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ジョン・リー・フッカーの<インパルス>盤

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●ジョン・リー・フッカー『イット・サーヴ・ユー・ライト・トゥ・サファー』<インパルス/オールデイズ>(65/20)

 

※本文を書くに当たり、永田鹿悟さんのライナーを大いに参考にしています。

 

ジャズ作品で有名な<インパルス>から唯一リリースされた作品。既に<キング><チェス><ヴィージェイ>などで数々の傑作を物してきたジョン・リーだけに、例えジャズ・レーベルとはいえ、確立された音世界が揺らぐような心配はない。プロデューサーのボブ・シールを始め、ベースのミルト・ヒントン、ドラムのパナマ・フランシス(ジャンプ・ブルースファンにはお馴染み)、トロンボーンのディッキー・ウェルズ、リズム・ギターのバリー・ガルブレイスらがブルース感覚に溢れたサポートに徹している。特に、ギターは要所要所で無駄のないフレーズを紡いで味がある。いわゆるブギ系の曲より、どろんとしたブルースの煮汁のような曲が多いが、それはそれでジョン・リーの実力を存分に発揮した一枚といえる。ジョン・リー・フッカーに外れなし!

 

①心躍るベースワークとブギウギ・シャッフルを背景に、ドスの効いた歌声が響く。乗れずにおれない定番のサウンドだ。②はカントリー・ブルース・タッチで、ジョン・リーもモノローグ的だがずぶずぶと引き込まれる。レイジーな感覚の③から、④で若干テンポ・アップ。ギター・リフが醸すグルーヴの中、コクが深く円やかなジョン・リーの歌声が映える。時に強烈なシャウト!⑤も定番的イントロからいつもの世界へ。⑥の「デコレーション・デイ」とは戦死者の墓を花で飾る日の事だそう。それを知って聴くと一層しめやかな気分になる。本曲は、最愛の女性を偲ぶ内容。ここのガルブレイスのギターも良い味。⑦バレット・ストロングの「マネー」も、ジョン・リー流ブギへと様変わり。⑧歌というより語りの世界。ディープなムードが溢れている。地を這うようなギターがまた何とも。⑩⑪のボーナス・トラックは64年英<プラネット>から出された曲。バックを務めるのは、ブルース・ロックバンドのグラウンドホッグス。ツボを押さえたギター・プレイを聴かせるトニー・"T.S."・マクフィーがリーダーで、アメリカのブルースマンの欧州ツアー時のバックも多数経験している。この2曲は本盤と雰囲気が違い、粋なバンド・ブルースの世界が展開されている。

 

① Shake It Baby

 

② Country Boy

 

③ Bottle Up & Go

 

④ You're Wrong

 

⑤ Sugar Mama

 

⑥ Decoration Day

 

⑦ Money

 

⑧ It Serves You Right To Suffer

 

⑨ Mai Lee

 

⑩ Don't Be Messing Around With My Bread

 

 

 

 

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