アバウト・タイム>。主宰者のマイク・ワードが関連レーベルも含め、セレクトした一品だ。同名のイギリス盤とPヴァイン盤では曲名が違うが、Pヴァインによる編集ではないようだ。マイクが<アバウト・タイム>の前に主宰していたのは<タイムレス>。ソウル・ファンにはこちらの方が馴染みがあるかと。本盤の冒頭で登場するウィリー・クレイトンのデビュー作『フォーエヴァー』(これもPヴァイン経由で話題となった)を生んでいる。トミー・テイト盤などもよく知られている。<アバウト・タイム>はコンピレーションが多いようで、単独ではロニー・マクネア盤などがリストにあった。マイク・ワードの他の仕事では南部に根付く<ジュアナ>や<ウェイロ>がある。

 

残念な事に本盤全体のデータがネットで拾えず、ライナー頼りの文となる。1曲目は前述したウィリー・クレイトン。ソフトな歌い口ながら渋み・深みがあぶり出しのように現れる。②⑩はジャーリス。本名ジョニー・ハリス。Discogsに拠れば本盤2曲のシングルと他曲を含めた12inchしか記録は無い。②ではせつなげな歌い方だが芯がある。⑩は雄大に歌い込む③はチャールズ。本名チャールズ・E・ダグラスⅢ。ライナーには独<TRP>からアルバムが出ると。調べたら92年に『グランド・ケイマン・ナイツ』がリリースされている。それを見て判ったがグローバー・ワシントンJrが本曲に参加しているようだ。個人的には低音域のモッチャリ声が気になるが苦にはならない。④⑦がジミー・ニコラス。彼もDiscogsで調べた所、12inch2枚のデータしかない。音域の幅の広さを感じる。コクのある中音部からよく伸びる高音部までお見事。⑦のほうがよりダイナミック。

 

⑤⑥のフランク・アルスティン。彼も、<アバウト・タイム>以外には英<ムーヴ>に12inchがある程度。ライナーで述べられているように、テディ・ペンダーグラス系。テディよりはテンダーな歌唱だ。⑤はかなりの人気曲のようだ。12inchはYouTubeに上がっておらず、シングル・ヴァージョンを貼り付けておく。⑧⑨は、「ザ・バンド」並みに意表を突いたユニット名のミー、ヒム&ハー。⑧では、めくるめく高音にハードタッチのシンガーが上手く絡む。ウェインとテリーのアーノルド兄弟と、マイケル・モリスというスタジオ・ミュージシャンのグループ。バック・ミュージシャンとして活躍しており、ウェインはジャクソンズ『ヴィクトリー』内の1曲を創っている。⑨はニュージャック・スイング風。⑪のバーバラ・モリソンは、今年の誕生日がくれば71歳。現在もジャズ歌手として活動を続けている。70年代後半から10年ほどはジョニー・オーティス・オーケストラに参加していたとの事。何とも言えない爽快感がある。ラストのスロー・ファンクはケニー・ピアース。ボビー・ブランド『カム・フライ・ウィズ・ミー』内の「ラブ・トゥ・シー・ユー・スマイル」の作者でもある。ちょっと女性シンガーに聴こえる瞬間もある。コーラスの女性連も可愛らしい。

 

Baby Let Me Turn You On - Willie Clayton

 

JHARRIS : BE MY GIRL

 

Charles - Come Back To Me

 

Jimmy Nicholas - Let Me Love You Tonite

 

Frank Alstin - It Must Be Love 45's

 

Me, Him & Her - Love Storm

 

Kenny Pierce ‎– Done Been

 

 

 

 

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